cat_11_issue_oa-president oa-president_0_acvecg3zeik6_新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体 acvecg3zeik6 acvecg3zeik6 新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体 oa-president 0

新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体

2020年11月23日 08:00 PRESIDENT Online

新型コロナウイルスが再び世界で拡大しつつある。医学博士の満尾正氏は「コロナ重症者は明らかに血中ビタミンD濃度が低いという研究結果が出てきた。感染症リスクを減らすビタミンDは、予防につながるかもしれない」と説く――。

※本稿は、満尾正『医者が教える「最高の栄養」ビタミンDが病気にならない体をつくる』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

ビタミンDの免疫調整作用が感染症に効果的

上気道炎(鼻やのどなど上気道に起こる炎症)予防の目的でビタミンDを投与することは有益とされており、ビタミンDと季節性に変化する感染症とのあいだには、何らかの関係があると考えることが自然でしょう。WHOも上気道炎予防にビタミンD摂取を推奨しています。

では、なぜビタミンDは感染症のリスクを減らすことができるのでしょうか。これにはいくつかのメカニズムが考えられますが、世界のこれまでの研究では主に以下のような事実が確認されています。

・ウイルスの複製率を低下させる物質の誘導
・炎症性サイトカインの濃度の低下
・抗炎症性サイトカインの濃度の増加

ビタミンDが持つ免疫調整作用により、体内で起こる炎症が抑制されるために、感染のリスクが低減すると考えられます。

免疫で重要な働きをする「サイトカイン」とは

免疫とは、外から体内に侵入してきた異物を認識し、排除する生体防御システムです。

例えば、ウイルスなどの病原体が粘膜に感染して、体内に侵入してしまったら、まず好中球やマクロファージなどの免疫細胞が立ち向かいます(自然免疫)。マクロファージは病原体を飲み込むと同時に、その情報をT細胞に伝えます。情報を受け取ったT細胞は、攻撃部隊にウイルスを排除するように指令を出し、この指令を受け取ったキラーT細胞がウイルスに感染した細胞を破壊します。また、指令を受けたB細胞では、そのウイルスに対抗する特定の抗体を作り出します(獲得免疫)。

このようにさまざまな細胞が協力してウイルスに感染した細胞を排除するのが免疫のシステムです(図表1)。

実際にはもう少し複雑に、さまざまな種類の細胞や代謝物が機能して、病原体に対抗するだけでなく、逆に免疫細胞が過剰に働いてしまう場合はそれを抑える働きが機能したりすることで、体をちょうどよい状態に整えています。

そして、このような免疫細胞の活性化や機能抑制には、「サイトカイン」(細胞から出るタンパク質)が重要な役割を担っています。

サイトカインストームが死につながる病気を引き起こす

サイトカインにはさまざまな種類がありますが、なかでも炎症を引き起こすものを「炎症性サイトカイン」、炎症を抑えるものを「抗炎症性サイトカイン」と呼びます。「炎症性サイトカイン」の血中濃度が高くなると炎症が強まり、血圧が上がったり、血管を傷つけることで血栓を作り、心筋梗塞や脳梗塞につながったりします。

さらに炎症が強くなれば、正常な細胞・組織が崩壊され、多臓器不全に陥り、命を落とすこともあります。このような免疫の暴走状態により、炎症細胞が全身の臓器に損傷を与える悪循環を「サイトカインストーム」と呼びます。

ウイルスは自分の細胞を持ちませんから、人や動物などの細胞に入り込むことで増殖しようとします。その過程で、ウイルスを排除しようとして免疫が反応し、大量のサイトカインが産生されます。その結果、一定の炎症反応が現れるのは想定内なのですが、これに対して、ビタミンDが十分にあれば、炎症を抑える作用が期待できます。

このときビタミンDが足りなければ、どのような事態に陥るかは容易に想像がつきます。また、感染防御の過程でマクロファージ自身が、カルシジオールから活性型ビタミンであるカルシトリオールを作り出すということも突き止められています。自分で作り出さなければならないほど、ビタミンDが免疫調整において重要な役割を担っている物質であることを物語っています。

新型コロナが危険なのは「サイトカインストーム」に理由がある

新型コロナウイルス感染症では、サイトカインストームから急性呼吸窮迫症候群(肺炎や敗血症などにより重症の呼吸不全をきたす病気、ARDS)を合併し、致死的な経過をたどることが報告されています。

一方で、ビタミンD欠乏症はARDSの一因となることもわかっています。そして、その致死率は、年齢と慢性疾患の併存とともに増加し、どちらも血中ビタミンD濃度の低下に関連すると報告されています。

現時点では、ビタミンDが新型コロナを予防するという確固たるデータはありません。しかし、ビタミンDの持つ免疫調整作用が維持されていれば、サイトカインストームによる致死的な合併症を予防する可能性は十分にあると考えられます。

新型コロナ重症者は明らかに血中ビタミンD濃度が低かった

アイルランドからは、年齢40歳以上の新型コロナ罹患患者33名について経過を調べた報告が出されています。12名は重症化し、ARDSとなり、さらに、このうちの4名が亡くなられていますが、8名は回復しています。21名は重症化せずに回復の経過をたどっています。

図表2は、これらの2つのグループの患者の血液中のビタミンD濃度の平均値を比べたものです。ARDSを合併した12名の方が、明らかに血中ビタミンD濃度が低い傾向が見られます。

よく見ると、軽症群(グラフ左側)でも血中ビタミンD濃度は「16.4ng/ml」ですから、低いことがわかります。アイルランドは緯度の高いところに位置するため、血中ビタミンD濃度を維持することが難しいという事情が関係しているのかもしれません。冬の期間はビタミンDを摂取することを、国が推奨しているということです。

現時点では「ビタミンD濃度が低い=罹患しやすい」とは言えない

この研究からは、「重症者は明らかに血中ビタミンD濃度が低い」ことがわかりますが、軽症者でも血中ビタミンD濃度が低いということは、重症度にかかわらず新型コロナに罹患する人は血中ビタミンD濃度が低い傾向があるのかもしれません。

ただし、血中ビタミンD濃度が低い人と高い人で罹患しやすいかどうかを比較したわけではありませんので、現時点では、血中ビタミンD濃度が低いと新型コロナに罹患しやすいと断言することはできません。

スペインの研究でわかった治療薬としてのビタミンD

2020年8月29日に発表された研究では、ビタミンDを治療薬として投与することで新型コロナ感染症の重篤化を防げることが、世界で初めて報告されました。この研究はスペインで行われたもので、二重盲検法という医学研究のなかではもっとも信頼性の高い方法に基づいたものです。

76名の新型コロナ感染患者を、ビタミンD服用群50名と非服用群26名に分け、その後の病状の変化について調べています。ビタミンD服用群では、カルシフェジオール(カルシジオールと同義)と呼ばれるビタミンD製剤を、入院日に0.532mg、3日目と7日目に半量の0.266mgを服用、その後は週に1回、0.266mgの服用を続けています。

その結果、図表3のように、ビタミンD服用群では50名のうち1名が重症化してICUに入室したのに対し、非服用群では26名中半分に当たる13名がICUに入室しました。さらに死亡者について見ると、ビタミンD服用群では1名の死亡者も出なかったのに対して、非服用群では2名が亡くなりました。

この臨床試験結果は画期的なものであり、ビタミンD製剤を服用することで、新型コロナ感染症の重症化を大幅に防ぐだけでなく、死亡すら防ぐ可能性を示唆する内容でした。

ビタミンD服用群の患者が50名と少ないために、絶対的な結論は導き出せませんが、ビタミンDによる新型コロナ感染症治療の可能性はあると考えても間違いではありません。

[医学博士、満尾クリニック院長 満尾 正]

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朝食スムージー、半身浴、ジョギング…かえって体に残念な「空回り健康習慣」

2020年11月23日 08:00 PRESIDENT Online

体によさそうな健康習慣も、気を付けないとネガティブな影響を及ぼす場合がある。分子整合栄養学に詳しい佐藤智春氏は、「たとえば、朝食でスムージーや野菜ジュースを飲むと、胃腸を冷やして体調不良を招くことがある」という――。

※本稿は、佐藤智春『その不調、栄養不足が原因です』(主婦の友社)の一部を再編集したものです。

朝食の目的は体温を上げること

最近、朝ごはんがわりにスムージー、または時間がなくて野菜ジュースだけという人がいるようです。もし栄養を補うためにと思っているなら、メリットだけでなく、デメリットもあることを知っておきましょう。

メリットは、空腹の状態よりは活動のためのエネルギーが多少はとれること。デメリットは、①野菜や果物が中心だと、朝の体温を上げるために必要なたんぱく質が不足し、②かまないため、食物繊維や糖質が冷えた状態で胃腸に届くこと。そうなると、かえって体調不良を招くことがあるのです。

朝食の目的は体温を上げ、活動するための栄養をとることです。だから、一日の活動スイッチをオンにするために、たんぱく質を追加しましょう。スムージーは、バナナと卵を入れたバナナセーキにかえ、野菜ジュースはあたためて、卵を落としてホットスープに(または、ゆで卵を食べてもOK)。どちらも、ゆっくりかみます。朝、バナナや卵に含まれるトリプトファンをとると、ハッピーホルモンのセロトニンがつくられ、元気な一日を過ごせます。

半身浴での長湯はミネラルを失うリスクも

美容やダイエットをねらって、半身浴をする人は多いようです。確かに心臓への負担が少なく、リラックス効果があり、足のむくみが解消されることに関しては、メリットがあるといえます。しかし、残念なことに、ダイエットにはそれほど効果がないことがわかってきました。

半身浴は上半身が冷え、体全体があたたまるまでに時間がかかるため、特に寒い時期はおすすめできません。また、長時間入浴すると汗をかくため、体内の水分が減って少しやせた気になりますが、それは一時的なことです。汗にカルシウムやマグネシウムなどのミネラルがとけ出して失われ、肌の乾燥を招くおそれもあり、注意が必要です。

体をあたためる目的なら、湯船に全身つかる、従来の入浴法が見直されています。目安時間は10分ほど。入浴中は汗で水分が失われるため、その前後は、アルコールやカフェイン入りのドリンクなど、利尿作用のある飲み物は避けましょう。レモン入りの水や麦茶などで、水分補給をするのがおすすめです。

