新型コロナウイルス対策のため政府が緊急事態を宣言してから半月が過ぎ、それまでの生活とは一変した方も多いはず。テレワークや休校によって、いつも以上に家事の負担も増え、ストレスを感じている方もいらっしゃるでしょう。終息の予測がつかない現状では、将来に不安を感じることもあると思います。
そんな落ち着かない日々を乗り越えるために、仏教の考え方を学び、心を穏やかに保ちませんか。
『これだけは知っておきたい 図解 はじめての仏教』(長田幸康/KADOKAWA)では、お釈迦さまの生涯から仏教の考え方、独自の進化を遂げた日本仏教の歴史、現代葬や墓じまいなど現代に即した仏事雑学までを網羅しています。
今回はこの本のなかから、心の平穏を取り戻すための「座禅」についてご紹介します。
■「座禅」ってどんなもの?
お釈迦さまは菩提樹(ぼだいじゅ)のもとで座禅によって悟りを開きました。静かに座って呼吸を整え、心と身体をひとつにする座禅は、インドに伝わるヨーガの修行に由来します。
座禅にはさまざまな作法がありますが、お釈迦さまのように結跏趺坐(けっかふざ)と呼ばれる座り方が基本とされています。
■「座禅」って、どうやるの?
両足の足の裏を上に向けて足を組み、ひざが浮かないように座ります。
目は閉じずに視線を落とし、腹式呼吸で呼吸を整えましょう。このとき数を数える方法もあります。
座禅のあいだは、雑念がわいてきても押しのけることはしません。しかし自ら追いかけることもしないのです。静かな環境で心をしずめていると、まわりの空気と一体になるような感覚を味わうことができるはず。
■「座禅」で得られるものって?
座禅によって体感できる感覚は言葉を超え、本を読んだり話を聞いたりするだけでは得られない、深い体験をもたらしてくれます。理屈ではなく体験するのが一番です。
なお、瞑想(メディテーション)は広い意味で心を整える行ないであり、心の整った状態をも指します。悟りの境地に至るための仏教的な瞑想が座禅と言えるのです。
さらに近年、欧米を中心に、瞑想を行なう「マインドフルネス」という心のトレーニング法が注目されています。瞑想によってストレスが低減され、集中力が上がり、創造力が高まるとされているのです。日常や社会生活に活かすため、科学的にマニュアル化された瞑想がマインドフルネスと言えるでしょう。
慌ただしい日常のなかで、ほんのひとときでもかまいません。「座禅」で心をしずめ、穏やかな気持ちを保ってみてはいかがでしょう。