cat_1_issue_oa-newspostseven oa-newspostseven_0_y3axgvpq33zb_◆木村拓哉長女Cocomi アパレルでバイトしていた y3axgvpq33zb y3axgvpq33zb ◆木村拓哉長女Cocomi アパレルでバイトしていた oa-newspostseven 0

◆木村拓哉長女Cocomi アパレルでバイトしていた

2020年3月29日 12:05 NEWSポストセブン

 3月28日発売の「VOGUE JAPAN」の表紙を飾り、華々しく芸能デビューする木村拓哉さんと工藤静香さんの娘Cocomiさん。

 高校在学中は、ほかの生徒と同じように学び社会経験も積んでいました。

 ファッション誌関係者によると「アパレルショップでアルバイト体験をしていました。特別待遇などはなく、本当に普通のアルバイト。本名は伏せていましたが、すぐにスタッフ全員の名前を覚えて周囲を驚かせたようです。どこにでもいる普通の高校生としてしつけられているのが印象的でした」とのことです。

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cat_1_issue_oa-newspostseven oa-newspostseven_0_yw5s0n67hfji_猫が母になつきません 第194話 「きにする」 yw5s0n67hfji yw5s0n67hfji 猫が母になつきません 第194話 「きにする」 oa-newspostseven 0

猫が母になつきません 第194話 「きにする」

2020年3月29日 09:00 介護ポストセブン


 さびのツメは固い。わびに比べると大きいし。このツメがついた前脚で起き抜けに顔をさわられると驚いて「イタッ」と声を出してしまうことがあって、さびはそのあとシュンとしてしばらく近寄ってきません。テレビの前で丸まって呼んでも反応なし。

 でもさびがここに居るときは私に何か訴えたいことがあるとき。かなり気にしている。「ごめん、ごめん、大丈夫だから」と抱っこするとぎゅーっとハグしてくれますが、ツメが肩に…しかし、私の痛みよりもさびのいじらしさが一万倍くらい勝っているので気にしません。

「気にしい」という言葉がありますが、私はどちらかといえば「気にしい」で、さびも「気にしい」です。よくいえば「繊細」ですが、つまりは神経質、心配性ということ。

 母はまったく逆でかなり大雑把、細かいことは気にしない。日々の暮らしで「気にしい」が泣きを見ることが多いのは必然です。「気にしい」仲間がいてよかった…。

【作者プロフィール】
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。

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cat_1_issue_oa-newspostseven oa-newspostseven_0_jpqf4jgfp4gp_◆「妖精さん」と呼ばれて…定年再雇用、厄介者扱いの悲劇 jpqf4jgfp4gp jpqf4jgfp4gp ◆「妖精さん」と呼ばれて…定年再雇用、厄介者扱いの悲劇 oa-newspostseven 0

◆「妖精さん」と呼ばれて…定年再雇用、厄介者扱いの悲劇

2020年3月29日 07:10 NEWSポストセブン

 65歳までの雇用延長が義務化されても、かつての部下からは厄介者扱いされ、パートがやるような仕事しか与えられず、1~2年で辞めるケースが少なくないようです。

 大手事務機器メーカーを定年退職し、子会社に「アドバイザー」の肩書きで再雇用された66歳のAさんは、3か月もすると完全な窓際。いるかいないかわからないから、女性社員からは陰で“妖精さん”と呼ばれたそう。

 Aさんは一時退職も考えましたが、発想を転換し、65歳からの転職を準備。晴れて転職に成功したそうです。

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cat_1_issue_oa-newspostseven oa-newspostseven_0_m91el8gr0u3m_春名風花、ネットでの誹謗中傷被害との10年戦争を語る m91el8gr0u3m m91el8gr0u3m 春名風花、ネットでの誹謗中傷被害との10年戦争を語る oa-newspostseven 0

春名風花、ネットでの誹謗中傷被害との10年戦争を語る

2020年3月29日 07:05 NEWSポストセブン

 本誌・女性セブンでは今年2月、インターネット上の誹謗中傷事件に対し、それを許さないとした緊急特集を2回掲載し、反響を呼んだ。そのさなか、女優・春名風花(19才)が自らのSNSに、ネットの誹謗中傷被害に関する刑事告訴状の受け取りを警察から拒否されたと報告。一体何が起こったのか──真相を直撃したところ、ネット被害への社会の無理解が見えてきた。

◆殺害・爆破予告をされ 恐怖におびえる日々…


「はるかぜちゃん」の愛称で知られる春名風花(以下、春名さん)が、ネット上でいわれのない誹謗中傷を受け始めたのは、いまから10年前、わずか9才のときだ。

 ちょうどこの頃、社会問題に関する意見をツイッターに投稿し始め、その発言の鋭さから世間の注目を集めていた。春名さんのツイッターをフォローする人が増えると同時に、悪口などを書き込む “アンチファン”の存在も目立つようになる。

「そのなかには、誹謗中傷どころではない、ぼくへの殺害予告までありました。実家の住所も公表され、そのせいで、怖い思いもたくさんするように…。例えば、お風呂場の窓から、知らない人が手を入れてきたり、近所で、“きみの学校に春名風花さんっている?”などと聞き込みをする人も現れ、危険が迫っているのを感じました。あまりの恐怖に、家から一歩も出られない日々が続きました」(春名さん・以下同)

 こういった誹謗中傷を発端とした嫌がらせにより、仕事にも支障が出てきた。2016年に彼女の出演する舞台が公演される劇場や所属事務所に、爆破予告が投稿されたのだ。

 劇場は厳重警備をせざるを得なくなり、開演期間中は入口で手荷物検査を行い、私服警官に巡回してもらった。

「管轄の警察署の生活安全課には何度も相談に行き、被害届も出しました。でも、“ツイッターって何?”と言われ、取り合ってもらえませんでした。当時はSNSの事件が少なく対策も進んでいなかったんです。結局、実家の近所をパトロールはしていただけたものの、爆破予告犯について捜査してもらえることはありませんでした。警察も誰も助けてくれない…。この時期が本当につらかったですね」


