デザイン、機能、付け心地……腕時計を選ぶ基準は、人によって実に様々です。
そこで気になるのが、お洒落の達人の時計セレクト。
数々の高級時計をコクレションするAK-69さんの一番のお気に入りは、工芸品的な輝きを放つ、オーデマ ピゲのレアモデルでした。
「派手すぎず、だけど圧倒的な重厚感を意識して」
車フリークであることはすでに知られているAK-69さん。
実は本格時計の愛好家でもあるのです。
ヒップホップシーンにおいて、時計はひとつのアクセサリーとして一定の人気を持つアイテム。
しかしAK-69さんはド派手な宝飾系ではなく、歴史とデザイン性を兼備する本格ブランドからチョイスしています。
「当時、自分の回りではジェイコブやアイステックなどの時計が人気を集めていました。
個人的には他人と被らない時計が欲しかったので、色々と探してオーデマ ピゲにたどりつきました。
Jay-Z(世界の頂点に立つラッパー)が付けていたことによる憧れもありましたが、筋の通ったブランドの歴史を持つところも惹かれた理由です」
いくつかのオーデマ ピゲをすでに手に入れていたAK-69さんですが、どうしても欲しいと思った一本に出会います。
それこそが今回ご紹介いただいたロイヤル オーク・フロステッドゴールド キャロリーナ・ブッチです。
「キャロリーナ・ブッチは屈指の技術を持つイタリアのジュエリーデザイナー。
彼女のシグネチャーでもある鍛金技法を駆使したゴールドのベゼルやブレスレットがポイントです。
貴石などをプラスしたデザインとは異なり、ダイヤモンドダストのようなゴールドの輝きは華やかかつ繊細。
しかもこの一本は、ブルーのタペストリー文字盤を備えたYOSHIDA(オーデマ ピゲの販売において世界トップクラスを誇る正規販売店)のスペシャル・エディション。
ベストなタイミングでショップを訪れたこともあって、運良く手に入れることができました」
そんなスペシャル時計と合わせるのが、自身のアルバムをリリースするごとにオーダーするアバランチのジュエリーです。
「直近で手に入れたのがこのゴールドネックレス。“THE ANTHEM”をリリースした区切りとして、オーダーメイドで作りました。
こちらのブレスレットはパヴェダイヤが散りばめられたデザインで、キャロリーナ・ブッチモデルと手触りがマッチするのでよくコーディネートしています」
そして、ラグジュアリーな時計にディオールのウエアを合わせるのが、最近のAKさんスタイル。
「僕自身もアパレルブランドを手掛けていますが、こういったハイブランドのアイテムは本当に着心地が素晴らしい。
シルエットがクリーンでありながら窮屈感はなく、素材使いもやっぱりストリートのソレとは段違い。最近はもっぱら日常でもディオールを着ています」
本格時計フリークでもあるAKさん。
愛用のエルメス製ワインダー・ボックスには、数あるコレクションの一部が収められています。
オーデマ ピゲをはじめウブロやユリス・ナルダンなど実にゴージャス!
■ AK-69
1978年、愛知県生まれ。10代の頃にHP HOPに出会いマイクを握る。数々の受賞を経て2016年に伝説の米国レーベル「Def Jam Recordings」と契約。NYでもライブを行い、武道館公演でも満員を動員するなど、本邦においてHP HOPドリームを体現した数少ないアーティスト。
写真/大森直(TABLEROCK) ヘアメイク/TAICHI YONEO(TUNE) 取材・文/長谷川 剛(04)