ジョギングは会話できるくらいのペースが正解

ジョギングをすると体が引き締まり、ストレスを発散できるなど、メリットが多くありますが、デメリットもあることを理解しておきましょう。

屋外を走る場合には、2つの注意点があります。1つは、紫外線による肌の酸化です。表皮細胞が紫外線を長時間浴びることで活性酸素の攻撃を受け、シミができやすくなったり、頭皮に炎症が起こったりします。

もう1つは、同じく活性酸素による酸化が体内でも起こることです。

ジョギングをすると呼吸が激しくなり、心拍数が上がります。通常、1分間の心拍数は60~80くらいですが、ジョギングではそれが2倍以上になります。ふだんの生活では呼吸でとり込む酸素のうち、2~3%が活性酸素になりますが、激しい運動ではとり込む酸素もふえ、その発生率がさらに上がり、体内をサビつかせます。

走る際は、心拍数が上がりすぎないスローペースがおすすめ。もしも伴走者がいるなら、会話ができるくらいのペースが目安です。スポーツクラブなど、室内でマシンを使って走るのもよいでしょう。

日光浴では「手のひらを太陽に」

日を浴びると体内でビタミンDがつくられ、免疫力が向上します。それ以外にも、骨を丈夫にしたり、ハッピーホルモンと呼ばれる神経伝達物質・セロトニンの分泌を促したり、日光浴にはよい効果がある一方、紫外線の影響が心配です。紫外線はシミやしわなどの要因になり、肌の老化を早めるからです。

紫外線対策をして日光浴をすればよいのでは、と思う人もいるでしょう。実は、過剰なUVケアをしていると、ビタミンDは体内で生成されません。また、季節や住んでいる地域によって日照時間には差があり、日光をどのくらい浴びればよいかは、一律に考えることがむずかしいのです。

それを解決する方法が、手のひら日光浴。日焼けをしたくない顔や首元、腕などはしっかりUVケアをし、日差しの強い時間帯を避け、手のひらを日光に当てるようにして散歩しましょう(散歩もリズム運動の一種。セロトニンをふやすのに効果的)。また、ビタミンDは食事からもとれるので、ビタミンDを多く含む食材を食卓に登場させましょう。

淡色野菜だけでなく、緑黄色野菜もバランスよく食べる

野菜を意識して食べることは、すばらしいことです。しかし、栄養素がしっかりとれると思っていたら、それは残念! というのは、切る・洗うなどして時間がたった野菜は、水溶性ビタミンが減っています。

また、外食やコンビニのサラダは、キャベツやレタス、きゅうりなどの淡色野菜が大半を占めているため、栄養価の点でもの足りないのです。食物繊維も多いとはいえず、腸内細菌のえさとしても足りません。ちなみに、日本人の食物繊維の1日の摂取目標量は、女性で18g。レタスだけでとるならば、6個食べなくてはいけません。

食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、不溶性食物繊維を多くとると、便秘になる(弛緩性の便秘)場合もあるので、両方をバランスよく食べるように心がけましょう。

一方で、ブロッコリーやにんじん、かぼちゃなどの緑黄色野菜はβ-カロテン(体内でビタミンAに変換される)が豊富。選べるなら温野菜もとり入れて。その際は、オイル系のドレッシングを合わせると、吸収率がアップします。

[バイタルアナリスト 佐藤 智春]

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9000万円の借金を抱えて「全店閉店」に追い込まれた経営者のその後

2020年11月21日 12:00 PRESIDENT Online

新型コロナウイルスの影響で企業の倒産が相次いでいる。経営していた5つの飲食店すべてを閉店し、倒産を経験した福井寿和氏は「倒産しても人生は終わらない。過剰に倒産を恐れる必要はなく、やり方さえ間違わなければどん底に落ちることはない」という——。

「倒産=悪」ではない

新型コロナウイルス感染症が日本に上陸し、その影響でこの4月、私は経営していた5つの飲食店すべてを休業しました。そしてそのまま全店舗を閉店し、会社を清算。いわゆる倒産を経験しました。

当然、倒産は私にとって初めての経験であり、倒産を意識する前は、多くの人と同じように、「倒産=悪」というイメージしか持っていませんでした。廃業は悪いことであり、事業を継続することこそが正義であると信じて疑っていなかったのです。その先にあるのは、どん底の人生で、「倒産した経営者」のレッテルを貼られ、もう二度と表を歩けないとさえ思っていました。

2020年4月に全店舗休業し、5月上旬には倒産を決意したことに対して、多くの人から「非常に決断が早かった」と言われます。その言葉の裏には、早期の決断に対する賞賛もあれば、何か裏があるのでは? 経営者ならもっと継続を前提に考えるべきでは? といった疑問の声があると受け止めています。

そういった声が上がることは当然というか、他人の事業を外から見ていれば、誰もが抱く疑問だと思います。しかし、私がこの決断を下した背景には、これまでの会社経営で培ってきた土台と考えがあります。

そして、倒産を必要以上に怖がることはない、倒産のやり方さえ間違わなければ人生はどん底に落ちることはない。その考えを広めることで、いまなおコロナの影響で苦しむ方々に、少しでも役立つ情報が届けられたらと思っています。

大切なのは「事実」と「感情」を分けること

まず、倒産を経験した身として、世の中に一番伝えたいのは、「倒産しても人生は終わらない」ということです。私には妻と子どもがおり、なんとか食っていかなければなりません。家族のためには、倒れっぱなしではいられないのです。

現在、倒産から立ち直ったかと言われれば、立ち直ったとも言えるし、まだ立ち直ったわけではないとも言えます。たしかなのは、「倒産した経験」を脇にたずさえて生きていくしかない、ということです。

「倒産」の判断について具体的に言えば、まずは会社の財務状況を洗い出し、客観的に分析することが重要です。近くにそういった数字を見られる人がいれば一緒に見てもらい、弁護士と相談しながら、判断材料を洗い出していく必要があります。

この時は、「従業員やお客様のこと」「立ち上げた会社への想い」などの感情は、いったん忘れてください。私自身、これが非常に難しいことであるとは百も承知ですが、ここは本当に重要で、とにかく「事実」と「感情」を分けて考えなければいけません。

廃業することは最悪の選択肢ではない

私の場合は、次の図表が「倒産」を判断する大きな材料となりました。

コロナの影響が出始めた3月下旬〜4月上旬の間で、経営状況を可視化し、売り上げがそれぞれ昨年対比30%減、50%減、70%減のほか、丸々1カ月休業した場合の売り上げ0のケースも想定しました。

その計算では、12月には会社の現預金が400万円代になり、従業員のみんなの給与を支払えなくなることがわかりました。当然、取引先への支払いもできなくなります。

かなり厳しい現実が目の前にありました。またこの新型コロナウイルスという感染症の特徴は、飲食店にとって最悪です。

コロナ対策で席を間引くことは売り上げの減少に直結しますし、お客様が入れ替わるたびに入念に消毒しなければならないなど、作業も増えます。また、お客様へも入店前の消毒や場合によっては検温も呼びかけなければなりません。

誰も経験したことのない情勢では、政府の補償がどうなるかも不透明です。今になってワクチンの誕生が噂されてきていますが、当時、コロナの終息は全く見えない状態でした。その中で考えられる選択肢は2つでした。

① 会社を継続させるには、どうすれば良いのか。
② 継続できない場合はどのようにソフトランディングさせるか。

私は結果的に②を選択したわけですが、一番難しかったのは感情です。私の決断は早かったので、やはり「お店への愛情が希薄だからそんなあっさり撤退できたのだ」とか「飲食店経営への情熱が足りないから早々に逃げることができたのだ」などと言われました。

しかし、私ができる範囲で、近しい人たち、家族や従業員、周りの経営を支えてくれる仲間、取引先の方々に、少しでもダメージが行かないようにする最善の選択が、会社を清算することだったのです。

どう言われようと、それが私のできる選択でした。

すばやい決断は従業員を守る

感情の面で一番苦しかったのは、従業員に倒産を伝えることでした。倒産=従業員の解雇です。経営者として従業員たちの雇用を守れなかったことは、いくらコロナだろうが、経営者である私の責任です。また、飲食店として業績回復の見込みを立てることができないと判断したのも、私の経営者としての能力です。そこに一切の言い訳はありません。

2015年に創業してから5年間、走り続けてきました。もちろん、私の店でくつろぐお客様の顔も忘れられません。

しかし、早期の決断をすれば、従業員に最低限の手当てを出すことができるし、1日でも早く、新しい職場を探すこともできます。当時の私にできる最善の策は、考えても考えても、早めに会社を畳むという結論に行き着きました。

従業員には、社内のチャットを使って、自ら「会社を畳む」ことを伝えました。言い訳はしませんでした。その代わり、なぜその結論に至ったのかは、会社の財務状況など、ちゃんと数字で示しながら、私の考えを伝えました。

文章を書き終え、何度も読み返しました。こうした方が伝わるかな、ここはこの言葉の方がいいかなと読み返しては修正し、「よし、できた」と思っても、なかなか送信ボタンが押せませんでした。これを送ってしまえば、もう後戻りはできません。

「本当にこれでいいのか」

何度も自問自答しましたが、最終的には、私に今できる最善策はこれしかないと信じ、送信ボタンを押しました。

会社を潰したら借金はどうなるのか

ここまで、「倒産」を選択した根拠や当時の心境を書きましたが、当然皆さんが気になるのは、借入金の行方だと思います。私もそれは心配でした。

私は2019年4月に5店舗目をオープンするための融資を受けました。さらに2019年12月に店舗をリニューアルするためにも投資をしており、借入残高は合計で約9000万円ありました。この9000万円には代表者保証をつけているため、このまま倒産すれば代表である私に丸々9000万円の借金が回ってきます。

パッと思いつくのは「自己破産」です。自己破産すれば債務免除となります。しかし私は事業で借りたお金は自力で返すつもりでした。なので、何か他に方法はないものか、弁護士に相談に行ったのです。

