お体への負担が心配されたなか、4回にわたる「饗宴の儀」を終えられた雅子さま。過密日程の中でも笑顔を絶やされなかったものの、その陰で母としての大きな苦悩を抱えられていた――。
《各国元首のご健康と各国国民の幸福、世界の平和を切に祈ります》
モーニング姿の天皇陛下が、駐日大使夫妻らを前にお言葉を述べられた。お隣に立たれた皇后雅子さまは、和服をお召しになっていた。
10月31日、祝宴「饗宴の儀」が皇居で催された。即位を披露し祝福を受けられる儀式で、10月22日から4回にわたったが、この日が最終回となった。
平成の即位の礼では、饗宴の儀は4日連続で計7回すべて着席形式で開かれたが、今回は皇族方の負担を考慮して回数を減らし、さらに後半の2回は立食形式へと簡素化された。
「とはいえ、十二単で臨まれた『即位礼正殿の儀』を経て、さらに毎回数百人をおもてなしする饗宴の儀に臨まなければなりませんでした。宮内庁内部でも、雅子さまの体調を心配する声が上がっていたのです。しかし、雅子さまは4回にわたる饗宴の儀で、決して笑顔を絶やされませんでした。適応障害で苦しまれていたころには和服への苦手意識がおありだといわれてきましたが、最終日の和服姿はむしろ、皇后としての自信を感じさせるものでした」(宮内庁関係者)
天皇陛下が国内外に即位を宣明され、雅子さまも令和の国際親善の幕開けに存在感を発揮された。ただ、一連の儀式のさなかには、皇室の未来を左右するかもしれない重要な報道もあった。
共同通信社による世論調査の結果が10月27日に報じられ、女性天皇を認めることへの賛成が81.9%に達したことが明らかとなった。反対はわずか13.5%だった。また、母方だけが天皇の血筋を引く女系天皇への賛成は70.0%、反対は21.9%だった。
近代皇室史を専門とする静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんはこう語る。
「女性天皇を認める世論の高まりは、令和の天皇皇后と長女の愛子さまのお人柄や能力が、国民に広く支持されているゆえでしょう。国民の多くは、天皇のもとでお育ちになったお子さまで、立派なお人柄の方が天皇になるのがいいと考えているのです。世論調査を見る限り、ご本人の性別や、男系か女系かといった区別を、国民はあまり重視していないように思われます」
現在、学習院女子高等科3年生で17歳の愛子さま。来年の4月には学習院大学へ進学されるとみられている。
10月11日、天皇陛下と雅子さまはイギリスのアン王女夫妻を赤坂御所に招き、お茶をともにされたが、このご懇談には愛子さまも同席されたのだという。
「まだ単独でのご公務は経験されていない愛子さまですが、大学生となられてからは活躍の場を広げられるはずです。来年の東京五輪は、皇室にとっては国際親善の舞台ともなります。愛子さまの高い語学力や、愛らしいお人柄は、さらに多くの国民を魅了することになるでしょう」(皇室担当記者)
愛子さまのご成長とともに、「愛子さまを天皇に」という期待の声もさらに大きくなっていくのだろうか――。