突然だが、こちらの写真をご覧いただきたい。
大きなポリ袋いっぱいに入った、立派なキャベツ。一袋につき、少なくとも10玉以上は入っている。
これがなんと、1袋500円。そして、2袋では600円。めちゃくちゃな値段設定だ。
この写真は、2020年12月13日にツイッターに投稿されたもの。農林水産省の食品価格動向調査では、7日から13日のキャベツの価格(全国平均)は、1キロ112円。ちなみに、スーパーで販売されているキャベツはだいたい、1玉で1キロくらいのものらしい。
写真のキャベツがいかに安いか、日ごろキャベツを買わない人にも、一目瞭然だろう。
写真を投稿したツイッターユーザーのmoyashi(@hitoriblog)さんによると、この大袋入りキャベツが販売されていたのは、群馬・北軽井沢にある農園の直売所。
なぜ、この直売所ではこんなにも安く、大量のキャベツを販売しているのだろう。
moyashiさんのツイートには
「すげーな久米島なんてキャベツ1個300円だぜ」「キャベツの単位で袋って」
など、驚きの声が寄せられている。
Jタウンネット編集部は23日、直売所を運営する「久保グループGUMMA」を取材した。
200袋以上売れた「キャベツ大袋」
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売所の店長である根岸健太さんを通して、社長の久保治さんに話を聞いたところ、久保グループGUMMAは農園で高原野菜を中心に生産し、北軽井沢の直売所などで販売している。
直売所から10分ほどの場所に農園があるため、仲介を挟まず、安価で新鮮な野菜を販売できるのだそうだ。
その新鮮さというのは、まさに「とれたて」の状態。足りなくなれば畑で収穫してきて、売り場に並べている。
その安くて新鮮な野菜が、さらにお得になるのが、「大安売り」の日だ。
17年11月、直売所の利用客に日ごろの感謝を伝えるために「感謝祭」を行って以来、これまで30回ほどの大売り出しを行っている。20年は、夏季以外は1か月に2回ほどのペースで大売り出しを開催している。その安さから地元ではよく知られた店で、12月12~14日に行われた今年16回目の「大売り出し」にも多くの地元住民が訪れた。キャベツなど重たい商品が多いので、やはり車で来る人が多く、駐車場がいっぱいになったそう。
雑すぎない? pic.twitter.com/3ymvvz3b63
— moyashi (@hitoriblog) December 13, 2020
ツイッターで注目を集めたキャベツの大袋は、45リットルのポリ袋に15~16玉のキャベツを詰めたもの。
直売所の根岸店長によると、12~14日の大売り出しでは数えきれないくらいのキャベツを袋に詰め、訪れた人たちにも大好評だったという。200~300袋、あるいはそれ以上が売れたという。
大売り出しでは大袋だけでなく、単品のキャベツも販売されていた。
1玉でも2玉でも3玉でも100円。こちらもめちゃくちゃな価格設定だ。
4~6玉買うと200円、7~9玉なら300円...となるらしい。15玉買うと500円なので、大袋の値段と同じくらいになる。
他にも小松菜、かき菜、大根、長ネギ...など、久保グループGUMMAの農園で作られた野菜がかなりお得に販売されていた。
ちなみに、大売り出し以外の日は、キャベツはいつでも同じ価格だという。これは歴代社長のこだわりで、30~40年前から変わらないのだそう。
「野菜って、相場がすごく高い時もあるじゃないですか。キャベツ1玉200円とか300円とか。うちでは社長のこだわりで、ずっと昔から1玉100円。これは変えずにずっとやってきたそうです。まあ、もしかしたら相場が100円より安いときもあるかもしれないんですが、それでもうちでは100円で売っています。大袋も、夏場は大売り出しでなくても結構頻繁に、1袋500円で販売しています」
野菜は年によって価格の変動が大きい。スーパーで値札を見て一喜一憂したことがある人もいるだろう。
でも、この直売所にくれば、いつだってキャベツは1玉100円。
野菜が高い時にはうれしくてたまらない、安心感が抜群の直売所だ。