ある日、私は帰宅してきた長女の様子がおかしいことに気がつきました。
険しい顔で黙り込んでいた長女。私が声をかけるといきなり泣き出しました。少しずつ落ち着かせながら事情を聞き出してみると……。
長女が職員室に行くと、そこには数人の先生方が集まっていたそうです。なかでも学年主任の先生から激しい口調で責められたとのこと。その内容は長女には全く身に覚えのないことでした。
長女「たぶん家にも電話がかかってくると思う」
私「そっか……わかった」
長女はおとなしくて優しく、困っている子を放っておけない性格です。自分よりも年下の子を殴るなんてありえません。
そして話のなかに「Sさん」という言葉が出てきたことで、私には「苦い思い出」が蘇ってきたのです。
※全5話