(写真:Krispy Kreme Occasions/Solent News/アフロ)
3月22日、米クリスピークリームドーナツは、「新型コロナウイルスのワクチン接種カードを提示した人にオリジナル・グレーズド・ドーナツを無料で提供する」とホームページ上で発表し、話題となった。しかし、このキャンペーンは諸手を挙げての歓迎はされず、逆に非難を呼ぶ格好となってしまっている。
オリジナル・グレーズドは、揚げたドーナツに砂糖のグレーズをまとわせた同社の看板商品。ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』でもダイエット中のミランダが誘惑に負け、ジムで知り合った男性と半分ずつ食べながら「グレーズドを発明した人は天才よね」と話すシーンがある。1つ219kcalで、ダイエットの味方とはとても言えない。
現在、アメリカでは肥満の人が急増しており、「肥満は新型コロナウイルス感染症が重症化する危険因子だ」とも言われている。CDC(米疾病予防管理センター)によると、米国人の42.4%が肥満だという。SNSでは、「クリスピークリームの施策が肥満の増加を助長する」との指摘が相次いだ。
コメディアンのスティーヴン・コルベアは3月23日、「クリスピークリームは『ワクチンを接種した人に無料でドーナツを提供する』らしい。これは予防接種を受けたのに、まだ死にたいと思っている人にとっては朗報だ」と皮肉たっぷりにツイート。
予想外の批判を受け、クリスピークリームのマイク・タッタースフィールドCEOはYahoo!Financeでこう反論した。
「当社は甘いものを提供する会社です。ドーナツショップに行きたくない人は行かなくてもよいのですよ。私は医療機関にたくさんのドーナツを差し入れています。とても感謝されますよ。人は常にちょっとした甘いお菓子の休息を求めているものなのですから」
クリスピークリームはドーナツの無料提供を続行すると明言。さらに、今後数週間はワクチンセンターで働く医療従事者やボランティアにドーナツの差し入れを行い、同社の全従業員に対し、ワクチン接種のために最大4時間の有給休暇を与えるともYahoo!Financeで発言している。