Vol.2「マスターズ以上の美しさ」
みなさん、梅雨の季節になりましたがいかがお過ごしですか? 僕は、PGA TOURのザ・メモリアルトーナメントの会場に来ています。昨年のジェネシスインビテーショナル以来のPGA TOURにテンションが上がっています。
ザ・メモリアルトーナメントといえば、松山英樹選手がツアー初優勝を遂げた大会です。僕にとってもたくさんの思い出が詰まっています。3年ぶりに会場に足を踏み入れましたが、地元に帰ってきたような懐かしさを感じました。いろいろな選手やキャディに「お帰り!」「どうしてた?」「英樹おめでとう!」「オリンピック楽しみだね」などと、たくさん声をかけてもらえてうれしかったです。僕のことを覚えていてくれたんだなとビックリしましたが、さらに驚いたのがコースの美しさです。
会場のミュアフィールドビレッジは、360度打てる巨大な練習場や雰囲気のあるクラブハウス、戦略性が高くて綺麗なコースと、ツアーでも屈指の環境です。昨年の大会が終わってから大会ホストを務める、帝王・ジャック・ニクラスがリノベーションをしたそうで、美しさはさらに磨きがかかりました。
松山選手も「きれいだよね」と声を弾ませていましたが、コース内にはターフひとつなく、芝は絨毯のようにきれいに生えそろっていて、変な芝目もなく一定の同じ色をしています。アプローチ練習用のグリーンでさえその状態ですから。美しさでいえば、マスターズを開催するオーガスタナショナルGCを上回るんじゃないかと思いました。
もちろんコース改造も行われていて、かつてのイメージとは異なります。この生まれ変わったミュアフィールドビレッジを制するのが誰なのか、楽しみですね。
ちなみに久しぶりの渡米でしたが、米国はコロナ対策が進んでいることを実感しました。まず国内でPCR検査を受けて、米国の入国審査で陰性証明書を見せて、無事に入国。そのままワシントン経由でオハイオ州のコロンバス空港に飛び、その足で試合会場に設置してあるPCR検査を受けました。鼻に棒を突っ込んで粘膜を採取するタイプの検査です。松山選手や早藤将太キャディから聞いていましたが、何とも言えない痛気持ち悪さでした。もっと優しくやってくれればいいのに……。
そこで陰性が出ると、そのままCVSというドラッグストアに行き、ワクチンを打ちにいきました。予約すれば無料で受けられるんです。渡米中にもう1回打つ予定です。ワクチンの注射は痛くはなかったのですが、次の日から二日ほど、肩パンチされたような痛さが残りました。選手たちはみんなワクチンを打ち終えているようです。今まではグータッチでしたが、もう握手が戻ってきているのです。肩パンチの痛みに耐えながら、一歩ずつ平穏な日々に戻りつつあるのだと感じました。
Vol.1 「PGA TOURはリアルアメリカンドリーム」