◆解決には弁護士の力が必要だと実感


 警察が頼りにならないなら、弁護士に依頼しようと考えた。しかし、春名さんはまだ高校生。総額100万円以上かかるとされる弁護士費用など、すぐには用意できなかった。本業や学業の合間にアルバイトにも励んでコツコツとお金を貯め、ネット被害に詳しい弁護士を探しつつ、がまんの日々が続いた。しかしその間もツイッターは続けた。

「本心ではツイッターをやめたかった。でも、ぼくがやめればほかの声を上げられない人に被害がいくかもしれない。誹謗中傷する人はいつもターゲットを探していますから。それは防ぎたかった。それに、“自分の意見を言う”という姿勢は崩したくなかったんです」

 爆破予告などの件がニュースにあがるたび、「売名のための自作自演だろう」と、ますます誹謗中傷をする人が増え、その内容も悪質化していった。そしてついには、「彼女の両親自体が失敗作」など、身内や知人までをも侮辱する投稿が相次ぐように。これが春名さんはどうしても許せなかった。

「家族を侮辱した方が傷つくだろうとわかってやっているのが、本当に卑怯です」

 この件であらためて、誹謗中傷犯を特定することを心に決め、2018年10月、ついに弁護士に依頼した。


◆投稿者は特定できると皆に知ってもらいたい


 誹謗中傷犯を訴えるにあたり、まずは投稿者の身元を特定しなければならない。春名さんと弁護士はまず、両親を中傷した投稿者に狙いを定め、プロバイダーに対し、住所や氏名を開示するよう依頼する「発信者情報開示請求訴訟」を起こした。春名さんの担当弁護士でサイバーアーツ法律事務所代表の田中一哉さんはこう話す。

「ネットの誹謗中傷事件では、発信者を特定するまでがもっとも大変。特に本件は、犯人がいくつものプロバイダー業者を介して書き込みしていたため、特定までに手間と時間がかかりました。これを個人で行うのは不可能に近い。専門知識のある弁護士に頼んでください」

 そして、1年後の2019年11月、プロバイダーから投稿者の住所と氏名が開示された。

「ネット上の誹謗中傷犯は不特定多数の人を味方につけて、姿も見せず、ぼくを攻撃できる。つまりこれまでは、見えない敵から殴られるだけのサンドバッグ状態でした。でも、身元がわかり、相手を現実世界に引っ張り出せたいまは、ようやく対等に闘える。本当にうれしく思いました」

 しかしこの朗報と同時期に、もっとも訴えたかった相手を逃してしまう。爆破予告が3年の時効を迎えたのだ。春名さんはこのときの思いをブログでこう綴った。

《時効って何なんだろう。時が経ち、やった側が忘れても、やられた側の傷が癒えることなんてないのに。少しでも子どもたちに安全なインターネットを残したい。同じような想いをする人が、ひとりでも居なくなりますように》

 侮辱罪の時効は1年、名誉毀損は3年と時効が短い。また、ネット上の通信記録は3か月もすると自動的に消えてしまうので、訴えようとしている間に証拠が消えてしまう。とにかくスピード勝負なのだ。


◆警察が告訴状を返送 でもあきらめない!


 せめて、両親を侮辱した人だけはしっかり罪を認めてほしいと、年が明けて今年1月、民事訴訟に踏み切った。

「こういったケースでは通常、民事訴訟を提起する前に、いわゆる示談で終わることも多いのです。しかし本件の加害者はすでに示談金の支払期日を無視。それで、刑事告訴もすることにしました」(田中さん)

 示談なら、慰謝料を支払えばそれで解決する。しかし刑事告訴なら、氏名が公表され前科がつく。春名さんは、そこまでした理由をこう語る。

「実は、発信者情報開示請求訴訟の提起後、相手から示談の提案がありました。ただし、“示談金は払えない”の一点張りで、反省の色も見えない。お金がないなら払えるように頑張って働いてほしかった。それほどの罪を犯したのですから」


 同様の被害を受けている人たちへの思いもあった。

「誹謗中傷をした人が逮捕されて実名が報道されれば、軽い気持ちで誹謗中傷する人は少なくなるだろうと思ったんです」

 しかし、ここで思わぬことが起きた。彼女の地元の神奈川県警が告訴状の受け取りを拒否したのだ。

「警察から、弁護士ではなく告訴人である母に直接電話がかかってきて、“読んでないからなんの件かわからないけど、うちそういうのやってないから、送られてきても困るんだよね。だから送り返しておきますね”──と。そして4日後に本当に返送してきました」

 この件を、春名さんはSNSに投稿。ニュースになった。

「中身も読まずに告訴人に直接電話をしてくるなんて、“告訴をあきらめろ”という、明らかな脅しだと思いました。母も恐怖と怒りで震えており、そんな電話をとらせてしまい、申し訳ない気持ちになりました。ぼくはすぐにSNSにこの件を投稿しましたが、世の中には、加害者だけでなく、警察の対応によっても泣き寝入りしている被害者が大勢いると実感しました」


 春名さんが世間に事実を訴えたこともあり、9日後には告訴状が受理され、刑事事件として捜査が開始された。

◆泣き寝入りしないで! ぼくがその見本になる


 春名さんは、いまは誰もがネットで中傷される時代と語り、傷つけられても「あきらめないで」とエールを送る。

「ネットで中傷してくる人は、何度もそういった投稿をしています。数人の誹謗中傷犯を特定したら、同じ人だったということがよくあるんです。ですから、もしすぐに訴えられなくても、再度タイミングが来るかもしれません。あきらめるより、対抗心を燃やした方が、いい方向に道が開けると思うんです」