一般に、倒産と言われている法的手続きは、「破産」「会社更生」「民事再生」「清算」「特別清算」が主ですが、破産や清算は、会社組織と債権債務関係者(いわゆる借金)をリセット(債務の全部もしくは一部を返済)して、経営者が新たな事業活動を始めることを促すものです。

会社更生や民事再生は、企業の事業存続を前提に、裁判所の監督の下、借金を整理しようというものです。倒産の可能性がある経営者さんは、こういったことを近くの弁護士によく相談してみてください。

破産でも再建でもない「第三の方法」

最終的に私は、この中の特別清算を選択します。この方法を選ぶまでほぼ毎日、弁護士の先生とメールなどでやりとりしながら、9000万円の借金をどう返していくかばかりを考えていました。経営者仲間からは「少し良いマンションを買ったくらいだな!」なんて言われましたが、当時はうまく受け流せるほどの心の余裕はありませんでした。

そして、弁護士の先生とやりとりする中で、「経営者保証に関するガイドライン」の存在を知ります。詳しくは、専用ページを参照いただきたいのですが、簡単に言うと、一定の条件を満たしていれば、信用情報に一切記録されることなく、経営者の債務免除を行うという施策です。

もちろん、これまでに私を信用して融資をしてくれた銀行などには、形はどうであれ、その信頼を裏切ることになります。それに関しては本当に心苦しく、経営者として「借りた金は自力で返すべき!」とも思っているので、感情的にはだいぶ厳しいものがありました。

しかし、いずれにせよ、このままずるずるいっては、もっとひどい結末になる。であれば、このガイドラインに沿って会社を清算し、再起に向けて動き出すべきだと判断しました。そのうえで、この経験を多くの人に伝える役目があると思いました。

倒産を必要以上に恐れることはない

倒産を経験した私が今、同じような境遇にいる方に一番伝えたいこと、それは「倒産を必要以上に恐れることはない」ということです。これには多くの反発が予想されますが、目の前の事実にしっかり向き合って出した答えが「倒産」であれば、そうする他ありません。一つひとつ誠実に対応していけば、倒産後の人生がどん底にはなりません。

もちろん、私は倒産を推奨しているわけではありません。倒産すれば全てが解決するわけでもない。倒産後に人生がどん底になることはないにしても、それなりの苦労もあるでしょう。

しかし、大切なものを守ることを最優先に考えたときに、倒産は1つの選択肢となり得るし、それで大切なものが守られるのであれば、そうするべきです。そして、その経験を糧に生きていくことができます。

私はそう決意して、新会社を立ち上げ、新たなスタートを切りました。これが成功するか、そして「倒産」の選択が本当に正しかったのか、その答えが出るのはまだ先で、これからの私の生き方にかかっています。

きっと、いま、つらい思いをしている方がたくさんいると思います。そんな人が私を見て、「あんなやつでも倒産して明るく生きているのか。だったら自分にもできそうだ」と思っていただけたら幸いです。

[グラバー 代表取締役 福井 寿和]

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cat_11_issue_oa-president oa-president_0_yff9ywivgjct_「外食代の節約10年で755万円」1億円貯めた女性が毎日食べているもの yff9ywivgjct yff9ywivgjct 「外食代の節約10年で755万円」1億円貯めた女性が毎日食べているもの oa-president 0

「外食代の節約10年で755万円」1億円貯めた女性が毎日食べているもの

2020年11月21日 12:00 PRESIDENT Online

仕事が忙しいと外食が増えて、なかなかお金が貯まらない——。そんな悩みを抱えている人も少なくないだろう。しかし、1億円を貯めた女性は、時間に余裕がなくても、エンゲル係数を徹底的に抑える工夫をしているようだ。なぜ、そんなことが可能なのか、ファイナンシャル・プランナーの藤川太さんに聞いた。

がんばって働くほど貯まらないジレンマ

食費を節約したいとは思いつつ、なかなか実行できないのが現実。とくに仕事が忙しいと、自炊する時間も気力もなくなってしまい、つい、外食の回数が増えてしまう。

しかも、栄養バランスを考えて、「少しいいもの」を食べようと思えば、1回の予算は1000円前後になってしまうだろう。気が付けば、エンゲル係数が高くなって、なかなか貯蓄ができない。

結局、「がんばって働くほど貯蓄ができない」というジレンマに陥ってしまうわけだが、1億円貯める女性はどう解決しているのか。

ファイナンシャル・プランナーの藤川さんによると、お金持ちが外食するときに気にしているのは「予算を守ること」という。

お金持ちの外食予算は1回500円

「ランチ1回の予算は500円程度に設定している人が多いですね。日常的にランチで700円、800円を使う人はあまり見たことがありません」

600円のときがあれば400円のときもあるが、平均して500円程度に収まるようにしているという。実は藤川さん自身も、ランチ代の平均は500円。

「今日も松屋でお昼を食べましたが、ファストフードなら500円の予算で十分に満足できます。実はダイエットにもいいですよ」

外食代を節約すれば10年で755万円貯まる

ファストフードが「ダイエットにいい」とは意外だが、その理由を説明する前に、一般的に食費にどの程度のお金をかけているのか、家計事情をチェックしておこう。

【図表1】は2人以上の世帯の食費を総務省統計局「家計調査」(2019年)で見たもの。年収「500万~550万円」、「1000万~1250万円」、「1500万円以上」の世帯を抜き出しているが、エンゲル係数は20%台だ。

エンゲル係数とは、商品やサービスを購入するための支出(消費支出)に占める食費の割合のこと。年収が増えるほど、エンゲル係数は低くなる傾向にはあるが、それほど大きな差はない。つまり、年収が増えるにしたがって、食費も増えていることになる。

実際に年収500万~550万円の世帯の1カ月の食費は約7万2000円だが、年収1500万円以上の世帯では月12万6000円だ。その差は月5万4000円に上る。

内訳を見ると、「年収1500万円以上」の世帯では、自炊や中食の比率が下がり、外食の比率が上がっている。お金に余裕ができると、「忙しいから」と、外食する機会が増えたり、「ちょっといいものを」とぜいたくをしてしまっているのかもしれない。

一方で、1億円貯められる女性は、年収が上がっても食費はできるだけ増やさないように工夫している。仮に月5万4000円の差額を積立投資に回して、年利回り3%で運用できれば、10年後には755万円が確保できる。食費の工夫だけで、これだけの資産ができるのは大きい。

粗食があってこそのご馳走

さて、ファストフードがなぜダイエットにいいのか。それは、カロリーや栄養成分が明確に表示されていることが多いからだ。店舗のメニューやサイトで確認できる。

「今日のランチは900キロカロリー程度でしたが、ちょっといいものを食べると1000キロカロリーを超えてしまいます」と藤川さん。

ファストフードにも高カロリーの食事は多いが、それは食べなければいい。いいものであればカロリーだけでなく値段も高い。予算500円の外食は、財布にも体にも優しいわけだ。

お金持ちは、価格とカロリーをきっちり把握した店舗をいくつかお気に入りにして、ルーティンで利用する。新しい店を発掘しようという気持ちはない。お金持ち女子には昼食は毎日お弁当を作る人も多い。前日の夕食の残りなどを有効活用して手間を省きつつお弁当を作っている。

お金持ちはなぜそこまで徹底できるのか。

「粗食があってこそのご馳走です。メリハリをつけることで喜びも大きくなります。お金が貯まらない人は、日常的に『ちょっといいもの』を食べているため、そのありがたさに気づいていない人が多い。これはもったいないですね」

日ごろの外食の予算を500円にしているからこそ、余裕があるときに少しぜいたくをするのが、大きな喜びにつながるというわけだ。

前述のように、年収が高くなると、それに合わせて食費も上がっていく。外食が増えたり、「少しいいもの」を食べたりする機会が増えるだろうが、普段からぜいたくな食事をしていると、徐々に喜びも薄れてしまう。食費がかさむだけで、喜びは感じにくくなってしまうのだ。

業務用スーパーで粗食用の食材を買う

日ごろは粗食を貫き、時間とお金に余裕のあるときにごちそうを楽しむ。それがお金持ちの食事スタイルだ。

藤川さん自身は、家族でダイエットに取り組むようになったのをきっかけにして、粗食を実践するようになったという。

「業務用スーパーなどで粗食用の食材を買って、週の半分くらいはそれで済ませています。1人1食100~300円くらいでできますね」

食費が抑えられるだけでなく、買うものや買う場所を決めておくことで、時間の節約にもなる。藤川さんがよく買うのは、パスタや缶詰など。消費期限が長いので災害への備えとしても有効だ。

お金持ちにとって、コンビニは怖い場所

1億円貯められる女性は、安さを追求することに情熱を持っている。保存の利く食材は安売り店でまとめ買いし、肉や魚などの生鮮食料品は仕事帰りにスーパーに立ち寄って、半額になっているものを買う。通勤途中にあるスーパーマーケットに立ち寄る習慣をつけておけば、時間もかからないし、割引で買えるコツもつかめるだろう。

仕事で疲れたからといっても、コンビニエンスストアで割高な食品を買ったりしないわけだ。

「お金持ちの中には、コンビニなんて怖いから近寄らない、という人さえいます」

コンビニエンスストアは、データを基にさまざまなマーケティング手法を用いて、品ぞろえや陳列に「買いたい」と思わせる工夫を施している。店舗に行ってしまうと、そうした誘惑に負けそうになるから、そもそも足を踏み入れないようにしているというのだ。

「ただ、コンビニのお弁当はきちんとカロリー表示されていますから、ダイエットにはいいと思いますけど」

コンビニエンスストアに近寄らないというのは極端だが、いかに食費を安くするか、徹底的にこだわることが資産1億円への近道といえそうだ。

[ライター 向山 勇]

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「知らないと丸損」実家の親を年末調整で"扶養親族"に入れるワザ

2020年11月21日 12:00 PRESIDENT Online

年末調整には見落としがちな控除がいくつかある。元国税調査官で税理士・産業カウンセラーの飯田真弓氏は、「例えば親に仕送りをしている場合、離れて暮らしていても扶養親族に含めることができる」という――。

