メバリングにおいて尺(30cm)といえば、アングラーの目標とするサイズであり、そう容易く釣れるものではない。
ましてや狙って獲るとなるの、そのハードルはさらに高いもの。
「デカいメバル、可能であれば30cmを釣っていただきたい」
そんな編集部のムチャな依頼をレオン加来匠さんは二つ返事で了承! そしてなんと、ロケでは、フツーではありえない尺アップのメバルを3尾ゲットしてくれたのでした!
レオンさんが当日見せてくれたのが、3尾の尺メバル捕獲のメインメソッド「ボトムワインド」だったんです。
というわけで、今回はそのボトムワインドについて、ロケ時のことも振り返りつつ、解説していただきました! ぜひチェックしてみてくださいね!
●尺上メバル捕獲の究極メソッド「ボトムワインド」を解説
【本文・解説=レオン加来 匠】
ボトムワインドとは何ぞや?
最初に申しあげたいのは、「ボトムワインドとは何ぞや?」です。
実は、一般的なメバリングにおけるワインドゲームと、僕がいうところのボトムワインドには、その認識(使うリグや釣るロケーション)において、実は大きな隔たりがあるのです。
もっとも分かりやすいのが飛距離と水深です。
具体的には瀬戸内の海峡部など一定以上の水深がある場所へ突きでた堤防から50-80m遠投して、かつ水深が15mも25mもある本流のディープゾーンを撃つ釣り方が「ボトムワインド」です。
したがって使用するジグヘッドも最低で3g、重いモノでは7gや10gまでのヘビーリグを使用するディープゾーンゲームなのです。
僕がこのゲームを覚えたのは岡山県の島嶼部での釣りでした。
海峡部に面した堤防から水深20mオーバーの本流へリグを撃ち込み、ボトム付近から5m程度までをピュンピュンピュンとワインドダートさせたあと、流れに乗せてテンションフォールでドリフトさせると、通常の軽量リグではまず釣れないビッグサイズが釣れることを知ったのです。
しかし、この時点ではワインドジグヘッドである尺ヘッドDには3gまでのラインナップしかなく、潮が走りだすと釣りになりませんでした。
そこで急ぎジャズさんにオーダーして、4gと5gを追加してもらい、同時にブリーデンさんへロッド(PEスペシャル)の企画を持ち込んだのです。
その後、専用タックルを携え全国各地でディープ攻略で実績をあげるとともに、さらに重いクラスが必要であるとの認識にいたり、最終的に7gと10gまでラインナップしてもらったのです。
尺メバル3連発を達成したロケのお話
ともあれ、今回のロケは潮流がさほど速くないエリアでしたが、水深は約15mで底質は荒い岩盤帯でした。
明るいうちにボトムチェックのためにフックを外した10gメタルジグを80mほど沖合まで遠投してみましたが、かなり広範囲に岩盤底が広がっており、まさしくボトムワインドにうってつけのロケーションです。
陽が落ちきってから4-5gの尺ヘッドDに連発!ヒットゾーンは岸から約30-40mのボトム付近でした
そこで、夕マヅメから3gの尺ヘッドDから投入してみましたが、ファーストブレイクまで届いていなかったのかほとんどメバルらしいバイトは訪れず、結局、陽が落ちきってから4-5gの尺ヘッドDに連発したのです。
ヒットゾーンは岸から約30-40mのボトム付近でした。
つまりスタンダードな1-2gの軽量リグでは距離的にも水深的にも撃てないディスタンスに尺メバルが付いていたようです。
こういう条件下でヒットゾーンへ何を撃ち込み、どう釣ればバイトを得られるのか?
大まかにはハイスピードの強い釣りで食うのか、どスローなフィネスでなければ食わないのかの2択なのですが、僕の経験ではメバルは思うよりずっとアクティブで攻撃的なモードのことが多い魚です。
したがって、最近の戦略としてはいきなりフィネスな釣りから入るのは間違いだとすら思っています。
まずは強い釣りからはじめて、それで食わなければフィネスで。それでも食わなければサイズダウンで、というスタンスなのです。
レオン流ボトムワインドのリグ解説! ジグヘッドは尺ヘッドDXマイクロバーブDタイプ【ジャズ】
ディープポイントで使用するワインドジグヘッドは基本的に4g、5g、7g、10gの4種です。
キレのよい大きなスライド幅のワインドアクションはセットするワームを選ばず、他に比肩するモノがないほどです。
尺ヘッドDは5gまではフックサイズが共通で、メバルジグヘッドとしてレギュラーなサイズですが、7gと10gはヘッドも大きくメバル用としてはかなり大きなフックが付いています。
このため、メバルに使うことを躊ちょされる方が多いのですが、エビの頭部の大きさと比較しても実際の使用では何ら問題はありません。
この釣りでは普通サイズのメバルでも難なく食ってきます。
何より理解していただきたいのは、ヘビージグヘッドの沈下スピードです。
メバルを釣るのに遅い方が釣れる気がするでしょうが、実際には速いフォールスピードの方がリアクションでスイッチが入ることが多いので、ゼヒ恐れずに使ってみてください
レオン流ボトムワインドのリグ解説! ワームはシュラッグミノー1.5inchとスライダーシャッド1.5inch
ボトムワインドにおけるワームは、僕がまさしくボトムワインドゲーム用にデザインした、シュラッグミノーとスライダーシャッドです。
シュラッグミノーはダートの慣性を殺すためのブレーキとなる腕とテールが付いており、スライダーシャッドは逆にダートの終息を伸ばすため水抵抗の少ないデザインとなっています。
両者の使い分けはベイトの種類によって様々ですので、決めつけずに双方を使用し反応がよい方をその日のメインにすることをオススメします。
気をつけてほしいのはセット方法です。
どちらのワームも通常のリトリーブゲームでは平らな面を上にしますが、ワインドゲームでは逆に平らな面を下にしてセットします。
そして、フック軸にとにかくまっすぐに刺すこと。急いでセットせずに少しずつ慎重に針先を差し込んでいけば、まっすぐにセットできます
パワーベイトSW シュラッグミノー1.5inch
パワーベイトSW スライダーシャッド1.5inch
レオン流ボトムワインドのリグ解説! リグり方のキモ
●ワームは上下逆付けが基本!
シュラッグミノーとスライダーシャッドをジグヘッドにセットする場合、一般的なメバリングではワームの平面が上を向くようにセットするが、ボトムワインドでは写真のように平面を下にしてセットする。
こうすることで、ジグヘッドの飛びを抑制しつつキレのよいワインドアクションを生むことができます!
さて、ボトムワインドの概略が少しでも伝わったでしょうか?
確かにかつてメバリングは1-2gのジグヘッドにワームをスローリトリーブして釣ることが王道とされてきましたし、僕自身もそういった方法で数々の実績をあげてきました。
しかし、我々アングラーが想像さえしなかったこと(釣り方)が実際のフィールドには未だ多く眠っているのです。
その壁を打ち破る方法の1つが、今回のヘビージグヘッドでのボトムワインドです。
大型メバルを手にするにはいくつかのロケーションやいくつかの方法がありますが、もっと遠くへ、もっと深くへ、もっと大きく、もっと速く、という考え方もとても有効なのです。