(写真:アフロ)
8月8日、「最も困難な東京までの五輪の旅に終わりを告げます」と東京五輪の閉会式を約7分間のスピーチで締めくくったIOCのバッハ会長(67)。
開幕前の7月8日に来日して以来、日本での滞在期間はおよそ1カ月に及んだ。閉幕後は速やかに帰国するかと思いきや、一夜明けた9日に東京・銀座を観光していたのだ。
「午後4時ごろ、グレーのポロシャツ姿のバッハ会長が銀座の中央通りに現れたのです。護衛や大会スタッフを伴っていたので目立っていましたね。バッハ会長の周りは人だかりで“密状態”でした。それでも人々から記念撮影を求められると、バッハ会長は喜んで応じていました」(目撃した通行人)
東京五輪は緊急事態宣言下で実施されることとなったが、大会期間中に都内の感染者が急増し8月31日まで宣言は延長。国民は外出や帰省の自粛を、政府から求められている状況だ。
いっぽう、海外の選手や大会関係者に向けた新型コロナ感染防止対策の行動規範を盛り込んだ「プレーブック」では、観光やレストランへの外出を禁じていた。
それでも、違反者が報告された事例もあった。観光目的で外出したジョージアの柔道選手が「プレーブック」の規則に違反したとして、大会関係者の参加資格証が剥奪されたことが7月31日に発表されたのだった。
大会組織委員会の高谷正哲スポークスパーソン(43)は、ジョージア選手の違反行為について「選手村から出て観光目的で外出することはあってはならない。目に余る事案」と糾弾していた。
■バッハ会長に「二度と来るな」との声も
コロナ禍での開催に意欲を示し続けてきたバッハ会長も、大会組織委員会と同じように選手ら参加者に「プレーブック」の遵守を呼びかけてきた側だ。
NHKの報道よると、来日前には選手団を派遣する各国・地域のオリンピック委員会などに「世界の目はわれわれに向けられ、全ての行動が注意深く見られている」と訴えていたというバッハ会長。
選手や大会関係者に注意喚起しながらも“自分は特別”といった振る舞いに、「もう来ないで」と拒絶反応を示す声が相次いでいる。
《選手の外出はダメだけど、こいつは何でもアリなんだな。二度と来るな!》
《選手には禁じておきながら……特権意識の強い人》
《人にやるな、と言ってることが平気でできちゃうのが不思議です。もう二度と日本に来ないでほしいです》
各メディアによると9日深夜、橋本聖子会長(56)らに見送られて羽田空港を飛び立ったというバッハ会長。また10日の会見で加藤勝信官房長官は、今回の“銀ぶら”について政府として問題視しない考えを明かしたという。国を挙げた“五輪貴族”への厚遇にバッハ会長もさぞ満足したことだろうーー。