今年の申告書は前年とフォーマットが違う

早いもので2020年も残り約2カ月となった。サラリーマンには年末行事として年末調整がある。年末調整を受けるためには、各自で申告書を作成し提出しなければならない。“毎年のことだから、前の年の申告書を見ながら、同じ箇所を埋めていけばいいんだよね!”と、たかをくくっていてはいけない。

なぜなら、令和2年からは所得税のルールが大幅に変わり、記載する書類も大きく変わることになったからだ。ネットで「年末調整2020」と検索してみると、国税庁の「年末調整がよくわかるページ」というサイトがヒットする。

“よくわかるページ”とうたっているだけあって、このページは年末調整について網羅されている。給与担当の方ならじっくり読み込むことも必要だと思うが、サラリーマンの方が知りたいと思っている情報は一人ひとり違うだろう。

今回は、この国税庁のHPを横目に見ながら、サラリーマンの方が押さえておきたい年末調整の際の所得控除について考えてみたいと思う。

「年末調整がよくわかるページ」をスクロールしていくと、「給与所得者向けリーフレット」という項目にたどり着く。その中の「各種控除について(年末調整では、勤務先に「各種申告書」を提出することで、いろいろな控除が受けられます)(給与所得者用)」というPDFに、所得控除についてまとめられている。

昨年から変わった3カ所に注意

点線の囲みで、【昨年から変わっています!!】とあり、「基礎控除」「ひとり親控除」「所得金額調整控除」が挙げられている。

それぞれに計算方法も網羅されているが、「ひとり親控除」に該当するかどうかは、デリケートな問題でもあり、給与担当者の方から確認しづらいのではないだろうか。自分の状況がどれに該当するのか、各自で確認し、申請することが必要だと思う。

一通り、申請書の記入が終わったら下記の「年末調整を受ける際の注意事項(給与所得者用)」と照らし合わせて、記入もれや考え違いをしていないか確認しよう。

さらにスクロールすると「年末調整チェック表(誤りやすい点)」として、「令和2年分年末調整チェック表(源泉徴収義務者用)」がある。こちらは、本来、給与担当者がチェックのために使うために作成されたものだが、サラリーマンの方が申告書を提出する前に誤りがないか確認する際に利用してもよいだろう。

扶養親族と離れて暮らしている場合はどうなるか

さらにスクロールしていくと「年末調整に関するQ&A」という項目がある。その中の、「年末調整Q&A」というPDFでは、年末調整について、税務署等に比較的多く寄せられる質問や誤りやすい事項について問答形式で解説している。

[問3]当社の従業員Aは、国内で離れて暮らす両親を控除対象扶養親族として「給与所得者の扶養控除等申告書」に記載しています。別居している親族を控除対象扶養親族としてもよいのでしょうか。


[答]別居している親族であっても所得者本人の扶養控除の対象とすることは可能ですが、その場合、別居している親族に対して常に生活費、療養費等の送金が行われているなど、所得者本人と生計を一にしている必要があります。(注)扶養控除の計算を正しく行うため、銀行振込や現金書留により送金している事実を振込票や書留の写しなどの提示を受けて確認することをお勧めします。
なお、国外に居住する親族について扶養控除等の適用を受けるためには、当該親族に関する「親族関係書類」及び「送金関係書類」が必要となります。

上記の[問3]のQ&Aを読んで、どんな感想を持たれただろうか。

「別居している親族に対して常に生活費、療養費等の送金が行われているなど、所得者本人と生計を一にしている必要があります。」という部分。

ここで、ちょっとわかりにくいのが「生計を一にしている」という言葉だ。所得税法の中には、寝食を共にしていなくても、生活できるだけのお金を渡していれば、扶養親族として構わないという考え方がある。そして、その金額については、具体的に提示されていない。

払い方次第で社会保険料控除を受けることもできる

年老いた両親を田舎に残して都会で生活しているというサラリーマンは少なくないと思う。ここで、大阪府在住のAさんの場合で考えてみたいと思う。Aさんは、46歳。妻は専業主婦で、子どもは東京の大学に通っている長男(21歳)と、地元の公立高校に通っている長女(17歳)の二人。

父親は既に他界しているが母親が認知症になり、実家(福岡県)の近くのグループホームに入居している。グループホームの入居費用は、Aさんが、毎月振り込みをしているという場合。Aさんは、母親を控除対象扶養親族にできるだろう。

そして、母親が認知症の場合、障害者手帳の交付を受けていなくても、市町村に申請することで障害者控除を受けられる可能性もある。

母親の後期高齢者医療制度の保険料を、年金からの天引きではなくAさんが送ったお金から支払っている場合、その保険料はAさんの社会保険料控除とすることができる。

また、社会保険料の納付書が大学生の長男宛てに届いていても、支払いはAさんがしていれば、Aさんの社会保険料控除に含めてよい。

税金は自己申告しないと安くならない

所得控除は、各自が申請書を提出することで認められる。給与担当者が、「あなたの場合、○○控除が受けられるはずだと思いますよ」と言ってもらえるものではない。

年末調整は、サラリーマン一人ひとりが、自分の家族の収入等を確認し申告するべきものなのだ。

例えば大阪市の場合、HPに下記のような記載がある。

【障がい者控除対象者に認定書を交付します】

 身体障がい者手帳などの交付を受けていない方でも、65歳以上で、ねたきり高齢者または認知症高齢者の方は、その程度が身体障がい者手帳などの交付基準に準ずる場合は、申請により障がい者控除対象者認定書の交付を受けることができます。
 認定されると、障がい者控除または特別障がい者控除の申告において、所得税や個人市府民税の軽減を受けることができます。
 税負担の軽減は、対象高齢者が控除対象配偶者に該当する場合や、扶養親族に該当する場合でも、受けることができます。税金控除の申告にかかる手続きについては、お住まいの区を担当する市税事務所(個人市民税担当)へお問い合わせください。


【対象者】
認定書の交付対象者は、次のとおりです。
・障がい者控除対象
介護保険の認定調査を受けた65歳以上の方で、認定調査票の『認知症高齢者の日常生活自立度』がIIaまたはIIbの方※『認知高齢者の日常生活自立度』がIまでの方は、精神保健指定医師が発行した診断書を提出していただくことで認定書の交付対象となる場合があります。

・特別障がい者控除対象
介護保険の認定調査を受けた65歳以上の方のうち、次のいずれかに該当する方
1.認定調査票の『障がい高齢者の日常生活自立度』がB1以上の状態が引き続き6ヶ月以上にわたる方※『障がい高齢者の日常生活自立度』がA2までの方は、主治医が発行した診断書を提出していただくことで認定書の交付対象となる場合があります。

2.認定調査票の『認知症高齢者の日常生活自立度」がIIIa以上の方


【申請に必要なもの】
申請には印鑑と、次のものが必要です。
・ねたきり高齢者の方
介護保険の認定調査を受けていない方、もしくは認定調査を受けているが認定調査票の『障がい高齢者の日常生活自立度』がA2までの方は、主治医の発行した診断書
・認知症高齢者の方
介護保険の認定調査を受けていない方、もしくは認定調査を受けているが『認知症高齢者の日常生活自立度』がIまでの方は、精神保健指定医師(精神科医師)が発行した診断書


【申込み】
申請は、各区の保健福祉センター保健福祉業務担当で受け付けています。
障がい者控除対象者認定申請書
(出典=大阪市HP)

申告し忘れや、申告できないものを申告していないかどうか。扶養控除のことをよく知ることで、令和2年分の年末調整では該当しなくても、来年からその控除が受けられるように工夫することも可能だろう。

医療費控除や住宅借入金等特別控除など、確定申告書を提出することで還付される場合は、別途還付金が振り込まれるので、お金が戻ってきた実感がある。年末調整の場合、手取りが増える形なので差額をゲットした感は得られないが、勤務先に必要書類を提出するだけで事足りる。

離れて生活する子どもや両親に対して、どれくらい収入があるのか、認知症の度合いがどれくらいなのかは聞きにくいことなのかもしれない。日頃からコミュニケーションをとることで、日常生活の状況やお金の話もできるような関係性をつくっておくことが所得控除を活用して節税することにつながっていくと思う。

[飯田真弓税理士事務所 代表税理士 飯田 真弓]

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居酒屋チェーンはもう限界だ…「コロナ後の酒場」に起きる3つの大変化

2020年11月21日 12:00 PRESIDENT Online

繁盛店とガラガラ店の「格差」は、なぜ生じたのか

外食業界は新型コロナウイルスの感染拡大で大打撃を受けた。なかでもアルコールを提供する居酒屋やバーなどの酒場は、惨憺(さんたん)たるありさまだった。筆者は外食や料理業界を専門にしているが、なかでも酒場の現場を体験したいという思いがあり、今年2月から都内の繁華街にある新興の洋風チェーン居酒屋に不定期で勤務している。

そうした経験から、これからの酒場には以下の3つの変化が起きると感じている。

(1)都心の繁華街立地 → 住宅地に近い立地
(2)大箱店 → 従業員の顔が見える小箱店
(3)チェーン的な店 → 「人の魅力」を売る店

居酒屋やバーは十把ひとからげに営業不振に陥っていたといわれるが、じつはそんなことはない。業態や立地などによっては、まったくとはいわないが、ほとんど影響を受けない店もあった。11月現在、客足が完全にもどっている店もあれば、いまだに5割に満たない店もある。そうした「格差」がなぜ生じたのかを記していきたい。なお、対象は筆者の住む東京が中心になるのでご了承いただきたい。

休業補償金で「かえって儲かってしまった」という店も

東京都では4月7日に緊急事態宣言が発令されたが、それ以前の3月上旬、とくに小中高校に対する休校が実施された3月2日を境にして街から人の姿が一気に消えた。筆者の勤める店でもそれまでは80席程度の客席が満席になることも少なくなかったにもかかわらず、3月は来店客が5~6組といった日が続いた。3月の売り上げは対前年比で3~4割。当然、赤字だ。

緊急事態宣言から5月のゴールデンウィークまでは東京都の休業要請に従い、店を閉めていた外食店が多かったが、なかには要請に従わずに営業を続けた店や、表向きは休業しながらも常連客を入れていた店も存在する。営業を続けた繁華街にある焼き鳥店の店主は、「うちの従業員は、外国人留学生を含む苦学生ばかり。彼らに給料を払うために休むわけにはいかなかった」と話す。

