「8月23日は岡江の誕生日であり、月命日でもあります。少し前、新型コロナウイルスが一時収まったとき、この日にお別れ会をしようという話になっていました。でも、再び東京で感染が広まったので無理になってしまって……」
そう語るのは、岡江久美子さん(享年63)が所属していた事務所「スタッフ・アップ」の代表取締役・戸張立美氏だ。
4月23日、新型コロナウイルスによる肺炎のため岡江さんはこの世を去った。あれから4カ月、実は彼女の誕生日にお別れ会が計画されていたという。
お別れ会は誰よりも夫・大和田獏(69)のためになるのではないか――。夫婦の知人はこう語る。
「獏さんは友人や仕事仲間に『お別れ会ができないのは悔しい』と言っています。彼自身も、お別れ会をすることで気持ちに区切りをつけたいのかもしれません。今でも『なんで亡くなったんだろうね……』とつぶやくときがあり、岡江さんの死を受け入れられないようです。彼女の写真を見ては涙を流すこともあるといいます」
娘の大和田美帆(37)の誕生日は、岡江さんと1日違いの8月22日。例年はこの時期、家族で“合同誕生会”をしていたという。
「毎年、2人の誕生日をいっしょにお祝いするため、家族で近所のレストランに繰り出し、カラオケに出かけることもありました。そんな家族の楽しみがコロナのせいで突然なくなるなんて……。
岡江さんは飲みだすと、好きな映画や、おいしいお店、孫の話など、話しだしたら止まらない方でした。獏さんが彼女の話をうっかり聞きもらすと、『ねぇ、聞いてる?』とよく怒られたとか。今はそれすら懐かしい思い出だそうです」(前出・知人)
「来年の一周忌には皆で送り出したい」 そんな大和田は悲しみを紛らすため、仕事に打ち込む日々だという。彼は6月、レギュラー出演中の東海地方の情報番組『くすぐる』(テレビ愛知)で仕事に復帰した。
「実は彼の高齢のお母さんが名古屋在住なので、様子を見に行くこともあるそうです。各メディアから、獏さんにコロナについての取材オファーが殺到しているそうです。でも、すべてお断りしている状況だといいます。
ただ舞台の仕事は楽しみにしているそうです。別人を演じている間は、悲しみが和らぐのかもしれません」(前出・知人)
新型コロナウイルスの影響で断念された岡江さんのお別れ会。しかし冒頭の戸張氏は「まだ諦めていない」と力強く語る。
「コロナで今回、ダメになってしまったのは正直残念です。でも、来年の一周忌にはできたらいいなと今は思っています。もちろんこんな状況ですから、見通しはついていません。それでも、皆で岡江を送り出してあげたいんです」
いまだに癒えない夫の痛哭――。お別れ会開催で、彼の心の整理がつくことを願うばかりだ。
「女性自身」2020年9月8日号 掲載