時代は今、“AKINA”を求めていると思う。
昭和の歌姫のひとり、中森明菜さん(51)が10年に体調不良で活動休止してから6年。昨年末にディナーショーで歌手復帰しました。
高額といわれたチケットは完売し、「明菜復活!」と喜んだ方も多かったことでしょう。しかし年が明けた17年、表立った活動はゼロ。『女性自身』の取材によるとテレビなどのオファーを断り続け、今は南国の島でバカンス中だとか。体調が回復したのは良かったけど、自発的に開店休業状態とは残念すぎる。だって時代は今、中森明菜を求めているんですもの!
「時代は」なんて大きく出ましたが、半分は本当、半分は個人的な愛です。何を隠そう私、大の明菜チャン好き。仕事中は彼女の曲をほぼ毎日聴いているのです。ディナーショーは残念ながら行けませんでしたが、コンサートをやるなら絶対に行きたい!そんな私の個人的な愛は置いておくとしても、時代は明菜の復活を待っている。それには2つの理由があります。
1つは最近世の中に“バブルブーム”が再来していること。景気の話じゃありません。流行の話でございます。たとえばメーク。最近太眉に赤リップというバブル時代を彷彿とさせるメークが流行っています。お笑いもバブル芸で笑いを誘う、平野ノラさん(38)がブレーク。それ以外も田中美奈子さん(49)がバブル時代のパロディCMにミニスカボディコン姿で出演して話題を呼びました。
こうして着々と「バブル時代ってすごかったんじゃない?」という空気が若い世代に浸透している今、必要なのはあの時代の音楽シーンを盛り上げた人。そう明菜チャンが必要なのです!
そして2つ目の理由は、今の“アイドル戦国時代”の難しさ。現在アイドルはメジャーから地下まで、数多く存在しています。しかしほとんどが複数人での活動で担当カラーやグループコンセプトを前面に押し出し、没個性化している女子が多い。身近で応援したくなることがアイドルの素養の1つだからって、今のクオリティが日本のカルチャーシーンを占領していてよいのでしょうか。
だからこそ“あのころのスゲエ奴”が必要なのです。アイドルから歌姫へと変身、今もなお多くのファンを持ち、伝説となっているアイドルであり歌手……。明菜チャンがいるじゃないですか。デビュー時の愛らしさがどんどん妖艶になり、そして曲ごとに変化していくパフォーマンス。あのすごさがもっと若い世代に知られたら、音楽シーンは変わるんじゃないかと本気で私は思うのです。
ちなみにおまけではありますが、昨年「アモーレ」という言葉が流行語大賞トップ10入りしました。今やギャグみたいに使われていますが、あの言葉だって元は中森明菜さんの代表曲『ミ・アモーレ』が大ヒットしていたから浸透したようなものです。
「時代は中森明菜を求めている」は嘘じゃない。ご本人は乗り気ではないようですが、もう一度音楽シーンに戻ってきてほしい。潜在的なファンが増え、多くの人が明菜チャンにDESIRE(=欲望)を抱いている今だからこそ戻ってきてほしいのです。
(文:おおしまりえ)