この頃には休業補償金や持続化給付金の手続きもはじまったが、支給額が一律であったため、売り上げ規模が大きな店ほど苦しくなった。高単価のレストランやバー、大箱の居酒屋など、月の売り上げが1000万円単位の店からは恨み節が聞こえた一方で、1人で営業している月商100万円前後のバーやスナックなどは売り上げ減をカバーできたばかりでなく、「大きな声じゃ言えないが、かえって儲かってしまった」という店も存在する。そのなかには、したたかに「闇営業」を続けていた店もある。

ゴールデンウィークが明けると営業を再開する店が徐々に増え、6月に入るとほとんどの店が営業を再開した。ただし、東京都の要請に従って時短営業するなど、「おっかなびっくり」の雰囲気である。ここから時短営業の要請が解除された9月中旬まで、酒場の明暗はくっきり分かれることになった。

落ち込みが激しかったのが大崎や田町といったエリア

まずは、立地について見ていく。上野や浅草といった観光地や買い物客でにぎわう街、それから銀座、赤坂などの社用族の飲み会や接待需要に支えられている街は、壊滅状態といっていい。前者であれば外国人観光客が主客層であった店は、つぎつぎに閉店、廃業。浅草の有名老舗お好み焼き店では、従業員すべての首を切って休業したという。

後者であれば、たとえば、役人や政治家がいう「接待を伴う飲食店」の客たちで成り立っているような銀座のバーは大打撃であった。クラブやキャバクラなどが休業したため同伴やアフターなどの需要がまったく見込めなくなったからだ。

新橋や神田といった会社員でにぎわう大衆的な繁華街も、リモートワークが推奨されるようになってからは人影がまばらになった。なかでも落ち込みがとくに激しかったのが、大崎や田町といった比較的新しい企業がオフィスを構えるエリアの店だったという話も聞いた。そういった企業のほうが、リモートワークを積極的に採り入れたからだろう。

飲み屋街、歓楽街、ショッピング街など、多彩な顔をもち、都庁のお膝元でもある新宿は、エリアによってばらつきはあるが、繰り返し名指しで指弾された影響は大きく、ゴーストタウンのようになった。

都心の高い店で飲むより、地元の良心的な店を開拓したい

その一方で都心から離れ、住宅街に近い街の酒場には地元客が通い続けた。筆者の地元でも、ふだんは会社の近くで飲むことが多かったが、出社していないので、あるいは会社の近くでは飲みづらいのでという理由で家の近くの酒場を利用するという人に随分会った。

行きつけのバーの店主も、「来てくれるのはありがたいが、『密』になってしまうのも困りもので……」と、閑古鳥が鳴く都心のバーテンダーが聞いたら怒りそうな悩みを抱えていた。

そこから導かれる結論が、先に挙げた①である。リモートワークは今後も推奨され、定着していくことになるだろう。これを機に、都心の高い店で飲むより、地元の良心的な店を開拓してみようという消費者が間違いなく増えるはずだ。

「オフィシャル飲み」から「プライベート飲み」に

会社の飲み会や取引先との宴会は、今後も控えられる傾向が続きそうだ。コロナウイルスに感染することを恐れてということもあるだろうが、そもそもそういった「オフィシャル飲み」というものを敬遠するトレンドが今回の騒動によって拍車がかかったように思える。すでにひと昔前に見かけた20人、30人規模の飲み会もめっきり見なくなった。

筆者の勤める店でも以前は10人規模の団体客が多かったが、いまはほとんどが2人客、多くて3~4人である。こうなると大箱店はつらい。テーブルの配置からして4人席が基本であることに加え、もともと家賃の高い都心ではつねに満席になっていないと利益がでないような収益構造になっている場合が少なくないのである。

コロナ騒動以前からいわれてきたことだが、大箱の居酒屋やダイニングがいよいよ淘汰されるだろう。先に挙げた②の流れが加速することは間違いない。

こういった2~4人で訪れる客は、義理やつき合いではなく、仲のいい同僚や気の置けない友人同士の「プライベート飲み」である。プライベートであれば、自分たちの食べたいもの、飲みたいものを求め、行きたい店を選ぶ。

「安くて、それなりにおいしい」チェーン居酒屋は衰退必至

イタリアン、中華、エスニックといった料理のジャンル、あるいはビールやワイン、日本酒が好きであれば、そうしたアルコールに特化した店を選ぶ。選択肢からはずされがちになるのが、なんでもそろっているのが売りであった総合居酒屋である。

わざわざ訪れるのであれば、少し気張ってということにもなる。山手線のすべての駅前にあるようなチェーン店よりは、個性の際立つ知る人ぞ知る店を選ぶ。この店でしか食べられない料理、味わえない酒、体験できないサービス。そういったものを求め、クチコミサイトやSNSを通じて店を探すことが、とくに若い世代の間では普通になっている。

「安くて、それなりにおいしい」チェーン居酒屋の需要が完全になくなるとは思わないが、とくに競争の激しい都心においては徐々に衰退していくのではないだろうか。ワタミが居酒屋から焼き肉への業態転換をすすめているのは、その予兆といえる。先に挙げた③の流れである。

酒場の店主たちは「常連さんに助けられた」と話す

この潮流はコロナ騒動によって顕在化し、加速した。この半年あまりのあいだにあらためて思い知らされたのは、そこでしか会えない「人」、すなわち店主であり、従業員の存在の大きさである。

酒場の店主たちにこの半年間をふり返ってもらうと、かならずといっていいほど「常連さんに助けられた」という言葉が返ってくる。その常連客はなにをしに店に行ったかといえば、その店がなくなってほしくないからである。もっといえば、店主や従業員が心配であり、応援したいからである。

こうした親密な関係を築けるのは酒場の特権だ。同じ外食店でも滞在時間が短く、従業員との接点が少ないほかの業態、たとえばファミリーレストランやファストフード、食堂などでは、従業員と客の間に濃密な関係性は生まれにくい。

「やきとり大吉」がいまだに800店規模を維持できる理由

ただし同じ酒場でもチェーン居酒屋は、「人」の魅力を売りにすることが苦手である。チェーンの最大の利点は、どこの店に行っても同じクオリティの商品とサービスが同じ価格で提供されることによって得られる安心感であり、そこで働く従業員は主役になりにくいからだ。チェーン、あるいはチェーン的な酒場は、平時にはありがたい存在かもしれないが、今回のような非常時には見向きされなくなる。

筆者が勤める店も業態としては秀逸だと思うが、悲しいかな、外出や飲み会が制限された時期にわざわざ訪れようとする客は少なかった。チェーンの限界を身をもって感じた。

前段でわざわざ「チェーン的」と加えたのは、たとえ同じ看板を掲げていても地域に根差し、地元に愛される店づくりは可能であるからだ。地元密着型のチェーン居酒屋「やきとり大吉」がいまだに800店程度の店舗数をほこっているのがその証拠だ。反対に業態の優位性や商品の魅力だけで支持されている居酒屋チェーンは、早晩陰りが見えてくるだろう。業態は模倣され、商品は飽きられるからだ。

したがって大手から家族経営の店まで、すべての酒場の経営者は、はやりの業態や商品に飛びつくのはほどほどにして、末永く客に愛されることを第一に考えるべきだ。それが生き残りのためであり、転じて日本の酒場文化を豊かにすることにもなるのである。

[ライター 石田 哲大]

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「小室圭さんと結婚します」眞子さまの"お気持ち"はその宣言である

2020年11月21日 12:00 PRESIDENT Online

結婚の決意はより強くなっていた

秋篠宮眞子さんがついに「私たち結婚します」宣言をした。

11月13日、眞子さんが小室圭さんとの結婚について、現在の「お気持ち」を公表した。私が以前から書いてきたように、眞子さんの結婚の意志は、「納采の儀(結納)」延期が発表されてから3年近くが経った今も、全く変わることがなかった。文面をよく読めば、その決意はより強固になったように、私には思える。

冒頭、こう書き出す。

「一昨年の2月7日に、私と小室圭さんの結婚とそれに関わる諸行事を、皇室にとって重要な一連のお儀式が滞りなく終了した後の本年に延期することをお知らせいたしました。

新型コロナウイルスの影響が続くなかではありますが、11月8日に立皇嗣の礼が終わった今、両親の理解を得たうえで、改めて私たちの気持ちをお伝えいたしたく思います」

立皇嗣の礼が滞りなく終わったことを待って、こうした内容の文書を公表することを両親に伝え、了解してもらったというのである。

これまでの報道では、秋篠宮はこの結婚に理解を示していたようだが、母親の紀子さんが強く反対していると伝えられていた。

母親の理解を得たとはっきり表明した

9月11日、誕生日に際して紀子さんが発表した文書の中で、眞子さんの結婚問題についてこう述べていた。

「長女の結婚については,対話を重ねながら,親として娘の気持ちを受け止め,一緒に考えていくことが大切だと考えています。その中では,共感したり意見が違ったりすることもありますが,お互いに必要だと思うことを伝え合いつつ,長女の気持ちをできる限り尊重したいと思っております」

この中の「意見が違ったり」「できる限り尊重したい」という文言を、「できる限りというのは、できないこともあるという意だ」と、否定的にとらえるメディアが多かった。

だが、母親も彼女の結婚についての考えを理解してくれたと簡潔に、はっきり、眞子さんが表明したのである。

結婚が延期されてから、小室圭さんと2人で、さまざまなことを話し合ってきたといっている。

「前回は、行事や結婚後の生活について充分な準備を行う時間的余裕がないことが延期の理由である旨をお伝えいたしました。それから今日までの間、私たちは、自分たちの結婚およびその後の生活がどうあるべきかを今一度考えるとともに、様々なことを話し合いながら過ごしてまいりました。私たちの気持ちを思いやりあたたかく見守ってくださっている方々がいらっしゃいますことを、心よりありがたく思っております」

結婚に反対している人がいることも認めた

続けて、

「一方で、私たち2人がこの結婚に関してどのように考えているのかが伝わらない状況が長く続き、心配されている方々もいらっしゃると思います。また、様々な理由からこの結婚について否定的に考えている方がいらっしゃることも承知しております」