 いま、ネット上に匿名性はない。必ず、投稿者は特定できる。少女時代から続いた長い冬が間もなく明ける。

【春名風花 名誉毀損事件とは?】
 2010年にツイッターを開始すると誹謗中傷が相次ぎ、2016年には殺害・爆破予告もされる。2018年10月15日に田中一哉弁護士に投稿者の特定を依頼。春名さんの母親が告訴人になり、11月21日、ツイッター社に発信者情報開示請求の仮処分を申し立てる。それを受け12月28日に開示された後、2019年5月からプロバイダーに対する発信者情報開示請求訴訟を開始。11月1日、勝訴。東京地裁は名誉の侵害を認め、損害賠償請求のために投稿者情報開示を求める理由があると判断した。2020年1月14日、春名さんの母親が投稿者に対し民事訴訟を起こし、同時に神奈川県警に告訴状も提出。2月7日に受理。現在捜査中。

※女性セブン2020年4月9日号

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cat_1_issue_oa-newspostseven oa-newspostseven_0_710kwlbc3rcq_原宿駅と国立駅の木造駅舎 あまりに対照的な「解体後」 710kwlbc3rcq 710kwlbc3rcq 原宿駅と国立駅の木造駅舎 あまりに対照的な「解体後」 oa-newspostseven 0

原宿駅と国立駅の木造駅舎 あまりに対照的な「解体後」

2020年3月29日 07:05 NEWSポストセブン

 東京五輪のために、東京都内では様々なものが作り替えられている。そのうちのひとつ、JR原宿駅が新しくなった。木造の尖塔つきの木造屋根に白い外壁が特徴的だった駅舎から、ガラス張りの広々とした新駅になった。

 旧駅舎はまだあるのでその姿は竹下通りからものぞむことができるが、解体が決まっている。都内最古の木造駅舎だった原宿駅は、解体されてどこへゆくのか、ライターの小川裕夫氏がレポートする。

 * * *
 高輪ゲートウェイ駅は、3月14日に開業を迎えた。当日は、あいにくの空模様だったが、それにもかかわらず多くのファンが駅に詰めかけた。約半世紀ぶりに誕生した山手線の新駅は大きな注目を浴び、「高輪ゲートウェイ駅」と印字されたきっぷを買い求めようとする人たちが長蛇の列をつくった。

 今春は高輪ゲートウェイ駅のように新駅開業という新しい節目を迎える駅もある一方、これまで慣れ親しんだ駅舎がその役目に幕をおろした駅もある。

 新駅開業から1週間後となる3月20日には、木造駅舎の原宿駅が役目を終えた。翌日から新駅舎が供用を開始。これまでの原宿駅は、その利用者数に比してホームが1面という狭小な構造だった。

 そのため、山手線の内回り・外回りの乗降客がひとつのホームに集中する。多くの人がホームに滞留すれば、利用者がホームから転落する危険性が高まる。それは山手線の運行停止を招く。

 定時運行を確保し、安全性を高めるためにホームの増設もしくは拡幅が求められた。原宿駅には正月の明治神宮参拝用の臨時ホームがあり、それを常用化する形で山手線の内回りと外回りのホームを分離。合わせて、駅舎を改築した。こうした経緯で、原宿駅は木造駅舎の供用を停止。新駅舎が原宿の新たな顔になった。


 木造駅舎でもある旧原宿駅舎は、1924年に竣工。大正期に竣工した木造駅舎は生き残りが少なく、原宿駅は都内では最古の木造駅舎だった。原宿駅を設計した鉄道省の長谷川肇は2代目・横浜駅も担当している。残念ながら長谷川のデザインした2代目横浜駅舎は関東大震災で倒壊したが、原宿駅舎は震災も戦災もくぐり抜け、1964五輪・バブルといった東京が大改造された時代をも乗り越えた。

 そして、老朽化しても現役駅舎として生き抜き、平成の30年間も完走。しかし、ついに新駅舎に役目を譲り渡すことになる。


 きたる東京五輪のため、政府や東京都などは東京全体を改造する計画を進めており、原宿駅もその計画の一環に組み込まれた。

「原宿駅は新駅舎がつくられたことで、いったん“解体”します。しかし、報道されているような“解体”という話ではありません。いったんはバラすことになりますが、復元する方向でJR東日本と協議をしています」と話すのは渋谷区都市整備部まちづくり課の担当者だ。

 長らく原宿のランドマークでもあった木造駅舎は、地域住民や地元商店街関係者などからも愛される存在だった。そのため、渋谷区の長谷部健区長をはじめ地元住民や商店街関係者からも木造駅舎の解体に反対する声があがった。こうした反対があり、渋谷区・JR東日本、そして関係する諸団体が協議を重ねた。繰り返し話し合いの場が設けられたこともあり、「近隣住民や商店主などからは、理解をいただいている」(渋谷区都市整備部まちづくり課)という。

 原宿駅と同様に、国立駅も最近まで木造駅舎の解体か保存かで揺れていた。赤い三角屋根がトレードマークの国立駅舎は1926年に竣工。こちらは、鉄道省の河野傳が設計を担当。


 わずか2年の差で都内最古を譲ることになったが、それでも国立駅舎が貴重な建築物であることに変わりはない。それだけに、赤い三角駅舎に親しみを抱いていた国立市民や利用者は少なくなかった。

 国立駅の赤い三角屋根駅舎は、中央線の高架化工事によって姿を消すことになる。

 駅舎解体をめぐって、一部の市民から保存を要望する声があがる。市民の要望を受け、国立市は駅舎の保存を模索した。

 中央線の高架化は時代の要請でもあり、中央線が通過する三鷹市・武蔵野市・国分寺市・立川市などと歩調を合わせる必要もある。国立市の反対だけではどうにもならない。そうした事情から、高架化は避けられない情勢だった。

