J1リーグ再開まで20日を切った。対戦カードも決まり、周囲の期待感が増すなかで、ベルマーレは2度目のプレシーズンのごとく粛々と自分たちの戦いを磨いている。
プレシーズンと言えば、開幕前から昨季以前とは異なる風格を漂わせている選手がいる。DF坂圭祐だ。ゲーム中の的確な指示や声かけなど、その統率力は頼もしい。
「3年目ですしね」
にじみ出るリーダーシップについて、静かに口を開く。
「去年からだいぶメンバーが変わり、いままでの湘南のサッカーを知らない選手が多いなかで、僕や(岡本)拓也くんがチームの土台の部分を伝えていかなければいけない。これまでの自分たちのよさを継続しながら、敏さん(浮嶋敏監督)のもとで上積みをしていけば、もっといいチームになると思うので」
伝える、とひとくちに言っても、よくないプレーに対して単に指摘したり叱咤したりと仲間に要求するばかりではない。「気持ちは分かる、分かるよ」と言葉を添えるなど、こまやかな心配りが随所に散りばめられている。
相手に先んじて動き出し、球際に気持ちを込めて攻守に駆ける。ピッチに日々全力を傾け培ってきた「湘南スタイル」を変わらずに紡ぐべく、背番号4は後方からチームを支えている。
■坂圭祐(さか・けいすけ)
三重県四日市市出身、25歳、DF。自主トレ期間中は、「毎日欠かさずやることを意識しました」。
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