《普通の声で、ほんまこれ。》
こうツイートしたのは、タレント・つるの剛士(45)だ。
つるのは5月30日、《声高に平和を訴える人ほど攻撃的 声高に差別反対を訴える人ほど差別的 声高に誹謗中傷を責める人ほど言葉が汚い 普通の声で言おうよ、正しいことなら》という投稿に同調。そして冒頭のようにつづった。
そんな彼の投稿に、Twitterではトーンポリシングを指摘する声がこう上がっている。
《こういうのをトーンポリシングと言います》
《典型的なトーンポリシング》
《つるの剛士さんがトーンポリシングのわかりやすい例を示してくださいました》
トーンポリシングとは社会問題などに関する主張に対して内容ではなく、その話し方や態度を批判することを指す。「口調や所作が正しくない」という理由で、主張内容の妥当性を損なう。そうすることで目を背けさせたり、主張を封じ込めることにも繋がるため問題視されている。
「『普通の声』で言える人と、そうでない人がいます。例えばいまアメリカでは、黒人を中心に暴動が起こっています。それは無抵抗の黒人男性を白人警察官が首を押さえつけて死亡させたということへの抗議です。これまでも彼らは『差別反対』と訴えていましたが、それでも不条理な目に遭ってきました。
黒人たちが『普通の声』で主張をしたところで、その声は社会に届くでしょうか。届かないからこそ、暴動という形になってしまったのでは。また、『普通の声で言える人はどんな人なのか』と考える必要もあります。これは日本でも同じことがいえるのではないでしょうか」(全国紙記者)
ネットではつるのの「普通の声で」という投稿を疑問視する声が上がっている。
《普通の声で過ごしたらあなたに聞こえないから叫ぶのに、聞こえたらうるさいと言われる》
《苦しむ声や叫び声、憤りの声で、やっと変わったことは数知れずあり、わたしたちが享受している暮らしはそのような声の上にある》
《「普通の声で」言ってくれと言う。自分には聞こえないぐらい、自分の心をかき乱さない程度に言ってくれ、こういうことではないか》
《「怒るな、冷静になれ」や「静かに怒れ」こそ、言葉こそ丁寧でも最も暴力的な発言ですよ》
つるのに、この「声」は届くだろうか。