サンボマスターの山口隆さんがゲストに登場した、8月11日(土)オンエアのJ-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。少年時代のお話や、音楽との出会いなどを伺いました。
■幼少期は「無駄口ばっかたたいてたんですよ」
福島県・会津若松出身の山口さん。その明るいキャラクターからか、幼少期は周囲の大人に「しゃべりすぎるんじゃない!」と言われていたそうです。
クリス:山口君は福島・会津若松出身。どんな少年でした?
山口:もうとにかく親、そして周りの方から言われたのは、「口から先に生まれた」っていうのと、「ヘラヘラすんな!」ね。「男たるものしゃべりすぎるんじゃない!」みたいな気風がちょっとまだあったんですね。
クリス:なるほど、「無駄口たたくな!」みたいな。
山口:無駄口ばっかたたいてたんですよ、僕。
クリス:だって、よくしゃべるもんね(笑)。
山口:めちゃめちゃよくしゃべるんですよ。対バンなんか行っても、だいだい僕、みんなに話しかけちゃうから、みんな黙っちゃったりなんかして(笑)。
クリス:だってサンボマスター来るとき、いつも3人来てるのに、1人しかしゃべってないっていう。そういう印象がすごい強くて。
山口:近藤や木内も全然しゃべるんだけど、特に5年ぐらい前なんか、すごいしゃべりたい時期だったから、ずっとしゃべっちゃって(笑)。
■最初はジャズ? 山口さんと音楽との出会い
そんな明るいキャラクターのままに少年時代を過ごしたという山口さん。音楽との出会いは、ジャズ好きのお父さんの存在が大きかったようです。
クリス:音楽に目覚めはいつぐらいなんですか?
山口:音楽はね、あれなんですよ。実はうちの父親がジャズがすごい好きで。オーディオが大好きな。
クリス:すごいセットが? 家には結構デッカい?
山口:そうなんです、そうなんです。だから子供心に、アキュフェーズ、タンノイ、あとJBL……とか、なんかそういうのを、子ども心に名前だけ知ってて。
クリス:へー。そりゃすごい。
山口:すごいデカいの置いてて。父親は教師だったんですけど、学校の関係者みたいな方が来ると、ジャズ流して、僕もそこにいてっていうんで、音楽の最初はたぶんそこだったと思いますね。
クリス:すごいいい環境。
山口:そうですね。最初は何が鳴ってるのかわからないですけど、うちの父親が好きなのは、オスカー・ピーターソン。あと、エディ・ダニエルズとかも好きだったな。日本人だと北村英治さんとか。そういうジャズ、とにかくメロウで華麗な人が好きだったみたいですね、うちの父親は。
■ロックに目覚めた中学時代
ジャズ好きのお父さんの影響で、いい音楽環境に恵まれていたという山口さん。その後、中学生になった頃からは、ロックに目覚めました。
クリス:……でも、小さい頃からいい音響環境というか。いい音で音楽聴けたっていう。
山口:そうですね、今思えばそうです。あのときは別にまさか自分が音楽やるなんて思ってませんでしたから。なんか、アメリカの窓じゃないですけど、僕は北会津村っていうところじゃないですか。だけど、主にお客さんって土曜日なんかにいらっしゃるでしょ? そうすると、家の洋間にステレオがあって、アメリカの音楽が流れてきて。そのアメリカの音楽のお客さんが来る前には、『特攻野郎Aチーム』とか、『冒険野郎マクガイバー』とかがずっと流れて、観たあとのアメリカの音楽のジャズだったから。なんかその、自分は会津若松市、でもその当時は北会津村っていうところにいるんだけど、あたかもアメリカにいるがのごとくの。
クリス:テレビはアメリカの番組、それが終わったらアメリカの音楽がかかってるっていう。
山口:そうなんです。
クリス:そうか、「アイズ、ワカマーツ!」みたいな感じになってるわけですよね。
山口:そうそうそう(笑)。それが自分にとってはワクワクする時間でしたね。
クリス:そっかー、でもいい環境だよね。だから音楽に自然に傾倒していったっていうか。
山口:そうですそうです、だからやっぱり父親の部屋に入ると、昔の…あの当時、VHS・ベータってあるじゃないですか。
クリス:はいはい。
山口:うちの父親は「ベータの方がいい」って言って。ベータ派だったんです。『バス停留所』とか、『ウィンチェスター銃'73』とかの西部劇がズラーっと並んで。『エル・ドラド』とか、ジョン・ウェインがいる、ああいうのを子ども心に見るわけですよね。そういうのが全部自分の中にあるのは間違いないですね。
クリス:そうかそうか。だからサンボの曲は当然、日本語で歌っているけども、グルーヴ感は洋楽だもんね。
山口:もうやっぱ大好きで、ああいう音楽が。その元はやっぱ父親から聞かしてもらったジャズなのかな? って。自分で今から思うとね、思ってますけどね。
クリス:お父さんは喜んでくれました? デビューとか。音楽は好きだけど、教師だから。
山口:そうなんです。だからうちの田舎だと、あの当時、まだ「ギターを持つ」=「不良」っていうのがまだあって。僕、中学校になってくると、イギー・ポップ&ストゥージズとか、わかんないながらも曲のタイトルとか調べるわけですよね。「『サーチ&デストロイ』ってどういうことだ?」って思うと「探し出してぶっこわす」って書いてあって。
クリス:そうそう。『サーチ&デストロイ』、あれはベトナムの軍事用語なんですよ。
山口:あ、そうなんですね! 僕はもう「デストロイ」っていう言葉がやっぱり衝撃的で、ダムドの1st『Damned, Damned, Damned』。少年で暇だから、ちっちゃい文字まで全部探すんですよね。そしたらドラマーのメッセージの、自分の趣味だったか、アティチュードだったかに、「すべてをぶち壊すこと」「なんとかデストロイ、オール」みたいに書いてあって、「そんなことなんだ!?」って。『サーチ&デストロイ』を聴いたあとの夜中、それこそカエルがゲコゲコ鳴ってるような農道をですね、ウォークマンをつけて、自転車でワーッって爆走するっていうか。
クリス:おうちではかけられなかったんだ?
山口:自分の部屋では大丈夫(笑)。
クリス:でも、お父さんのすげえ音響システムでは……。
山口:絶対! 絶対、ノーですね。
■新曲『輝きだして走ってく』をリリース
サンボマスターの最新作『輝きだして走ってく』が生まれた背景には、ある女子高生たちとの出会いが大きく関係していました。
クリス:これはタイアップっていうか、書き下ろしなの?
山口:そうです。TBS系の金曜ドラマ『チア☆ダン』で使ってもらっていて。それがあの、福井県に、ホントに女子高生がチアダンスをやってるチームがあるんですよ。JETSってういう。そこのチームの皆さんが、僕らの『できっこないを やらなくちゃ』をずっと使っていただいていて。全米の選手権で7連覇とかするすごいチームのみなさんで、そういうのもあって、TBSでさんまさんの番組で共演させて頂いたんですね、正月に。それがキッカケで、この『チア☆ダン』でも使って頂けるっていうことになった曲なんです。
11月にはツアー『サンボマスターワンマンツアー2018~輝きだして走ってく~』がスタートするサンボマスター。活躍に注目です!
「サンボ・山口、ロックを聴いて…田舎道を爆走!」音声版(radiko.jpタイムフリー)