「フリーになったのは新型コロナウイルスも影響してるんです。30歳の頃から考えてはいたんですけど、グループを卒業してからは舞台を年間8本ベースでこなしてきたので、とにかく時間がなくて。でもコロナ禍で、芸能人生を振り返る機会が生まれたんです。それで、この先のビジョンを考えて『今だ!』って。フリーになった当日は家族と『20年間お疲れ!』って言いながらご飯を食べましたよ(笑)」
こう語るのはモーニング娘。のOG・新垣里沙(31)だ。
01年8月、12歳の時にグループの5期メンバーとして芸能界入りを果たし「Mr.Moonlight~愛のビッグバンド~」や「そうだ!We're ALIVE」などヒット曲を連発。7代目リーダーを務め、12年5月に卒業。10年以上にもわたるグループ活動の後は女優として活動し、18年10月に出演した「アウト×デラックス」(フジテレビ系)では“せっかちぶり”も話題を呼んだ彼女。現在デビュー20周年イヤーの真っ最中だ。
そんな新垣は、8月からフリーとして活動していくことに。そのニュースは各所で話題となり、ネット上でも《今後も、後悔のないように頑張れ!》《新しい道でご活躍される事をお祈りします》などのエールが上がっていた。また「ずっとしたかった」というYouTuber活動も開始し、さらに10月からはTOKYO FMで冠番組「新垣里沙の楽しかった人ー!?」もスタート。順調な滑り出しを見せている。
「この20年は本当に充実していましたね。事務所の方やメンバーなど、ずっと誰かに支えてもらってきたからこそ『1人で頑張ってみるのも人生的にありなんじゃないかな』って。もし失敗しても、いい勉強になるだろうなって思うので不安もないんです。つんく♂さん(51)には『新たな挑戦やね!頑張りや!』って優しい言葉をかけてもらいました」
モーニング娘。を卒業後、“女優業メイン”の方向にシフトチェンジした彼女。役者を志すキッカケになったのは、グループ在籍時に単独で出演した11年の舞台「真田十勇士」だった。
「モーニング娘。の中のことしか知らなかったので、1人で外の世界を知ったら『こんなにもすごい人達がいるんだ!』ってビックリしました。グループを続けていくうちに教える立場ばかりでしたが、外だと学ぶことしかなかったんです。それで『こうじゃないといけないな』『ゼロから役者をやろう』って決めました」
当初は現場で「アイドル出身なのに役者?」という視線を感じることもあったという新垣。「私はモーニング娘。に誇りを持って仕事をしてきたので悔しかった」と振り返る。
「だから稽古の初日までにセリフを全部覚えたり、誰よりも早く演出家の言うことに応えたり。そういうことを8年間やり続けてきました。アイドルって、自分の存在や言葉を通してファンの方に何かを感じてもらうお仕事。でも役者って自分ではない人生を背負って、その人になりきる。だからこそ、伝えられるものがあります。そこが魅力ですね」
三田佳子(78)や戸田恵子(63)といったそうそうたる面々との仕事もこなし、「芝居はもちろんですが、お2人とも人柄がすっごいよくって。ああいう風に歳を重ねていけたらいいな」と話す新垣。「集中すれば1日で台本を丸々覚えることもできる」ともいい、役者は天職のようだ。
「いくつになっても、役者は輝き続けられるなって。それに1回の現場って大体1ヵ月くらい。いろんな人に出会って、その度にいい影響を受けます。別れるときは寂しいけど、また次の現場へ。そこでもいい出会いがあって……。そんな仕事って役者くらいじゃないですか?せっかちな私にピッタリかも(笑)」
そして彼女は、“これから”についても意気込みをみせる。
「コロナ禍で舞台の仕事がストップしたので、まずYouTubeを始めました。でも、役者であるということは譲れません。映像作品にも興味がありますし、アクセサリーのプロデュースもいつかできたら。何より『新垣、いい活動してんじゃん!』って思ってもらいたいんです。大きな夢を持つのも大事だけど、一歩一歩、確実に行きたいですね」