 なにより駅舎の保存は、莫大な資金が必要になる。しかも使わない駅舎を維持していく資金も必要で、それには市民の理解が欠かせない。

 しかし、市議会は駅舎保存の予算は否決。諦めきれなかった市民と国立市は、粘り強く保存活動と交渉を続けた。高架化のタイムリミットとされた2006年までに妙案は出ず、国立駅舎はいったん解体されてしまう。

 それでも、国立市は駅舎の保存を目指して解体された駅舎の部材を保管した。その後、国立市は駅南側の敷地を購入。そこに駅舎を復原させた。駅舎の復原にかかった費用は部材の保管代も含めて約9億6000万円と試算されたが、それらは国が市町村の都市再生整備計画に対して助成するまちづくり交付金の一部を活用。不足分は市の一般財源から捻出せず、ふるさと納税を募った。

 以前と同じように建物などを建て直すことは、“復元”と表現されるのが一般的だ。一方、2012年に開業当時の姿に戻された東京駅の赤レンガ駅舎は、“復原”と表した。

“復元”も“復原”も、建物などを過去の姿に戻すという意味では同じだが、“復原”は文化財建造物を修復する際に用いられる。国立駅舎でも、“復原”という言葉が使用された。そこには、“復元”よりも、強い思いが込められている。

 使用する言葉だけで判断することはできないが、一連の作業も含めて、東京駅と国立駅には駅舎保存への強い意志を感じさせる。そうした情熱が人を動かし、社会を動かした。

 そして、4月4日に国立駅舎はめでたく復原を果たす。


 他方、原宿駅舎の保存に関して、渋谷区の姿勢はどことなく他人事のような印象を感じさせる。国立市は、文化財指定を受けることで国立駅舎を残そうとした。

 一方、渋谷区は「文化財指定を受けるには時間もかかるし、手間も交渉も煩雑。そもそも、文化財指定を受けるものではない」(渋谷区都市整備部まちづくり課担当者)という理由から、原宿駅の文化財指定を見送った

 なにより決定的なのは、渋谷区とJR東日本に深い思惑のズレが生じていることだ。東京支社広報課の担当者は言う。

「原宿駅の木造駅舎に関して、JR東日本は復元ではなく建て替えと表現しています。解体してみないと、どの部材が使えるのか判断できません。そのため、『現段階では、できるだけ現状の木造駅舎に近い形で建て替える方針』としか申し上げることができません」

 東京駅の赤レンガ駅舎や国立駅舎のように、原宿駅の木造駅舎は“復原”はおろか“復元”ですらない。こうした表現も原宿駅の木造駅舎が解体されるかもしれないという不安を増幅させている。

 これまで、JR東日本は東京五輪閉幕後の夏に解体するというスケジュールを示していた。東京五輪は新型コロナウイルスの影響で延期になったが、原宿駅舎の解体スケジュールが影響されることはない。

 いまだ明確な解体スケジュールは公表されていないが、「解体後の跡地に商業施設などが入る駅ビルが建設される計画は決まっている」(JR東日本東京支社広報課)という。

 JR原宿駅は1日の平均乗車人員が約7万5000人。隣接する東京メトロ千代田線と副都心線の明治神宮前<原宿>駅は約5万4000人。駅を使う人だけで13万人。

 そうした駅利用者に加え、近隣の渋谷・新宿・青山といった繁華街からも多くの人が原宿へ流れてくる。そうした集客力を考慮すると、原宿駅は優良資産でもある。

 JR東日本や渋谷区からは、単に駅舎として使うのは経済的な損失で、もったいない。その資産価値を最大限に活用したいという思惑が透けて見える。JR東日本は慈善団体でも歴史・文化を継承する団体でもない。

 純然たる民間企業だから、自社の利益を第一に考えるのは自然といえば自然な話でもある。それでも、やはり慣れ親しんだ原宿駅の木造駅舎が消えてしまうとしたら、そこに一抹の寂しさを覚えるのが人情というものだろう。

 駅舎の役目を終えても市民の要望で保存・復原された国立駅。対して、解体後の動向は不明ながらも駅ビルを建設することは決まっている原宿駅。

 両駅は周辺環境も異なれば、住民・利用者の意識も大きく異なっている。また、行政・JR東日本の扱い方にも歴然とした差がある。

 原宿駅と国立駅はどちらも文化財と言っても過言ではない木造駅舎だが、その明暗は大きく分かれることになりそうだ。

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cat_1_issue_oa-newspostseven oa-newspostseven_0_n8hazcss34e0_定期試験廃止の公立中学校長「生徒の学力は確実に上がった」 n8hazcss34e0 n8hazcss34e0 定期試験廃止の公立中学校長「生徒の学力は確実に上がった」 oa-newspostseven 0

定期試験廃止の公立中学校長「生徒の学力は確実に上がった」

2020年3月29日 07:05 NEWSポストセブン

 すべての校則を廃止したことで話題となった東京・世田谷区立桜丘中学校。10年の在籍期間のなかで、学校を大幅に改革した校長の西郷孝彦さん(65才)は、この3月で教員生活を終える。4月2日には、教育評論家の尾木直樹さん、麻布学園理事長の吉原毅さんとともに、新書『「過干渉」をやめたら子どもは伸びる』を上梓する予定だ。

◆不必要な規則を除いたら学力が比例して急上昇


 親として気になるのは、こうした自由な学校生活を送る中で、学力が伸びるかどうかということだろう。公立中学校の宿命として、3年後には高校受験が控えているからだ。

 桜丘中学校では、定期テストの廃止が2018年の生徒総会で議決され、2019年度から実行された。そして今年2月には、定期テスト廃止後初めての高校受験を迎えた。「定期テストがないと、高校受験を乗り越えられないのでは」と不安視する声もあったそうだが、それはいい意味で裏切られた。

