(写真:アフロ)
自民党の若手議員によって、3月16日に緊急提言された「子ども庁」の創設。各メディアによると、厚労省や内閣府、文科省などで“縦割り”となっている医療や教育、福祉といった「子どもの政策」を一元化するというもの。
4月1日に呼びかけ人の自見英子参議院議員(45)らと会談した菅義偉首相(72)は、「大変重く受け止める。強い決意で取り組む」と意欲。「子ども庁」創設に向けて7日から会議が始められるが、その本部長に就任したのは二階俊博幹事長(82)だというのだ。
4月2日に配信された日本経済新聞によると菅首相は1日、自民党内に総裁直属の本部設置を二階氏へ指示。FNNプライムオンラインでは、二階氏が「子どものことは一番大事。国の宝だからしっかりやりましょう」と語ったと伝えられている。
自見氏の公式サイトによると、今年2月から山田太郎参議院議員(53)と共同で「Children Firstの子ども行政のあり方勉強会」を実施。これまで7回の勉強会が開催されたが、参加者一覧に二階氏の名前は記されていない。
いっぽうで今年1月19日には、45歳以下で構成される自民党青年局が二階氏に「73歳定年制」を守るよう申し入れたばかり。この定年制は’00年に設けられ、衆議院選挙の比例区で73歳以上の候補者を認めないとする“若返りを目指す”ルールだ。
各メディアによると二階氏は「青年局の活動は応援している」と述べたが、定年制については触れなかったという。
そして、「子ども庁」創設の呼びかけ人である自見氏は青年局長代理でもある。“若返り”を呼びかけながらも、73歳以上である二階氏を本部長に迎えることについて「矛盾しているのでは」との声も上がっている。
「内閣府には’15年4月に『子ども・子育て本部』が、厚労省では’17年7月に『子ども家庭局』が設けられました。こういった二重行政を解消することができれば、以前よりもスムーズに問題解決に取り組めるでしょう。国民からも期待の声が上がっています。
しかしながら、タイミング的に懐疑的な部分もあります。今年の秋までに行われる衆議院議員選挙では、『子ども庁』の創設が公約に盛り込まれるという話です。二階氏が本部長に就任したことで、『政権維持のためでは』といった指摘もあります。
ましてや新型コロナの第4波が深刻化しているなか、優先すべき事項なのかも検証が必要でしょう」(全国紙記者)
“良策”として期待がかけられるものの、思わぬ人選にネットでは批判が殺到している。
《中身はまっとうだが、トップが二階氏なのが問題。定年制はどうなった? 早く若手議員に任せるべき。せっかくの良策が二階氏が関わるだけでイメージダウン》
《二階さん、有能な若い人たちにそのポストを譲っていただいても良いですか? 80過ぎて活躍できるのは素晴らしい。でも、若い世代が育たない。だから議員さんも定年が必要ですね》
《何をどうしたらこういう人選になるのか……希望から絶望の落差激しいな!!》