タレントの加藤紗里さん(29)。彼女が何をきっかけにブレイクしたのか、覚えている人はどれ程いるでしょうか。
「ラーメン、つけ麺、ぼくイケメン!」の狩野英孝さん(37)に二股されたとして、ワイドショーで数々の爆弾発言を連発。そこで注目を浴びた元カノが、加藤さんでした。
その後も何やかんや金の亡者キャラとして認知されたり、海外旅行中に3,400万円の盗難にあったり。忘れたころにふわっと話題を提供する彼女。そして昨年に会社経営者の男性と結婚したと思ったら、「1億円以上使わせたら旦那の会社が傾いたから別れた」という理由で即破局。
さらにその後で「実は束縛がすごかったから」と理由を変えたと思ったら、「妊娠してました……今後はシングルマザーで」と驚きの告白が。人生すべてにエンターテイメント性を発揮し、再び注目を集めているわけです。
現在、ユーチューバーとして活動する加藤さん。動画をみると、小気味良い炎上演出が続きます。
■1日1炎上の彼女は、どこにたどり着くのか?
直近では何が炎上しているかというと、マタニティ写真集発売にむけたクラウドファンディングの金額についてです。
もともと写真集発売を予定していたものの、妊娠が発覚したので急きょハワイ撮影でのマタニティ写真集に予定変更。そのためのクラウドファンディングなのですが、寄付金額がすごい。
最低金額は5万円からで、最高額は300万円。2月8日現在で730万円の支援を獲得。1名150万円の支援者がいるのですが、どういう理由で……と思わず気になってしまいます。
ちなみに150万円寄付すると加藤さんのお腹に好きなペイントができるそうで、企業ロゴなどPR目的での活用も可能とのこと。興味のある企業さんは、いかがでしょうか(笑)。
筆者が彼女の動画を見ていて面白いなと思うのは、その「炎上演出」の頻度です。
彼女に注目が集まる理由の多くは「お金」や「離婚後妊娠発覚」など、センセーショナルなテーマに関連したとき。ソレ以外の食レポなどといった動画の再生回数は少なめ。
とはいえフォトブック発売の動画では内容もさることながら、撮影者が喫煙していることをあえて話して炎上。はたまた別の動画では、アポ無しでラジオの公開収録ルームに入ってみたり……。本日公開の動画では、六本木で通行人にまめを投げつけるという(撮影許可はないようです)。ガチンコなら危なっかしさが際立っています。
基本撮影者の「ヤバイヤバイ」の連呼とともに進むチャレンジ系の動画は、「やってみた系動画」に近いノリ。さらに、危なっかしさという“炎上ポイント”を加えた感じです。
オモシロいといえばオモシロい。しかし正直、何本も見ていると危なっかしさと彼女の濃さに胃もたれする感覚を覚えます。
■人々が叩きながらも加藤紗里を見てしまう理由
大きな話題をフックに、1動画1回は炎上ポイントを入れる。そうすることで、再生数を伸ばす加藤さん。現在、チャンネル登録者数は1.6万人と順調。このままプチ炎上を繰り返していけば、ある程度の再生数は確保できるでしょう。
ここで気になるのは、彼女のファンというのは一体どういう人なのかということです。
1つは、彼女のむちゃくちゃ具合の失敗を「まだかまだか」と待つアンチ層です。これは彼女のどのコンテンツにも叩きコメントが存在しますので、理解できると思います。
2つめは「女性がド派手であるほど、お金がかかるほど、ワガママであるほど好み」という男性です。筆者も実際に会ったことがそんなにないのですが、男性のなかにはまれにいるようです。
人気キャバ嬢にガッツリお金を落とす方に多い、このタイプ。女性が派手で、きらびやかで、手におえない感じであればあるほど価値を感じるので、お金を落とします。
ちなみに女性が美人であることはさほど問題ではなく、「金のかかるオンナをしたがえた俺」で自尊心を満たすようです。
極めて少数ではありますが、こういったしっかりお金を落とすわずかなファンをクラウドファンディングで獲得。そして、アンチには動画再生数としてお金を生み出してもらう。そんな仕組みを作っている彼女は、けっこう策士なのかもしれません。
今後は、妊娠をネタにした様々な動画がアップされることでしょう。ただ炎上系タレントはいずれ別キャラに方向転換しないと扱う内容が過剰になり、自身を焼いて消失するというのが王道パターンです。
だからこそ炎上を1つのキャラにしている彼女がどうなるのか、今後が楽しみ。とりあえず、マタニティ写真集の完成を待ちたいと思います。
(文・イラスト:おおしまりえ)