「2018年までは世田谷区内の中学校の学力テストの平均値が各校に伝えられたのですが、本校は非常に優秀な成績でした。この10年間で、生徒の学力は、確実に上がったといえます」(西郷さん・以下同)

 同校では、定期テストの代わりに、10点×10回のように小テストに分けて、週3回程度の試験を行うスモールステップ方式が採用されている。

 また、3Dプリンターやロボット操作のためのプログラミング教育を導入するほか、教科学習と英語学習を統合したアプローチのCLILも行われている。これは、“英語を使って家庭科の時間に料理を学ぶ”といったもので、英語教育の質的向上が見られ、生きた英語が身につきやすいと高評価を得ている。


 10年前は、都立の難関校である日比谷高校に合格する生徒が1人いるかどうかという状況だったが、ここ数年では進学者数を飛躍的に伸ばし、昨年度は5人が進学している。そして今年度は、受験傾向に大きな変化が見られた。

「本校に校風の似た、自主性に重きを置く高校を選ぶ傾向が顕著でした。特に今年は都立西高校を受験する生徒が増えました」

 西高校は、東大・京大合格者を年間各20人ほど輩出するトップクラスの進学校。難易度の高い独自の入試問題で知られるが、一方で生徒の意志や自主性が尊重されると評判だ。

「ほかには国際色をうたう高校を希望する生徒が多いですね。本校は英語の授業が充実していることもありますが、行動さえ起こせば、“世の中は自分の力で変えられる”と日頃から伝えていることもあり、“同調圧力”の強い日本にとどまらず、海外を舞台に活躍したいという生徒が増えています」

 本誌・女性セブン編集部で調べたところ、今年度は、都立では西高校に11人が合格したほか、日比谷高校に2人、国際高校に5人が合格している。慶應や早稲田など私立の人気校にも複数が合格した。

 超難関校として知られるラ・サール学園(鹿児島)に進学する生徒もいる。

「この生徒はラ・サールのことを自分で調べて“桜島をぐるっと回る遠足があって楽しそう”とか、“男子ばっかりで気を使わないのがいい“と、志望動機を目を輝かせながら話してくれました。誰の強制でもなく自分から“ここに行きたい”と決めて勝ち得た合格です」


 なぜこれほどまでにめざましい成果が出たのか。その答えは、“偏狭な受験制度を気にしない指導”にあると西郷さんは考えている。

「一般的には“自分の内申や偏差値はこのくらいだから”という発想で、志望校を選択します。でもここでは、“自分の個性に合う高校はどこか”“自分がやりたいことのできる高校はどこか”を考えて選ぶ生徒がほとんどです」

 偏差値ではなく、“自分とのマッチングで選ぶ”。それは、同校に広く浸透している。生徒たちに聞いてみると、スポーツの強豪校を選んだ生徒もいたし、バレエの道を究めるために高校進学はやめ、海外に飛び立つ生徒もいた。芸能界を目指す生徒もいれば、カメラマンになりたいと、専門的な高校を見つけてきた生徒もいた。

“やればできる”という気風は、生きづらさを抱え、教室に入れず廊下で過ごす生徒たちにも行き渡り、彼らも全員が自分に合った学校を選び、面接も試験対策もして合格を掴んだ。

 自分で選んだ進路。進学後も意欲的な毎日を送るはずだ。

◆撮影/浅野剛

※女性セブン2020年4月9日号

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【香山リカ氏書評】同調圧力や根性論に笑いを交えつつ警告

2020年3月29日 07:05 NEWSポストセブン

【書評】『体育会系 日本を蝕む病』/サンドラ・ヘフェリン・著/光文社新書/900円+税

【評者】香山リカ(精神科医)

 日独ハーフ、日本滞在歴20年超の著者が書くニッポン論。著者は日本をこよなく愛していて、だからこそ「“やればできる”という間違った根性論に押しつぶされないで」と日本社会に警告を発しようと決意したのだ。

 著者は、日本のその誤った根性論の基本は、学校教育に染みわたる体育会系マインドにあると考える。たとえば小学校の運動会の組体操は最近、ケガの危険性などが指摘されているが、それでも「子どもがやりたがっている」といった理由づけのもと、多くの学校で行われている。

 しかしここで「辛いけど、みんなのために、みんなで我慢」することこそが、ブラック企業などの「同調圧力」「連帯責任」にもつながると著者は主張する。こういう環境で中学、高校とすごすうちに、「人権が無視されることが普通」と考えるニッポン人ができ上がってしまう。

 それからもうひとつ。日欧を知る著者は、日本社会が「女性がラクになること」にあまりに厳しいと指摘する。食洗機や無痛分娩もダメ、子どものお弁当は手作りで。仕事をするならメガネやスニーカーはNG、あくまできれいに見えるように。こんな圧力の下、日本の女性は世界一「眠らない」と著者は言い、この根っこにあるのも学校時代に叩き込まれた「根性論」だと考える。

 こうして半歩、外の世界に出て見ると、ニッポンはこんなにおかしいことだらけなのか、と愕然とする。たしかに「そんな必要ないです」「私にはできません」というひとことが言えないまま働き、結果的にうつ病になって診察室にやって来る人がいかに多いことか。

 とはいえ本書は決して“説教本”ではなく、クスリと笑えるイラストやエピソードも満載、各章の終わりには「体育会系度」チェックリストもついている。あなたのために、家族のためにぜひ読んでみてほしい。そしていちばん読ませたいのは、今回の新型コロナウイルスの問題でも「気合いで勝て!」と本気で言っている経営者や政府関係者たちだ。