小室圭さんの母親の金銭トラブルで、2人の結婚に反対している人が、周囲や国民の中にいることも率直に認めている。

この潔さは、両親のどちらから受け継いだものなのか、聞いてみたいものである。

だが、そうしたことを考慮に入れても、こう高らかに宣言するのである。

「しかし、私たちにとっては、お互いこそが幸せな時も不幸せな時も寄り添い合えるかけがえのない存在であり、結婚は、私たちにとって自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択です」

ようやく「私たちはどんな苦難があろうとも、お互いを信じ合って、必ず結婚します」といい切ったのである。

ここまでくる彼女の苦難の道のりを振り返れば、この決意がどれほどの重みをもつものか、私にはよく分かる。彼女がこの言葉をどのような思いで綴ったかを考えると、私まで落涙しそうになる。

思い起こせば、2人は婚約内定の晴れやかな記者会見からわずか3カ月で、奈落の底に突き落とされてしまったのだ。

延期発表前に消された「お気持ち」

圭さんの母親・佳代さんと以前婚約していたという男性が女性週刊誌に、「400万円を貸してあるのに返してくれない」と持ち込んだのである。

年が明けると、週刊新潮や週刊文春が一方的な男性のいい分だけを取り上げ、小室家のプライバシーまで暴露するに至って、事態を憂慮した宮内庁は、2018年2月、2人の婚約と結婚を2020年まで延期すると発表した。

眞子さんと圭さんは、「準備期間が足りなかった」と文書を発表して、これを受け入れた。

だが、この時の加地隆治宮務主管(当時)の記者に対するレクチャーでは、当初、眞子さんの気持ちとして、「小室さんと結婚する意志には変わりがありません」という文言が入っていたと、現代ビジネス(2018.02.07)は報じていた。

この文言は削除されたというのである。背景には宮内庁と天皇皇后陛下(当時)の意志があったようだ。

宮内庁関係者の話では、

「小室さんは、秋篠宮家への出入りを当分の間ご遠慮なさることになります。この間、小室さん側から『辞退』を申し出るよう、関係者がすでに手回しを始めているとも聞きます。万一お断りするとなっても、秋篠宮家の側から申し出ることはできませんから」

裏で、このようなことが行われていたとしても、不思議ではない。

宮内庁の意を受けたわけではないだろうが、延期を発表したにもかかわらず、週刊誌やワイドショーの小室母子に対するバッシングは止まなかった。

なぜ皇室は週刊誌の標的にされやすいのか

元婚約者の一方的ないい分と、宮内庁、秋篠宮家関係者という匿名コメントで、小室母子だけではなく、秋篠宮家の内情や、紀子さんが職員に厳しすぎて「ご難場」といわれているなどと、中傷まがいの報道を毎週のように垂れ流し続けたのである。

こうしたバッシング報道の洪水の中で、報道の在り方に疑義を呈し、若い2人を温かく見守ってあげるべきだという論陣を張ったのは、私を含めてごくわずかだった。

なぜ、これほどのバッシングがなされたのか。それは、皇室報道は、宮内庁からの申し入れや厳重注意があっても、本人が名誉棄損で訴えてくることなどないと高をくくっているからである。

かつて、美智子皇后の嫁姑問題を含めて、週刊誌がイジメとも思える報道合戦を繰り広げたことがあった。

後にいくつかの週刊誌は美智子皇后に謝罪したが、それは、皇后がそのことを苦にして、病気になってしまわれたからである。

週刊誌にとって皇室報道というのは、リスクが少なくて読者の関心をひける“おいしい”ターゲットなのである。

後に、秋篠宮の次女・佳子さんが、国際基督教大学を卒業する際に出した文書の中で、こうした報道について、「姉の件に限らず,以前から私が感じていたことですが,メディア等の情報を受け止める際に,情報の信頼性や情報発信の意図などをよく考えることが大切だと思っています。今回の件を通して,情報があふれる社会においてしっかりと考えることの大切さを改めて感じています」と、堂々と批判したことは、勇気ある言動として、長く記憶されるべきである。

「結婚宣言」に近い文書を準備していたようだが…

元婚約者の一方的ないい分は出るが、当事者たちは沈黙した。結果、判断基準のない国民の中には、小室母子はカネを借りておいて返さない、眞子さんの結婚相手としてはいかがなものかと刷り込まれてしまったのも無理のないことであった。

眞子さんと結婚するために生活の基盤をつくろうと、圭さんは弁護士資格を取得するためにニューヨークへと旅立った。

だが口さがないメディアは「海外逃亡」のように書きたてたのである。

秋篠宮も、11月の誕生日会見で記者から、毎回、眞子さんの結婚について聞かれる。記者向け、国民向けには、「多くの国民が納得し、祝福してくれるようにならなければいけない」と答えるが、家庭内では、憲法が保障しているように、「結婚は2人が決めること」だといっていたようだ。

週刊朝日(5/1号)によれば、昨年末に眞子さんは、「小室さんとの結婚をより強く望む、いわば『結婚宣言』に近い文書を準備していた」そうである。

年明け間もない時期に、宮内庁の重鎮の何人かが眞子さんに呼び出され、「小室さんとの結婚をどう思うか」を聞かれたという。

そうした意見を参考にして、今年の2月の終わりに文書を公表しようと考えていたところ、コロナ感染拡大もあり、秋篠宮の「立皇嗣の礼」も5月の園遊会も延期や中止になり、出されなかったようだ。

否定的な書き方をしている各紙は、文書をよく読んだのか

これは私の推測だが、今回のように、今後の予定はまだ未定というものではなく、小室圭さんが司法試験に合格する来年7月とか、具体的な日取りまで考えていたのではないだろうか。

今回の文書発表後に、ニューヨークから小室圭さんが一時帰国するという噂もあるようだが、帰国しても14日間は隔離されてしまうから、難しいと思う。したがって、

「今後の予定等については、今の時点で具体的なものをお知らせすることは難しい状況ですが、結婚に向けて、私たちそれぞれが自身の家族とも相談をしながら進んでまいりたいと思っております」

と眞子さんも書かざるを得なかったのだが、今回も、多くのメディアは、はっきり結婚するという意思表示をしたにもかかわらず、「お二人の結婚は、再び延期されることとなった」(女性自身)「コロナ禍もあり、先行きは不透明。心から願う結婚が近づいたというわけでもなさそうだ」(スポーツニッポン)などと、この期に及んでも「往生際の悪い」書き方をしているところが多くある。

この文書をよく読んだのだろうか。「この度、私がこの文章を公表するに当たり、天皇皇后両陛下と上皇上皇后両陛下にご報告を申し上げました」と書いてあるではないか。

“悲恋”の予想に反してハッピーエンドを迎えるだろう

秋篠宮と母親はもちろんのこと、一部では、この結婚にかなり強い懸念を示していたといわれる美智子上皇后も、この結婚を了解されたのだ。

両親との意思疎通を欠き、頼りたい彼氏は海外にいて、テレビ電話やSNSでしか相談できない。

しかも皇室という頑迷固陋ともいえる固い岩盤をこじ開け、新風を吹き込んだ眞子さんの「たった一人の闘い」、現代版ロミオとジュリエット物語は、“悲恋”を期待していた多くのメディアの予想に反して、ハッピーエンドを迎えるのである。

この文書はニューヨークにいる小室圭さんとの合作である。

今ごろ彼は、眞子さんに捧げるバラの花束を抱えて、人気のあまりないニューヨークの五番街を、胸を張り闊歩しているのではないだろうか。

眞子さん、小室圭さん、おめでとう!

[ジャーナリスト 元木 昌彦]

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SBI北尾氏が仕掛ける「地銀再編」で取り沙汰される4地銀の名前

2020年11月21日 12:00 PRESIDENT Online

菅義偉首相は9月の総裁選で「将来的には数が多すぎるのではないか」と地銀再編に踏み込んだ発言をしていた。そんな中、菅首相のブレーンとして知られるSBIホールディングスの北尾吉孝社長の動きが、市場で注目を集めている。北尾氏が仕掛ける「地銀再編」のターゲットとは——。

当座預金に年0.1%の上乗せ金利を付けるというが…

地域経済を安定化させながら地銀再編を進める——。そんな菅政権の地銀再編策の輪郭が明らかになってきた。

日本銀行は11月10日、政策委員会の通常会合で「地域金融強化のための特別当座預金制度」を導入することを決めた。地銀と信用金庫を対象に日銀に預ける当座預金に年0.1%の上乗せ金利を付けるというものだ。

適用期間は今年度から2022年度までの3年間。ただし、上乗せ金利を受け取るには、以下の2つが要件になる。

①一定の経営基盤の強化を実現すること(収益力強化や経費削減により損益分岐点を一定以上へ引き下げる)
②経営統合等により経営基盤の強化を図ること

日銀の決定に対して、加藤勝信官房長官は11日午前の記者会見で、「政府として地域銀行については人口減少による経営基盤が厳しい中で自ら経営改革を進める地域に貢献することを期待しており、日銀も政府と認識を共有した上で、こうした制度を導入したと理解している」と述べた。

菅義偉首相は「再編も一つの選択肢になる」と踏み込んだ発言

菅義偉首相は9月の総裁選の過程で、「地方の銀行について、将来的には数が多すぎるのではないか」と語り、「再編も一つの選択肢になる」と踏み込んだ発言をしている。今回の日銀の決定は、この菅首相の意向を踏まえた措置と言っていい。

その手法はまさに0.1%の金利上乗せという「アメ」と、経営統合という「ムチ」の使い分けであり、「菅首相が強調する“自助”を地銀に求めることを象徴する施策」(メガバンク幹部)と受け止められている。

ポイントはこの措置が期間3年の時限措置であることにある。「3年以内で地銀・信金は答えを出せといっているようなものだ」(同)。

背景には地銀が置かれた厳しい収益環境がある。

上場する地銀78行・グループの2020年4~6月決算は、連結最終損益が全体の6割に当たる48行で前年同期に比べて減益または赤字になっている。超低金利が継続し、預貸業務で収益を出しにくい環境が続いているためで、さらに新型コロナウイルス感染拡大に伴い、与信費用もじわじわと上昇に転じつつある。

