2019年8月に大規模なワールドツアー「÷ Tour」が終わりを迎えたことを機に、長期休暇に入ることを発表し、一切の音楽活動を休止したエド・シーラン。今年に入り、最新曲「Bad Habits」を携えてカムバックを果たした彼が、活動休止をしていた2年間の過ごし方について語った。
アメリカのラジオ局「SiriusXM」のインタビューに応えたエドは、活動休止期間中の心境の変化について、こう話を聞かせてくれた。
「「÷ Tour」を終えて、アルバム『÷』自体も2200万枚を売り上げた。それまでリリースしてきたアルバムの中でも、一番の売り上げだった。ツアーも大々的に告知されて、歴代で最も規模の大きいツアーだった。チケットは、販売開始からわずか19秒で完売した」
「ツアーの最終日を(イングランドの)イプスウィッチで迎えてステージから降りた時に、こう思ったんだ、“僕はまだ28歳なのに、これからどうすればいいんだろう”って。この夢をずーっと追いかけ続けてきて、ついに叶えてしまったから」
「活動を止めていた1年くらい、僕はずっと自分が誰なのかを探し続けていた。しばらくの間音楽活動も止めてしまったからね。でも、音楽は完全に“僕自身”だったから。それから娘が生まれた。その時に、“これだ、これこそ僕だ。僕は父親になればいい、音楽はもうやらない”って思ったんだよ」
「だけど音楽を止めてから、とても悲しい気持ちになった。目的なく人生を生きているような感覚に陥ったんだ。そしてある時ふと、“仕事に価値を見出している親”という姿を娘に見せることが大切なんじゃないかと思った。パパとママは働くことが大好きで、何かを作り出したり仕事を楽しんでこなしているんだってね。無職の父親の姿を見せるよりはその方がずっといいと思ったんだ」
それから、徐々に音楽活動を再開させたというエド。長年のコラボレーターであるジョニー・マクデイド(「Shape of You」)とFRED(『No.6 Collaborations Project』)と再びタッグを組み、最新曲「Bad Habit」を今年の6月にリリースしたのだった。
「だけど、結構長いこと何をすればいいのか悩んでたんだ。何に対しても方向性が定まってなかった。ミュージシャンとしての成功は、アルバムのセールスやチケットの売り上げを基準に判断されるべきではないと思ってる。だって僕の中では、自分が書いてきた曲の中でどの曲が良い曲だったかという点を判断基準にしてるから。でも、周りの人たちから期待を寄せられるんだ」
「家族の中にも、“次のアルバムはもっと売れる作品にしないとね”と言う人がいる。僕に協力したいという気持ちからそういう発言をするんだってことは僕も分かってるんだけど、別に売れるアルバムにする必要はないのかもって思うんだ。“単なるアルバム”を作って、キャリア自体も波があっていいと思う。ずっと上がり続けるよりもね」
MTV NEWS