※週刊ポスト2020年4月3日号

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cat_1_issue_oa-newspostseven oa-newspostseven_0_6dmrt51yuax3_中学受験 難関「公立中高一貫校」が軒並み応募者減の異変 6dmrt51yuax3 6dmrt51yuax3 中学受験 難関「公立中高一貫校」が軒並み応募者減の異変 oa-newspostseven 0

中学受験 難関「公立中高一貫校」が軒並み応募者減の異変

2020年3月29日 07:05 NEWSポストセブン

 2005年に首都圏初の公立中高一貫校、「都立白鴎(※正確には區ヘンに鳥)高校附属」が誕生して以来、毎年高倍率が続いていた公立中高一貫校入試。2019年は「さいたま市立大宮国際中等教育学校」の開校もあって、一段と応募者が増えたにもかかわらず、2020年は一転して応募者が減少したという。一体なぜなのか。安田教育研究所代表の安田理氏が、今年の入試状況と大学合格実績を振り返りながら、その背景に迫った。

 * * *
 現在、首都圏には22校もの公立中高一貫校があり、中学受験において大きなシェアを占めるようになっている。都県別の内訳を見てみると、東京が11校、神奈川が5校、千葉が3校、埼玉が3校ある。

 公立中高一貫校には中等教育学校(高校募集がなく6年間同じメンバーで学ぶ)と高校募集がある併設型と呼ばれる学校がある(〇〇中学校とか〇〇高校附属という校名になっている)。このほか連携型と言われるものがあるが、これは入試を伴わないので、ここでは前2者について取り上げる。

 公立中高一貫校の入試は、開校初年度は、小学校の学習範囲からしか出題されない「適性検査」(教科別の問題ではなく融合問題)ということで、地元の小学校では全員が受けたなどというケースもあった。ダメ元で大勢が受けるため、大変な倍率になることもよくある。しかし、最近はきちんと準備しなければ受からないということが分かり、年々倍率が低下するのが一般的な傾向である。

◆都内の応募者 11校中9校が「減」


 2010年に都内の公立一貫校11校が出揃ってから今年で11年が経った。2018年、応募者数の合計が初めて9000人を割り込んだが、2019年には多摩地域の学校への女子の応募者が増え、総計9019人(都立一般枠+九段の男女計)と9000人台を回復していた。それが2020年は8476人と近年最低の数字になった。

 学校別では、増加は「都立富士高校附属」と「都立立川国際中等教育」の2校だけ。男子だけ増が「桜修館中等教育」、「千代田区立九段中等教育」、女子だけ増が「両国高校附属」、「大泉高校附属」であった。増が2校だけというのは、私の記憶にはない現象である。

◆神奈川・千葉・埼玉の応募者は11校中6校が「減」


 3県では、神奈川が2019年の3966人から3799人へと減。千葉が2207人から2238人へと唯一若干の増。埼玉が2077人から1730人へと大きく減という様相であった。埼玉の大幅減は、前年「大宮国際中等教育」が開校初年度で大勢を集めた反動と言っていいだろう。

 学校別では、「神奈川県立平塚中等教育」、「横浜市立南高校附属」、「千葉県立千葉」、「千葉市立稲毛高校附属」、「埼玉県立伊奈学園」の5校が増であった。つまり3県でも減のほうが6校と多かったのである。

 以上のように、都県別では増は千葉のみ。学校別では22校中3分の1以下の7校のみ増であった。わずかずつとはいえ15校が減とは予想していないことだった。

◆19校中18校から「東大合格者」が出る


 次に大学合格実績に注目してみよう。22校のうち中高一貫の卒業生が出ているのは19校。「千葉県立東葛飾」、「横浜市立横浜サイエンスフロンティア高校附属」、「さいたま市立大宮国際中等教育」の3校は開校が新しいので、まだ出ていない。

 3月10日に東大の合格発表があったので、それに注目してみた。

 合格者数の多い順に校名を挙げると、「千葉県立千葉」が20名、「都立小石川中等教育」が10名、「都立桜修館中等教育」が9名、「都立武蔵高校附属」が8名、「横浜市立南高校附属」が7名、「都立大泉高校附属」と「都立両国高校附属」が6名、「神奈川県立相模原中等教育」が5名、「都立白鴎高校附属」と「千代田区立九段中等教育」が4名、「都立南多摩中等教育」と「さいたま市立浦和」が各3名──と素晴らしい実績をあげている。

 このほかでは「都立富士高校附属」、「都立立川国際中等教育」、「埼玉県立伊奈学園」が各2名、「神奈川県立平塚中等教育」、「川崎市立川崎高校附属」、「千葉市立稲毛高校附属」が各1名と、なんと「都立三鷹塚中等教育」以外の18校が東大合格者を出していた。これは凄いことである。全国的にも公立中高一貫校の大学合格実績は極めて良好である。

◆女子の応募者が増えている理由


 公立中高一貫校の適性検査は、長い文章の読解、長文記述があるので、応募者は女子のほうが多くなることが一般的だ。が、「都立小石川中等教育」、「都立武蔵高校附属」、「県立千葉」、「県立東葛飾」といった難しいとされる学校はこれまで男子のほうが多かった。

 ところが今年はことごとく女子のほうが多くなり、男子のほうが多いのは、理数教育に特化している学校の性格から「横浜市立横浜サイエンスフロンティア高校附属」のみになった。

 2020年度入試では男子が増えた学校は21校中(「川崎市立川崎高校附属」は男女合計数しか公表していない)4校しかない。一方女子は9校で増加している。近年の教育では読解力、記述力がより求められるようになっているにもかかわらず、男子はこうしたものに対する苦手意識が強いようである。