静岡銀行と山梨中央銀行は県をまたぐ広域連合へ

菅首相の発言を見据えたように地銀の再編はジワリと動き出している。静岡銀行と山梨中央銀行は10月28日、業務提携することで合意した。両行は相互に出資する資本提携も結ぶ予定で、県をまたぐ広域連合が誕生することになる。

両行は2019年に地方創生を目的に連携協定を結んでいたが、将来的なシステムの共同化なども視野に入れた包括提携に踏み込む。圧倒的なシェアを誇る静岡、山梨両県の営業基盤をベースに、手を携えて収益性の高い東京都などの巨大経済圏に打って出るのが狙いだ。

同様に地銀トップの横浜銀行と千葉銀行も2019年に業務提携しており、メガバンクを含め首都圏での競争は激化している。

「SBI地銀」は福島、島根、筑邦、清水、大東の5行に資本出資

こうした大手地銀の再編が動き出す一方、経営不振銀行の駆け込み寺となっているのが、SBIホールディングス(北尾吉孝社長)が進める「地銀連合」だ。

SBIは子会社の「SBI地銀ホールディングス」を通じて、これまでに福島、島根、筑邦、清水、大東の5行に資本出資した。さらに10月23日には、群馬県を地盤とする東和銀行に出資、東和銀行もSBIホールディングスに出資すると発表した。

※編註:初出時、「福島、島根、筑邦、大東の4行に資本出資」としていましたが、正しくは「福島、島根、筑邦、清水、大東の5行に資本出資」でした。訂正します。(11月17日14時45分追記)

自民党もSBIの「地銀連合」に期待を寄せている。自民党の「地域金融機関の経営強化策を検討する小委員会」(片山さつき委員長)は10月29日に初会合を開き、地銀の収益力強化について議論を開始したが、初会合にはSBIホールディングスの北尾吉孝社長が招かれて講演した。菅首相のブレーンの一人で地銀再編のキーパーソンとみられる北尾氏が招聘されたのは意味深長だ。

北尾氏は地銀連合には10行程度の地銀の参加が見込まれるとしており、残る地銀はどこなのかと市場関係者は固唾を飲んで見守っている。なぜならSBIが出資した地銀の株価が軒並み上昇しているためだ。

北尾氏の「ターゲット」として取り沙汰される4地銀

北尾氏が狙う次の地銀はどこか。市場では次の4地銀の名前が取り沙汰されている。

栃木(栃木県)、筑波(茨城県)、福邦(福井県)、長野(長野県)の4行である。いずれも同一県内に強力なライバル地銀があり、収益圧迫要因となっている。

栃木銀行には足利銀行、筑波銀行には常陽銀行、福邦銀行には福井銀行、長野銀行には八十二銀行という県を代表する有力地銀がある。しかも、足利銀行と常陽銀行は手を組み、北関東で強者連合「めぶきフィナンシャルグループ」を形成している。

「県の指定金融機関を務めるこれら有力地銀は、自治体との強固な関係をベースに県内の有力企業取引を独占、メインバンクとなっている。同一県内の競合他行は中堅・中小企業、個人に活路を見いだすしかない」(地銀幹部)という苦しい状況に置かれている。

規模に応じて20億~30億円を補助、返済は不要

今回の日銀の「特別当座預金制度」の発表を受け、地銀の株価は軒並み上昇したが、中でも値上がり上位にはSBIが出資する島根銀行のほか、SBIグループ入りが市場で囁(ささや)かれる筑波銀行、横浜銀行と強者連合をつくる千葉銀行などの名前が並んだ。

また、統合の思惑が浮上している青森銀行とみちのく銀行、福井銀行、宮崎太陽銀行の株価上昇も目立った。次の地銀再編はどこなのかが、市場の最大注目点のひとつになっている。

政府は地域金融機関の再編を促すための補助金「資金交付制度」を2021年夏にも創設する方向で検討に入った。地銀や信金が合併・経営統合に踏み切った場合、国がシステム統合などの再編費用の一部を補助するもので、金融機関の規模に応じて20億~30億円を補助する。返済は不要だ。

350億円程度の剰余金があり、10件程度の合併支援が可能

「地銀の合併にはシステム統合費用などに100億円規模のコストがかかることから、合併を躊躇する要因の一つになっている。この阻害要因を国が肩代わりすることで、再編を促すことが狙いだ。金融庁の金融審議会で議論し、来年の通常国会に同制度を盛り込んだ金融機能強化法の改正案を提出する」(自民党幹部)という。

補助金の財源は預金保険機構の利益剰余金を充てる方針で、「税金投入というわけではない」(先の自民党幹部)とされる。預金保険機構には現在350億円程度の剰余金があり、10件程度の合併支援が可能と見られている。

金融機関の破綻がなくなったことで、預金保険機構の剰余金は増えているが、原資は全預金取り扱い金融機関が拠出する預金保険料だ。それが特定の金融機関の合併補助金に使われることに異論が出る可能性もある。

日銀、政府を挙げて地域金融機関の再編を手助けする裏には、「地方経済の安定には地元金融機関の強化が不可欠」との思いがある。菅政権にとって「地方」は特別の意味を持つようだ。

「組む相手も銀行同士ではないかもしれない」

まさに当事者である全国地方銀行協会の大矢恭好会長(横浜銀行頭取)は9月16日の記者会見で次のように述べていた。

「貸出に関して言えば、銀行の主たる収益源の一つであるわけです。コロナ禍で情勢は変わったと思いますが、企業サイドも資金余剰になってきており、あまり日本の中での資金需要が見込めなくなってきているというのが、ここ何十年かの趨勢ではないかと思う」

「横浜銀行の場合は7割くらいが資金利益で稼いでいて、フィービジネスの割合はまだまだ低い。マーケット金利がどんどん低下し、ストックの貸出利回りも高いものからどんどん入れ替わっていく。資金利益が減っていく状況からはどの銀行も脱し、ようやく横ばいになりつつあります」

最悪期は脱しつつあるが、依然として地銀の収益の根幹は伝統的な預貸業務に依存している構図は変わらず、このままのビジネスモデルで経営を持続することは容易ではないということだろう。その処方箋として「再編ということが、その解決策ということももちろんあろうかと思うが、再編だけがソリューションの手段ではないとも思っている。組む相手も銀行同士ではないかもしれない」(大矢会長)とも述べている。

地方銀行の経営陣は、いよいよ正念場を迎えている。

[経済ジャーナリスト 森岡 英樹]

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「仕事から逃げたかった」出会って半年でアプリ婚した女性の末路

2020年11月21日 12:00 PRESIDENT Online

婚姻届と離婚届のオンライン化が検討されている。これまで3万件以上の相談を受けてきた夫婦問題研究家の岡野あつこさんは「婚姻届を出しやすくなると、結婚までのプロセスがおろそかになりやすい。結婚の手順を慎重に進めなかったことが離婚の原因になった夫婦もいる」という――。

手書きの離婚届は提出までに手間がかかる

政府は、婚姻届と離婚届の押印廃止とオンライン化を検討している。これにより、日本の結婚や離婚はどう変わっていくのだろうか。

仮に押印が廃止になり、オンライン化が進んだ場合、まず懸念されるのは離婚件数の増加だろう。例えばデンマークでは2013年に離婚のオンライン化を導入したところ、離婚件数は増加。婚姻届を提出した夫婦の約半数に達したことが社会問題に発展したという。これと同じことが日本でも起こるのではないかという不安の声もある。

たしかに、現在の離婚届の提出には当事者2名と証人2名が署名と押印をしなければならず、手間がかかるのは事実。離婚に対する精神的なプレッシャーや自分の判断への迷いに加え、面倒な事務作業が存在することで離婚届を提出するハードルの高さを感じるケースもあるかもしれない。その点、オンライン化が普及すれば、ネット環境が整っていればいつでもどこでも離婚届を提出できるので、今より手軽に離婚ができることになる。

不幸な結婚生活を長引かせるよりは、早く提出できたほうがいい

だが、離婚の手続きを簡略化することが、デメリットとは言い切れない側面もある。というのも、パートナーのDVや度重なる浮気、借金などによる現状が不幸と思える結婚生活であれば、離婚が正式に決まるまでの労力と時間は最小限に抑えたいもの。いたずらに不幸な結婚生活を長引かせるよりは、「幸せを目指すための離婚」ととらえ、人生をやり直すチャンスを早く、確実に手にするほうが望ましい場合もあるからだ。

もちろん、だからといって安易に離婚を決断するのではなく、パートナーとの関係を良好なものに修復していくためにお互いが努力することが大前提。そのうえで、難しいようなら少しでも早く次の幸せをつかむために“前向きな離婚”に踏み切るという選択肢もある。

「結婚を安易に決めること」のほうが問題

だとすれば、オンライン化が進むことで問題になるのは、むしろ離婚届より婚姻届のほうではないだろうか。人生の節目となる結婚こそ、アナログで煩雑な手順を踏み、時間をかけて慎重に進めていくことが、「パートナーと人生を共にしていく」「新しい家族をつくる」といった覚悟を心に刻むための大事なプロセスになるからだ。

実際に、結婚までの手順を踏むことをおろそかにしたことが原因で、結婚後数年もたたないうちに離婚にいたったケースもある。代表的な例をみてみよう。

「親のために急いで結婚→コロナ離婚」の夫婦

アパレル系の企業に勤務するS太さん(40歳)は、5歳年下の元妻と今夏に離婚を決めた。S太さんが結婚したのは38歳の時。地方に住む両親から知人を介して紹介された女性と数回会って結婚を決めたという。「特にピンときたわけではなかったけれど、自分の会社にいる女性と違って地味な雰囲気でおとなしそうだった」と、元妻と出会った時の印象を語る。結婚を決めた理由は、両親を安心させたかったら。

S太さんはこう話す。

「いつまでも身をかためようとしない一人息子の自分が帰省するたびに、年老いた両親から『いつ結婚するの?』としつこく言われていた。『孫の顔を見ないと死ねない』とも。とにかく結婚さえすれば、両親の心配はなくなると思っていた」

