(写真:AP/アフロ)
先月、米カリフォルニア州サンディエゴのスターバックスで、マスクの着用を拒否した女性が話題となった。その後の展開を、FOX Newsなど複数の海外メディアが報じている。
同州は、公共の場でマスクを着けることを法律で定めている。アンバー・リン・ジルという名の白人女性は、マスクの非着用を理由にサービスを断られたことを根に持ち、接客したバリスタのレニン・グティエレスさんを名指しで非難。Facebookに写真も掲載し、「みんな見て。マスクをしてないからって注文を拒否したスターバックスのレニンってのはこいつよ。今度は警察を呼んでやる。医療的にマスクを免除する証明書だってあるんだからね」と書き込んだものの批判が殺到し、彼女自身が“さらし者”になった。
不運に見舞われたグティエレスさんにチップを送ろうとクラウドファンディングが立ち上がり、目標の1,000ドル(約10万7千円)を軽々と超える10万ドル(約1,074万円)が寄せられた。グティエレスさんはお礼の動画で、ダンサーになる夢を叶えるための学費として使いたいと公表。応援のコメントも多数寄せられ、大団円……となるはずだった。
自分がFacebookで騒いだおかげでチップが集まったとして、ジルが10万ドルの半分をもらう権利を主張し始めたのだ。
ジルはKGTVのインタビューで「マスクをしていないことで差別を受けて、みんながそれを良しとしていた。この苦痛に報いてもらう権利はある」とコメント。また、マスクを着けられなかった医学的理由があるとも言い張る。
「たくさんあるけど、一つは息切れ、めまい、動悸ね。私は喘息持ちなのよ。ニキビもできるし、いろんなことがマスクのせいで起こっているの」。彼女はカイロプラクティックの施術者が「マスクや顔を覆うものを着用すると呼吸状態が悪化する」と書いた文書を持ち出して、その根拠としている。
ジルは現在、弁護士を雇う費用を捻出するためにクラウドファンディングで寄付を募っている。同時に、「彼女は私の義妹ですが、家から出て行って欲しいのでその訴訟費用を寄付してください」といった便乗と思われるプロジェクトも続々と立ち上がり、ちょっとした騒動になっている。