◆女子が70名も離脱した公立中高一貫校も


 公立中高一貫校のスタート時は、落ちたら地元の公立中学に進学する人が多かったが、2年、3年と塾に通って準備をして受けると、それを無駄にしたくないということで私立中学も併願する人が増えてきている。逆に、私立中学を本命として勉強してきたが公立中高一貫校も受けるケースもある。「都立小石川中等教育」などは入学者の8割以上が私立中学を受けている。

 東京都教育委員会は、都立10校について〈試験当日の欠席者数〉や〈合格発表後の辞退者数〉を公表しているので、それを見てみると、欠席者数は男子・女子とも前年より減っている(男子197名→164名、女子255名→223名)。辞退者数は男子44名→39名、女子38名→51名と、女子で増えている。

 実はこれは特定の学校に集中していて、欠席者の男子164名中31名が「都立小石川中等教育」、20名が「都立白鴎高校附属」と「都立両国高校附属」の応募者であり、女子の223名中50名が「都立小石川中等教育」、27名が「都立桜修館中等教育」、26名が「都立白鴎高校附属」、20名が「都立両国高校附属」となっている。

 辞退者も、男子39名中8名が「都立小石川中等教育」、7名が「都立桜修館中等教育」、6名が「都立武蔵高校附属」であり、女子の51名中20名が「都立小石川中等教育」、6名が「都立三鷹中等教育」、5名が「都立白鴎高校附属」、「都立大泉高校附属」、「都立武蔵高校附属」となっている。

 つまり、区部の学校ほど私立中学との併願者が多いことの表れだ。中でも「都立小石川中等教育」の女子は欠席が50名、辞退が20名とダントツである。

 欠席者は2月1日に「桜蔭」や「女子学院」といった私立の女子校を本命にし、翌日の発表で合格をつかんだケースと推測される。辞退者は2月3日の公立中高一貫校の試験日の時点では私立中学の合否が分からず受検したけれど、その後合格が決まり、辞退したということだろう。

 他県で欠席者の多い学校を調べてみると、2桁は男子では「神奈川県立相模原」が16名、「千葉市立稲毛高校附属」が13名、「横浜市立横浜サイエンスフロンティア高校附属」が12名、「神奈川県立平塚」が10名となっている。

 一方女子では「横浜市立南高校附属」が31名と多く、次いで「神奈川県立相模原」が28名、「神奈川県立平塚」が18名、「千葉市立稲毛高校附属」が12名、「横浜市立横浜サイエンスフロンティア高校附属」が10名と、やはり特定の学校が多いことがわかる。都内・3県に共通していることは、女子のほうが私立中学に抜けているということだ。

 スタート時と異なり、今は公立中高一貫校でもレベルの高いところほど難関私立中学と併願している受験生が多くなっている。

 一方、私立中学側も、公立中高一貫校は倍率が5~6倍となり、不合格者になるほうが圧倒的に多いので、「適性検査」に向けた勉強でも受けられる「適性検査型入試」を設定するところが年々増えているのである。

 中には「うちの適性検査型入試は○○中等教育学校、××高校附属を意識して作問をしています」と謳っているケースもある。そのほか入学金や授業料免除の特待生を出すケースもよく見られる。そうした背景から、スタート時の「落ちたら地元の公立中学に」というパターンは今や少数派である。

◆優れた教育内容は「私立並み」に


 ここまで数字的なものばかりを取り上げてきたが、公立中高一貫校の魅力はむしろ教育内容にある。公立中高一貫校同士は全国的に交流し、かなり研究し合い、競い合っている。

 ここでは詳しい内容には触れないが、例えばふつうの公立中学ではまずない海外研修の機会がある学校が公立中高一貫校には多数ある。中にはシリコンバレー研修といった時代の先端的な場所に連れていく学校まである。

 そのほか、大学との連携、フィールドワークをともなう探究型学習、ネイティブによる英語教育、卒業論文の作成・発表……など、私立中高一貫校が取り入れていることの多くをいまや同様に実施しているのだ。

◆今年の応募者の減少要因と来年の予想


 ほぼ学費がかからない状態で上記の教育を受けられるのに、なぜ今年応募者が減ったのだろうか。公立中高一貫校に大勢受検させる塾の先生に聴いても明確な要因は見つからなかったが、以下のような理由は考えられる。

・5~6倍という倍率の高さ/無駄な努力はしたくない(させたくない)という心理

・年々レベルが上がっている/どこもが開校時と比べると格段に難しくなっている。近所で多くの不合格体験を目にするようになって、チャレンジする家庭が減少

・塾通いが必要/2年、3年と塾に通うことが必要なことがわかり、その費用の点から断念

 以上のことが絡み合っているわけである。ただ、今年こそ減少したが、2021年度は間違いなく応募者は増加するに違いない。これから「コロナショック」がもたらすであろう経済不況はかなり深刻なものになりそうだからだ。

 目下は観光業、運輸業、小売りなどへの打撃が取り上げられているが、部品供給の不足などから製造業、さらには金融、商社……リストラを経て家計にも大打撃がもたらされる。

 いま私立中学受験熱は6年連続で受験者増をもたらしている。これは、中高一貫教育が優れていることが広く知られるようになったことが大きい。倹約してでも教育にはお金をかける日本人の国民性からいって、今後不況になっても、いや厳しい時代になりそうだからこそ、わが子にはより良い教育を受けさせたいというスタンスは変わらないのではないだろうか。

 そう考えると、学費が安いうえに教育内容が優れている公立中高一貫校に再び注目が集まる可能性は高いだろう。

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馬券購入術「113の法則」には決定的な問題がある?