結婚して2年目となる今春、S太さんと元妻は二人とも新型コロナウイルスの影響でリモートワークになった。新婚旅行以来初めて長時間二人だけで四六時中一緒に過ごす生活を経験して、お互いに「この人じゃないな」と気づいたという。「ありきたりな言葉になるが、すべてにおいて相手とは価値観が違った。もっと早く気づいていたら、相手のことも両親も悲しませずに済んだのに」と後悔を口にするS太さん。「彼女は再婚してもまだ出産できる年齢。はやめに別れ、お互いにやり直したほうがいいと判断した」というS太さんは、秋から本腰を入れて婚活をはじめるつもりだ。

「仕事から逃げたかった」アプリ婚の末路

29歳で結婚、32歳で離婚をしたY美さん(33歳)は、結婚した時の心境を「当時の私はとにかく仕事から逃げたかった。毎日の仕事のプレッシャーと、特別なスキルもないまま30歳になるのが怖かったのとで精神的に追い詰められていた」と話す。

そこでY美さんはマッチングアプリに登録し、何人かの男性と会ったのち、半年もたたないうちに6歳年上の男性との結婚を決めたのだった。Y美さんいわく、「正直な話、すぐに結婚してくれる相手なら誰でもよかった」。

結婚したら落ち着きを取り戻すと考えていたY美さんのメンタルは、意外にもさらに不安定になっていったという。

「まわりを見渡すと、同世代の友人の多くは30代になって責任のある仕事を任されていたり、愛するご主人と子育てに夢中になっていたりしていた。結婚はしていても、仕事のキャリアや家族への愛情など“何も持っていない”自分に焦る気持ちが募っていった」

その後、元夫には自分の正直な気持ちを打ち明け、夫婦で長い時間をかけて話し合った結果、離婚という選択をしたY美さん。現在はIT系の企業に就職し、新しい仕事に意欲的に取り組む日々だという。

「結婚への心構えがなく、身勝手だった私のことを理解してくれた元夫には感謝しかない。自分を磨く時だと思ってしばらくは仕事を頑張るが、いつか本当のパートナーと出会えれば再婚も考えたい」

手続きは簡易化しても、結婚への心構えは必要だ

新型コロナウイルスの影響でオンライン化が進むとしたら、これまでとは異なる結婚への意識が必要になるだろう。なぜなら、コロナ以降、夫婦関係や家族のあり方が変化しているからだ。従来の「同じ屋根の下に暮らしていることが正しい家族」という形だけではなく、「同居していなくてもこのパートナーは大切な人」と考えられるかどうか。お互いを尊重できる夫婦関係を築けるかどうかも、新しい結婚の意識に加わるはずだ。

どんなに手続きが簡易化しても、結婚に対する心構えはしっかりと持っておくことが、ひいては離婚件数を増やさないことにもつながるのではないだろうか。

[夫婦問題研究家 岡野 あつこ]

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藤井聡太二冠「シンプルに考える習慣」

2020年11月21日 12:00 PRESIDENT Online

藤井聡太二冠の師匠としても知られる棋士・杉本昌隆八段。類いまれなる才能をもつ弟子との師弟関係に注目が集まるが、それは自身が師匠・(故)板谷進九段との関係から得たものがベースという。人はいかにして人から学び、自分や相手に眠る才能を伸ばしていくか。将棋の師弟関係から、ビジネスや親子関係を成長させるヒントを探る。

弟子は師匠から学び、師匠も弟子から学ぶ

将棋の世界では、「師匠」になる金銭的メリットは実はありません。将棋教室では月謝をいただきますが、「弟子」はそれを超えた関係なんです。弟子の賞金の一部をもらうなどということもありません。むしろ一緒に食事をすると師匠が払うので、弟子が増えるほど持ち出しが多くなります(笑)。

それではなぜ師弟関係を結ぶのか。

親子、先輩後輩、同業者のような不思議な関係ですが、やはりお互いに学ぶものがあるからだと思います。

私は藤井二冠から将棋を「シンプルに考える」ことを学びました。彼の将棋には“邪念”がないんですよ。経験を積むほど、大人になるほど、ミスを期待して相手が間違えやすそうな手を選んだり、安全を確保しようとしたり、勝てばいい成功すればいいという「結果オーライ型」に陥りやすい。それは大人の知恵ともいえますが、実は回り道で、自分をごまかす考え方ではないかと思います。正攻法で勝ちに挑む藤井二冠を見て、この年にしてまっすぐな気持ちの大事さを感じました。

将棋に対するまっすぐさ──将棋が好きだから高い集中力を持続させられ、まっすぐに勝とうとし、そして負けると猛烈に悔しがる。幼い頃の藤井二冠は負けると目の前の将棋盤をかかえて号泣したのは有名な話だ。この熱中できるスイッチは誰しもあり、親子関係であれば子供がこのような循環になれるものを親が見つけてあげることではないかと、杉本は語る。

そしてビジネスでは、「負けた際の“振り返り”が必要になる」と指摘するのだった。売れなかったものがあればなぜなのか、勉学では芳しくない模試の成績であればどうして点がとれなかったのか。将棋には投了後に「感想戦」といって、一局をビデオテープのように巻き戻し、勝者と敗者がともに「最善手」を振り返る時間がある。

「泣く」というのが切り替える儀式だった

対局を終えた後には何かしら「リセット」する儀式が必要です。小学校低学年頃までの彼(藤井二冠)にとって「泣く」というのが切り替える儀式だったんでしょうね。思いっきり悔しがって泣いて発散することが、前の対局を終わらせて次の対局に向かうために必要なことだったのだと思います。

ですがそれは「気にせずに次にいこう」ということとは違います。なぜ負けてしまったのか、「結論を出す」必要がある。そのために感想戦があり、私たちは実際に指した将棋よりその時間のほうが長いこともしばしばです。

こじつけでもいいと思います。自分の中で「これが敗因だった」「この点が悪くてミスをした」→「だから次はやらない」という結論が出せればいい。

なぜかというと、いい結果のときには自分の力が発揮できたケースもありますが、“幸運”もある。しかし悪い結果には必ず理由があるので、次につなげるために自分の中での結論が必要なのです。とことん敗因を考え、結論を出せると、自然に切り替えられる。

将棋というのは自主性が大事で丸暗記して上達するわけではありません。自分でつかみとらなければいけない。

師弟関係にはお金が介在しないという話と共通しますが、お金を払えば“教わる”という受け身の姿勢が生まれてしまいます。それでは「プロ棋士」としての成長につながりにくい。受け身で情報を仕入れるのではなく、自分がどう消化し、自分の中でどう活用していくか。ですから私は弟子たちに「自分だったらこうするかな」という程度の話をすることはありますが、最善は自分で決めること、と伝えています。

崖っぷちの藤井二冠にかけた言葉

自主性を尊重するため弟子に将棋を教えたり、将棋に対する自分の考えを押し付けたりなど必要以上に手出しはしないという杉本。時代をさかのぼり、それは杉本が、師匠の板谷九段から受けた指導法でもあった。

将棋の世界では奨励会(日本将棋連盟のプロ養成機関)でプロ(四段)を目指す三段までが最も苦しいという。満26歳までに四段という年齢制限があり、8割がプロ棋士になれない厳しい世界だ。16歳で二段であった杉本だが、不調に陥り、負ければ降段という対局があった。初段となればプロの道が遠のく──追い詰められた杉本に対し、板谷九段は笑い飛ばしたのだった。

板谷先生は私がまだ弱い頃から、「杉本のことは心配しとらん。いつか必ずプロ(棋士)になる」と言ってくれていました。師匠の姿勢から弟子の未来を信じる大切さを学びましたね。

本人(弟子)が崖っぷちにいると感じているとき、こちら側も同じように深刻になると、ますます相手は「崖っぷちだ」と深刻に受け止めます。“負のオーラ”が伝染していくんです。あの藤井二冠でさえ、のちにプロ相手には何十連勝しても、プロ入り最後の難関である三段リーグ(30人前後の三段同士が競いあう)では13勝5敗。そういったプレッシャーがかかっているときは、私も弟子に「心配していないから」という言葉をかけるようにしています。

まあ藤井二冠に対しては無理にそう言ったわけではなくて、本当に心配していなかったのですが(笑)。でも後から彼が「(その言葉で)ほっとした」と言っていて、よかったなと思います。若い時代の失敗は、後から振り返れば取り返しのきくものばかりですし、その一瞬ではすごく大事な場面でも、「たいしたことないよ」と声をかけると、相手は楽になりますから。

声かけ1つにまで杉本が配慮を見せるのは、自身が“将棋嫌い”の時期を経験したからかもしれない。師匠に出会う前の杉本は、強い大人相手ばかりの、“英才教育”を施されていた。将棋の楽しさを忘れかけていたという。

そうですね、その点は師匠になって気をつけています。みんな将棋が好きだから続けている。つらい時期も「将棋が楽しい」という思いにかえれると踏ん張れますから。

普段の対局のときには「いい内容にするように」と声かけをします。すでに頑張っている弟子に「頑張れ」と言うことはできないし、そういった声をかけた後で負けてしまうと「自分は頑張れていなかったのか」と受け止めてしまう。しかし将棋の“いい内容”というのは、負けたってできること。自分の力を出し切れ、ということです。

最後の言葉

師匠からかけられた最後の言葉は「ちゃんと飯は食っているのか?」

板谷先生は47歳という若さで、くも膜下出血のため亡くなりました。私が19歳の時で、これから30年も40年も付き合っていけると思っていたのに……。師匠は若い時に少食だった私を心配していました。口癖は「どんどん食ってバンバン指せ」。一言でいえばあまり思い悩むな、たくさん食べてたくさん将棋をやれ、と。

そして師匠は将棋と、将棋のファンをとても愛していました。師匠がお元気だった「昭和」と、今の「令和」では将棋のファン層も、将棋に対する世間の評価や位置付けも変わりましたが、藤井二冠やそのほかの弟子とともに将棋の楽しさを少しでもみなさんに伝えていきたい。板谷師匠、私、藤井と、血脈とは異なる“師弟関係”で遺志を受け継いでいきたいのです。

[将棋棋士八段 杉本 昌隆 文=笹井恵里子 撮影=今井一詞 写真=時事通信フォト]

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