現地時間で今月15日、バチカン市国の教理省は、カトリック教会の聖職者は同性婚を祝福することができるのかという問いについて、新しい法令を発表。「神は罪を祝福することができない」という理由で、同性愛者同士の結婚を容認することができないとした。
カトリック教会では、「結婚は、新しい命を作り出すという目的の下で結ばれる、男性と女性による生涯の組合」だと教えているため、同性同士の結婚は結婚とは言えない、というのがバチカン市国の主張だ。
しかしその一方で、ここ数年、ローマ教皇のフランシスコは、同性カップルには敬意と尊厳をもって接するようにと人々に対し説いているほか、同性愛者たちの人権を支援し、同性カップルの法的保護を設けるなど、今回の発表とは180度異なる言動を続けてきた。おそらくは、同性同士の恋愛はサポートしても、結婚となると話は違う、ということなのだろうが、世界的シンガーのエルトン・ジョンは、この“どっちつかず”なバチカン市国の態度にしびれを切らしている。
エルトンは、実質的な同性愛者のセックスや恋愛について書かれている自身の伝記映画『ロケットマン』に、カトリック教会が少なくとも100万ユーロを投資したと伝えている報道の内容を引き合いに出し、ツイッター上で次のように不満を漏らした。
「“同性愛は罪だから”という理由で同性婚を認めないなんて、バチカン市国はどうなってるんだ?それなのに、『ロケットマン』への何百万ユーロという投資で利益を生んだと?あの映画は、デイヴィッドとの結婚を通して僕が幸せを手にすることを祝福した作品なのに?#偽善」
How can the Vatican refuse to bless gay marriages because they “are sin”, yet happily make a profit from investing millions in “Rocketman” - a film which celebrates my finding happiness from my marriage to David?? #hypocrisy@VaticanNews @Pontifex pic.twitter.com/sURtrWB6Nd
— Elton John (@eltonofficial) March 15, 2021
この中でエルトンが触れている、「バチカン市国が『ロケットマン』への何百万ユーロというお金を投資した」という話は、2019年12月にイタリアの地元紙「Corriere della Sera」が最初に報道した。
この報道が事実なのかどうかは定かでおらず、エルトンの広報担当は今週月曜日、「バチカン市国による投資の話は、Financial Timesを含む信憑性の高いいくつもの報道機関によって伝えられています。今のところ、我々はこれ以上コメントをすることができません」と、Newsweekに対しコメントを発表している。
Corriere della Seraのレポートでは、バチカン市国は映画『ロケットマン』に約100万ユーロ(約1億3千万円)の投資、また『メン・イン・ブラック:インターナショナル』』に約330万ユーロ(約4億2千万円)の投資を行ったとされている。さらに、これらの投資はマルタ共和国の「Centurion Global Fund」に結び付けられており、このファンドは7,000万ユーロ以上にのぼった結果、バチカン国務省から資金の少なくとも3分の2を受け取ったといわれている。
MTV NEWS