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天皇皇后両陛下は10月1日、小中学校の校長会会長や東京都教育委員会教育長ら4人を赤坂御所に招き、コロナ禍の教育現場について説明を受けられた。
「両陛下は、教職員の精神的、肉体的疲労を心配して『敬意とねぎらいの気持ち』をお伝えになりました。また、子供たち自身が困難な状況の中で学校生活を充実させようと努力していることを心強く思ったと、感想をおっしゃりました」(宮内庁関係者)
懇談は午後5時から1時間ほどの予定だったが、両陛下は予定の倍近い約2時間にわたって話を聞かれた。雅子さまは、子供たちの生活、貧困家庭への対応や児童虐待、心のケアなどについて、熱心に質問をされたという。
長引くコロナ禍は、子供たちの生活にどのような影響を及ぼしているのだろうか。両陛下が'18年5月に訪問された滋賀県米原市の福祉施設「ふくしあ」のセンター長、中村泰之さんに話を聞いた。
「脳や体に障害のある子供たちがリハビリのために通っていましたが、デイサービスの子供たちには利用を控えてもらいました。自宅に伺うことができず、ご家族に電話して様子を聞いたり、お遊びを動画で配信したりするなど、3月から5月までは大変でした。現在も感染防止に細心の注意を払っています」
'02年、'06年と'16年の3度にわたり、雅子さまが訪問された児童養護施設「福音寮」の理事長である飯田政人さんは、
「コロナ禍で日常的にできていたことができなくなりました。子供たちが外に出られなくなってしまい、近所の公園に遊びに行くことすら難しくなりました。施設で親御さんとの面会もできずに電話で話をするだけという時期もありましたので、今でも不安を感じている子供が大勢います」
前出の「ふくしあ」の中村さんは、両陛下のご訪問は施設の職員や利用者にとって大きな励みになったと語る。
「両陛下がこちらにいらしたときには、利用者がたいへんに励まされました。両陛下が直接いらっしゃって、そのご様子が報じられたことで、地域の方々にも施設のことを知ってもらうことができました。そのように周辺の住民の方々の理解が広がったことで、利用者も胸を張って施設に通うことができるようになったと思います。両陛下からとても大きな力をいただいたと感謝しています」
コロナ禍のため施設への訪問は難しい状況だが、天皇皇后両陛下は今回の懇談で、教育現場と子供たちへエールを届けられたのだ。
「女性自身」2020年10月27日号 掲載