「変な発言したから『おい責任とれ! 辞めろ!』っていう空気にするなら、変な切り取り方して、後任決まらへんような状態にした報道の仕方をした人も、辞任とかせなあかんのちゃうかなと」
こう語ったのは、芸人の小籔千豊(47)。これは小籔が2月12日に出演した情報番組『ミント!』(毎日放送)での発言だ。同番組で東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗前会長(83)の「女性は話が長い」発言に言及した小籔。「一部の発言を切り取って、印象を強めようという報道は別に今回だけでない」「全文読んだら、たぶんみんな印象変わると思うんですよ」と擁護し、そして冒頭のように語った。
森前会長への“援護射撃”を送ったのは小籔だけではない。その前日、『Abema Prime』(ABEMA)に出演したEXITの兼近大樹(29)は「発言自体は許されることではない」としながらも、こう話している。
「『本当に全文聞いたのか?』っていう。全員がすべて聞いたわけじゃないと思うんですよ。ただ誰かが言っているから、『こんな酷いこと言ってるんだ』っていう切り取りの文字を読んで攻撃している人もたくさんいるなって感じた」
問題とされている発言の全文を読まずに森前会長への批判を行う人々に釘を指した小籔と兼近。ネットでは、そんな2人に賛同する声が上がっている。
《発言の全体を理解しないまま一部のみを切り取り、寄って集って、徒に大きく叩くのはフェアではない》
《「森さんの発言を非難する人は読んでほしい」と流れてきた会見全文を読んで、自分が切り取られた一部の発言に踊らされたんだとわかった》
《真っ当な使命感ならともかく、悪意のある編集でここまで世間を騒がせた事に対して責任があります》
しかし、果たして森前会長の発言は本当に“全文読めば印象が変わる”ものなのだろうか? 4日の『スポニチアネックス』によると、発端となった3日のJOC臨時評議員会で森前会長は文科省から女性理事を4割にするよう要請されていることを明かした上で、「だけど女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります」と発言。そして、次のように発言したという。
「女性っていうのは優れているところですが競争意識が強い。誰か1人が手を挙げると、自分も言わなきゃいけないと思うんでしょうね、それでみんな発言されるんです。結局女性っていうのはそういう、あまりいうと新聞に悪口かかれる、俺がまた悪口言ったとなるけど、女性を必ずしも増やしていく場合は、発言の時間をある程度規制をしておかないとなかなか終わらないから困ると言っていて、誰が言ったかは言いませんけど、そんなこともあります」
「私どもの組織委にも、女性は何人いますか。7人くらいおられるが、みんなわきまえておられる」と続けた。最後には女性理事が国際的に大きな経験を積んでいることを紹介し、「お話もきちんとした的を得た、そういうのが集約されて非常にわれわれ役立っています」と讃えていたという。
「差別とはあるカテゴリーに属しているという理由から、偏見によって不当な扱いをするということです。『女性は競争意識が強い』と合理的なエビデンスもなくいい、『だから規制しないと困ることもある』と森前会長は発言。そして、この文脈で『いっぽう組織委員会の女性たちはわきまえている』と話しています。
組織委員会の女性を讃えるつもりで言ったのかもしれませんが、はたして『女性蔑視ではない』と言えるでしょうか」(全国紙記者)
ネットでは「全文読んでも同じでは」と、小籔や兼近の発言を疑問視する声が上がっている。
《兼近も小籔も何言ってるの、、、? 全文読んでも完全アウトでしょ 切り取りは発言の意味が変わる事が問題であって、今回の森の切り取られた発言は別に全文読んでも読まなくても意味は変わらなく無いか?》
《小籔さんも兼近さんも好きな芸人さんだけど、何故批判してる人がみんな全文読んでないと決め付けるんだろう。全文読んであれは問題ではないと思っているから切り取り記事に騒いでいると思うってこと?》
《全文読んだら……ってのは、最後に褒めた(つもりでいた)ら貶めたことにならないということなのだろう》
《全文読めば読むほどアウトにしか読み取れない。空気を読むことができる女性、がほめ言葉?》