(写真:アフロ)
東京五輪・パラリンピック組織委員会の新会長の選任をめぐって2月18日、混乱の末に橋本聖子氏(56)が正式に選出された。
森喜朗氏(83)の女性蔑視発言による会長辞任に政界や経済界のトップ陣がコメントを出すものの、さらなる“失言”によって波紋が広がり続けている。
自民党の竹下亘元総務会長(74)は橋本氏が会長に決定した同日、彼女が過去に起こした“セクハラ問題”について言及。だが、そのコメントに批判が殺到しているのだ。
「週刊文春14年8月28日号によると、ソチ冬季五輪閉会式後の打ち上げパーティーで橋本氏はフィギュアスケート男子の高橋大輔選手(34)にキスを強要したとのこと。『初恋の先輩に似ている』と周囲に話していた橋本氏は、“大ちゃん”と呼ぶほど高橋選手がお気に入り。橋本氏は『強制した事実はない』と否定したといいます。しかし彼女から迫るような“キス写真”は、今もネット上に拡散されています。結果的にJOCは不問としましたが、今回の新会長選任をめぐって蒸し返されたかたちとなりました」(スポーツ紙記者)
各メディアによると過去の騒動が問題視されている橋本氏について、竹下氏は「スケート界では男みたいな性格で、ハグなんて当たり前の世界」とコメント。さらに「セクハラと言われたらかわいそう。セクハラと思ってやっているわけではなく、当たり前の世界である」と擁護したという。
その後、事務所を通じて「男勝りと言いたかった」と訂正した竹下氏。だがジェンダー問題が取り沙汰されているなかで、「男みたいな性格」や「セクハラと思っていない」「当たり前」などと主張したことに厳しい声があがっている。
《ハグとキスは全く違います。なぜ男女で例えるのか。一連の騒動を全くご理解いただいていない》
《ご自身が当たり前と思っている価値感自体に問題があれば、それを言動に表すことはハラスメントを起こします。ご自身は橋本氏を擁護しているつもりかもしれませんがなってないですよ》
《この人は、何処に向いて、誰に対して話しているのか。危機感も無い、問題点も分からない人間は国政に要らない》
■島根県知事にも“上から目線”で苦言
橋本氏を擁護したつもりが、かえって物議を醸してしまった竹下氏。しかし、彼の“失言”はこれだけに留まらなかった。
大会開催まであと5カ月と迫るなか、島根県の丸山達也知事(50)は17日に聖火リレー中止の意向を表明。各紙によると新型コロナウイルスに対する政府や東京都の対応が不十分として、現状のままでの大会開催に反対姿勢だという。1カ月程度の状況を踏まえて、最終判断をすることになった。
すると慎重な丸山知事に対して、竹下氏は18日に「困惑している」「発言は不用意だ」などとコメント。加えて「知事を呼んで、注意をしっかりしないといけない」「知事会でも誰もついてこないのでは」などと、苦言を呈したのだ。
地方行政のトップとして、執行権を持つ知事。緊急事態宣言下において改正された特別措置法では権限も強化され、その責任の重さは一段と増している。そんななかで、衆議院島根2区選出の国会議員で立場の異なる竹下氏に「上から目線」と批判の声があがっている。
《県のトップは知事だ。単なる一国会議員如きに何の権限も無い。勘違いも甚だしい》
《注意って言葉を選んでる時点で上から目線だなと感じますね。立場が違うので注意はおかしいなと》
《は? これってパワハラやんか。 県民の事を最優先に考えた上の苦渋の決断だったのに。何を注意するつもりですか?? 竹下氏は何を具体的にどう注意するか説明しろ》
五輪をめぐって同日中に“失言コンボ”を繰り出してしまった竹下氏。当の本人は、世間からの声をどう受け止めているのだろうか。