菅義偉首相(71)の著作「政治家の覚悟」の改訂版が10月20日に発売された。しかし、「政府があらゆる記録を克明に残すのは当然」との記述があった章などを削除しており、その改訂を疑問視する声が上がっている。
各メディアによると、12年3月に刊行された同著で菅首相は旧民主党政権が東日本大震災時に議事録を残していなかったことを批判。「政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で、議事録は最も基本的な資料です。その作成を怠ったことは国民への背信行為」などと記述していたが、改訂版では削除されているという。
菅首相は、同年1月にも同様の内容をブログにつづっている。「議事録も作成しない『誤った政治主導』」というタイトルの記事で、単行本同様に旧民主党政権を批判。そして「東日本大震災に対応するために立ち上げた多くの会議で議事録が作られていないというずさんな実態が、次々と明らかになりました」とし、こうつづっている。
「公文書の作成は、政党の主義主張とは全く関係のない、国家運営の基本です」
「民主党政権のが自らの失敗を隠そうとしたと疑われるのは当然です」(原文ママ)
「政策決定過程の多くは非公開で議事録も作成されず、『密室政治』となっています」
先ごろの安倍政権下では、“国民への背信行為”が続いていた。コロナウイルス対策での専門家会議の議事録を作成していないことが判明し、さらにモリカケ問題や「桜を見る会」を筆頭に公文書の改ざんや廃棄までも発覚している。
そんななかで今年1月、官房長官だった菅首相は公文書のずさんな運用について「担当者の対応意識が少なかったのではないか」と発言している。
かつては、公文書管理の重要性を説いていた菅首相だったがーー。ネットでは、厳しい声が上がっている。
《自著さえも削除改ざんしてるの草》
《自分が主張したことですら責任を取れない》
《自分の歴史まで改ざんするとは……》
《自著でも改竄・隠蔽をやるんだな。徹底している》
ブログのタイトルは「意志あれば道あり」。そして、著作のタイトルは「政治家の覚悟」。今回の“改訂”にも、菅首相の意志や覚悟が反映されているのだろうか。