(写真提供:NHK)
11月16日、『第71回NHK紅白歌合戦』の出場歌手42組が発表された。9月に内定が報じられた、シンガーソングライターの瑛人(23)も正式に出場が決定。
特に話題を集めたのは、今年ヒットした『香水』の歌詞にある「ドルチェ&ガッバーナ」の取り扱いだ。日本の公共放送であるNHKが“特定の商品名の放送を禁じてきた”というエピソードは、枚挙にいとまがない。
「73年に出場予定だった、フォークグループのかぐや姫はヒット曲『神田川』の歌詞にある『クレパス』を『クレヨン』に変更して欲しいと打診されました。ですがこれを拒否して、出場を蹴ったのは有名な話です。ほかにも、小沢健二さん(52)が96年に『ポップジャム』で『痛快ウキウキ通り』を歌唱。ですが同局の規定に配慮し、『プラダの靴』というブランド名の入った歌詞は『キレイな靴』に置き換えられました」(テレビ局関係者)
ところが瑛人の『香水』について、NHKは「問題ない」という判断を下したというのだ。
中日スポーツによると、同日の記者会見で「歌えるのか聞いてないんですよ」と明かした瑛人。万が一、変更を求められたら「別のフレーズを考えます」と語ったという。ところが制作統括の加藤英明チーフプロデューサーによると、「そのまま歌唱しても問題ない」との考えを示したという。
そんななか、実は11月3日に放送された音楽トーク番組『おげんさんといっしょ』では既に“放送済み”だったのだ。
星野源(39)扮する“おげんさん”がアコースティックギターを演奏し、三浦大知(33)扮する“次男”と一緒に「ドルチェ&ガッバーナ!」と瑛人の楽曲を合唱。星野も「NHKで言えたね。言っていいんだと思った」とコメントし、SNSでもおおいに話題に上った。
放送法83条1項では「協会は、他人の営業に関する広告の放送をしてはならない」と規定されている。だが、第2項にはこのようにも定められている。
「放送番組編集上必要であって、かつ、他人の営業に関する広告のためにするものでないと認められる場合において、著作者又は営業者の氏名又は名称等を放送することを妨げるものではない」
また「NHK放送ガイドライン2020」によると、「企業名や営業上の商品名・サービス名・ロゴマークなどを放送できるのは番組編集上必要で広告目的ではない場合である」とも明記されている。
「楽曲には4度、『ドルチェ&ガッバーナ』と出てきます。この部分はサビであり、違う言葉に変更すると大きく違和感が出てしまいます。また瑛人さんは、『バイト先の店長が同ブランドの香水をつけていたことから着想を得た』とも公言しています。“広告目的ではない”と認められたということでしょう」(音楽関係者)