フラッグシップにして王道。
オフショアジギングシーンにおいて不動の人気を誇るシマノの名機「オシアジガー」。
人気たる所以はその「剛性」、「軽やかな巻き感」、「パワー」。
中でも1500~2000番台は近海ジギングで使い切れる人気のサイズ。
そこに「スピード」という選択肢が追加されるという。これはシマノからの新しい提案なのではないでしょうか。
「XG(エクストラハイギア)」と「MG(ミディアムギア)」仕様が追加
1500XG/2000NRMG/2000NRXGは2021年7月登場予定
1501XG/2001NRMG/2001NRXGは2021年10月登場予定
マイクロモジュールギア、インフィニティドライブなどの最新機構はそのままに、新たに追加される1500番台と2000番台の計6機種。
これまでオシアジガー1500・2000番台といえば、「PG(パワーギア)」or「HG(ハイギア)」の2択。
そこに「MG(ミディアムギア)」と「XG(エクストラハイギア)」という選択肢が増えるという。
これによりギア比は「PG→MG→HG→XG」の4タイプに。
スピードの選択肢が7段階に
既存アイテムを含む7モデルをギア比、最大巻上長でわけた表がこちら。
1500XG、1501XGは小型ながら、2000NRHGでしか出せなかった最大巻上長をマーク。また2000NRXG、2001NRXGはSWスピニングの14000XGに匹敵する132cmの最大巻上長。スプールのライン残量が減った状態でも高速巻き上げをキープすることが可能に。
さらに2000番に登場した「MG」はHGとPGの中間を埋めるギア比の設定。潮流の速さなどでワンピッチのストロークを合わせにくかった状況に対応。
1500番3種(XG、HG、PG)、2000番4種(XG、HG、MG、PG)の巻き上げスピードを使い分けることで、あらゆる状況に対応できるように。
スピードを使い分けることで、これまで以上に狙いの釣りを細かく展開していける
と言うのは、シマノインストラクター鈴木斉氏。
個人的に、最も注目しているアイテムはオシアジガー2000NRXG。7.0:1とかなりギア比が高く、ステラSW14000XGとほぼ同等のスピードを実現しています。この高速スピードによる恩恵は多いですよ。たとえばスパンカーを立てて根周りをバーチカルに流す場合、垂直にジグをシャクリ上げてくる釣り方が前提になります。このときにロングジグを使う場合、ジグを横方向にスライドさせるためには、立ち上がりの初速のスピードが必要になります。オシアジガー2000NRXGなら、このジグを横方向に飛ばすためのスピードを楽に生み出せます。また、なかなか喰ってきてくれないとき、オシアジガー2000NRXGのスピードなら、速巻きに速度変化を織り交ぜることで、リアクションで喰わせることが可能です。変則的な動きをスピードで演出するという、これまではスピニングリールでなければやりにくかった釣り方が、2000NRXGであれば十分に可能になります。
2000NRMGはドテラ流しをすることが多いエリアや船で使いやすいと思います。PGでは巻き上げが遅くジグを動かしきれない。でも、HGでは抵抗感が大きくてシャクリづらい、ジグを動かしにくい、というようなケースで使いやすいと思いますね。ジグをしっかり横方向に飛ばしながらも楽にシャクれますからね。
1500XGも活躍の場は多いと思います。いままでは1500番クラスでは巻き上げスピードが足りず、2000番クラスのリールでなければ、ロングジグを操りにくい状況が多かった。これが1500番クラスで可能になったわけです。軽量、小型なので操作性は向上するし、疲れにくい。とてもコンパクトで力強いので、近海のブリ、ヒラマサ狙いでは活躍する場面は多いと思いますよ。
7つのギア比、つまりスピードを使い分けることで、魚に出会うチャンスがいままで以上に増えると思います
魚に出会うチャンスが増えるというのは、同シマノインストラクターの山本啓人氏。
2000NRMGは、今後の近海ジギングの定番的なギア比になっていくものと期待しています。水深100mより浅いポイントを釣るとき、HGだと少し巻き上げが速すぎると思うことがよくありました。100mより深いポイントを攻めるときはいい感じでも、浅いとジグが回転してしまう。これは凄い違和感だし、釣果にも結びつかない。HGより少しギア比を下げたMGなら快適に釣りが出来ます。近海ジギングではオールマイティに活躍するギア比だと思います。
2000NRXGはずっと欲しいと思っていたギア比設定です。どうしても魚が口を使ってくれないとき、高速スピードがバイトを引き出すための、ひとつの手段になると思うからです。最大巻上長は132cm。SWスピニングの14000XGと同等の巻き上げスピードです。凄いですよね。これからの時代の新たなジギングのスピードになってくると思います。深場のスローの釣りにも頼もしい存在になると思います。水深が深くなるとラインが放出されることでラインを巻いたスプールの径が細くなります。結果、どうしてもハンドル一回転のラインの巻き上げ量が少なくなってしまう。これではジグを横方向に飛ばしにくく、意図したジグアクションを出しにくい。XGモデルなら深場スローの釣りを2000番サイズで展開できるようになります。疲れにくく、ライトに楽しめることは大きな利点になると思いますよ。
ここにも注目
●ハンドルノブはFカスタム仕様
ハンドルノブは19オシアジガーFカスタムに搭載されている大きすぎず、小さすぎない軽量T型ハンドルノブを採用。
2000番では約15g軽量化されているのもポイント。
●スプールの互換性
付属のレンチを使えばカンタンにスプールの交換が可能。
スプールはPG・MG・HGは互換性があり、XGのみ仕様が違うためか互換性はなし。
乗合船などに乗ると「なぜかあの人だけ釣れる」そんな状況に出くわす場面は少なくありません。
使用しているジグやカラーはもちろんのこと、タックルバランス、魚に合ったスピード(アクション)が演出できているかも重要のファクター。
ジギングに新たな選択肢を。