2020年3月29日 07:05 NEWSポストセブン

 誰もが夢見るものの、なかなか現実にならない夢の馬券生活。調教助手を主人公にした作品もある気鋭の作家、「JRA重賞年鑑」にも毎年執筆する須藤靖貴氏が、馬券購入術について考察する。

 * * *
 占いに凝る友人がいる。彼は競馬開催日の早朝、「どの種類の馬券を買うか」を占い、それに徹する。番号や色ではないところがユニークで、案外マトを射ていると感心したのだった。

 馬券のフォームだ。「いつでも3連複」でなくとも「今日は馬連」でいいのだろう。単複だの馬連だの3連複だのと、そのときどきで悩まなくていい。競馬は迷いの連続である。なるべく迷いの要素は極力少なくしたいではないか。ちなみに将棋の加藤一二三元名人も「盤面以外で考えたくない」と、対局の昼食は常に鰻重と決めていた。名人のフォームである。

 ある小雨の日曜日、わたしは「各レース、複勝を1点のみ」と決めた。目標設定はプラス1万円。これはと思った馬3頭のうち高配当を狙う。オッズを見上げるのはパドックから馬が去ったあと。どの馬がメダルを取る? 瞬きせずに検討する。

 果たして、午後3時を回った。10レース終了時点でプラスしていれば十分だが、悪戦苦闘の末にマイナス1万強。最終レースをパスしてさっと帰途につきたい。さて11レース、どういくか。

 目標額に届くように賭けるのである。高配当の馬券に色目を使わず、あくまで複勝。狙う馬の複勝オッズが3倍とすれば、1万円投入の的中でプラス1万円。万札をケチってはいけない。

 ギャンブルでのフォームとはなんぞや。「思い込みやいいかげんな概念を捨ててしまってね、あとに残った、どうしてもこれだけは捨てられないぞ、と思う大切なこと。」(色川武大『うらおもて人生録』)。そして色川御大は「113の法則」を教えてくれる。

 1を賭けて負け。また同額で負け。今度は3を賭ける。勝って倍返しならばプラス1。2を賭けてもプラスにならず意味がない。

 マーチンゲール法という古くから伝わるギャンブル理論を噛み砕いたものだが、オッズが大きくなる競馬のほうが実用価値が高そうだ。「11レースやって1勝でもいい。そこでマイナスにならないように賭ける」。そこでの勝ち負けは時の運。ギャンブルは一か八かである。

「113の法則」には決定的な問題がある。理論上は正しくとも、財布が底をつけば手の打ちようはないのだった。


 さて、競馬を楽しんだ宵は必ず酒を呑む。結果の如何に拘わらず、ベストを尽くしたのだから。善戦健闘のご褒美はシャンパン。そうでなければ安いスパークリングワイン。

 券果のメモを見ながら、ほぼ毎週、チリ産スパークリングを味わっている。十分いけます。ちょっと苦いけど。

●すどう・やすたか 1999年、小説新潮長編新人賞を受賞して作家デビュー。調教助手を主人公にした『リボンステークス』の他、アメリカンフットボール、相撲、マラソンなど主にスポーツ小説を中心に発表してきた。「JRA重賞年鑑」にも毎年執筆。

※週刊ポスト2020年4月3日号

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コロナだけではない 高齢者のための感染症対策、7つの基本

2020年3月29日 07:05 NEWSポストセブン

 世界的に猛威を振るう新型コロナウイルスだけでなく、高齢者がかぜやインフルエンザなど感染症全般にかかると重症化しやすい。ウイルスに感染しないよう、重症化しないよう、適切な知識を持ち、“基本の予防策”をとることが重要だ。また、免疫力を下げないことが防御になることも心得ておきたい。そこで、高齢者の感染対策の7つの基本を紹介する。

【1】「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」の基礎知識
・感染しても、軽症、無症状のまま回復する人も多い

・高齢者、基礎疾患(糖尿病、心不全、慢性閉塞性肺疾患など)がある人は重症化しやすい

・症状が出るまでの潜伏期間1~12.5日(多くは5~6日)

・主な症状はかぜの諸症状・37.5℃以上の発熱・強だるさ・息苦しさ

・主な感染経路は飛沫感染と接触感染

・アルコール消毒、塩素系漂白剤消毒が有効

飛沫感染→混んだ電車、イベント会場など換気が不充分な屋内の人混み、人との距離が充分確保できない場所、2m以内での会話などに注意。

接触感染→乗り物のつり革、手すり、ドアノブ、スイッチなど、感染者が一定時間いたと思われる場所、物に注意。

【2】予防策・手洗いが重要
 手を介して感染する接触感染を防ぐ効果的な策。少なくとも外からの帰宅後には必ず手洗いを。石けんなどをよく泡立て、2回洗い+アルコール消毒はなお有効。手洗い後、手をよく乾かすことも大事。


【3】予防策・マスク、めがね
 感染者が飛沫を広げない、外出先で不用意に口や鼻を触らずにすむなどの効果は見込めるが、一般的なマスクではウイルス感染を完全防止できないと認識しておくこと。同様にだてめがねでも目に触るのを防げる。

【4】免疫力を下げない策・睡眠
 夜の快眠のため、朝きちんと起きて食事を摂るなど、生活サイクルを大切に。就寝2~3時間前の入浴や、夜の照明を暖色にするなど、よく眠れる工夫を。

【5】免疫力を下げない策・水分
 高齢者はただでさえ体の水分量が少なめ。意識して水分補給をするよう、周囲も気をつけよう。

【6】毎日の体温チェック
 感染の可能性を知るわかりやすい目安は発熱(37.5℃以上)。高齢者は発熱しにくいこともあるので、かぜの諸症状、だるさ、息苦しさのほか、“いつもと違う”様子がないかを毎日、確認したい。

【7】ストレス&運動不足解消
 流行ピーク時、外出や人との接触を極力制限されると、筋力低下や抑うつも高齢者には見逃せないリスク。ストレスもまた免疫力を下げる。感染の疑いがなければ、人混みを避けて近隣の散歩、家の中でも歩いて用事をするなど、活動的に過ごす工夫も。

※女性セブン2020年4月9日号

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