今年、結成30周年を迎えた爆笑問題。本誌が初めて2人を取材したのはベストセラー『爆笑問題の日本原論』が出版された、'97年だった。そこで、30年を振り返ってもらうと、やっぱり得意の時事ネタがさく裂して……!?
田中裕二(53・以下、田中)「『女性自身』は60年! 還暦だ」
太田光(53・以下、太田)「老舗だよね。女の人の噂好きは許せるけど、男の噂好きほどみっともないのはないね。女性週刊誌は美容室には欠かせないから、美容室があるかぎり、『女性自身』は不滅だね」
■人生半分以上爆笑問題……30周年は「実感がない」
田中「人生の半分以上が爆笑問題ですからね。あっという間に過ぎちゃって、実感がないというか」
太田「最初はライブハウスから始まって。僕らはお笑いのエリートではなかったので、テレビにラジオ、漫才、コントをやったり、本も出したり、たくさんのことをやってきて、その分いろいろな経験ができたな、と思います」
――本誌初登場は'97年でした。『ボキャ天』(『ボキャブラ天国』)ブーム真っただ中でしたよね。
田中「ネプチューンや海砂利水魚(現・くりぃむしちゅー)よりも、僕らは年齢も芸歴も5個くらい年上で。このへんで世の中的に認知されて、仕事が一気に増えた。みんな若かったし、楽しい時期でした」
太田「当時はブームってそんな感覚はなかったな。漫才ブームはこんな規模じゃなかった。でもこいつ(田中)とか勘違いしちゃって、ボキャブラメンバーで営業へ行くと何万人と集まるから、わざとファンの前でキャッチボールなんかして。『調子に乗るなよ』って叱りました」
田中「覚えてない(笑)」
――'00年にはレギュラーが10本。本誌も密着しています。
田中「あのころはレギュラー番組をほぼ全局でやっていたんですよ」
太田「ほとんど休みなしで。『サンデージャポン』の枠でやってた『ゲスト10』(『大好き!東京ゲスト10』)は隠れた名作。デヴィ夫人に高田純次さんもいて、えなりかずきに井森(美幸)とか、相当輩出してますよ」
■光代社長と何度も怒鳴り合いに
――プラチナ夫婦アワードも受賞されているんですよね。ご夫婦の授賞式に田中さんもいらしてて。
田中「2人が出るときは俺が必ずなぜか呼ばれるんですよ。社長も照れくさいのかわからないけど」
太田「俺だってお前の記者会見で散々やらされているんだよ。なんだよ、お前」
――光代さんには、先月辻仁成さんと対談していただきました。光代さんは「離婚も考えてた」と辻さんに相談していましたが……。
太田「辻さんのほうがいろいろ大変だと思うけど」
田中「ふふふ」
太田「夫婦というのは、それぞれのねぇ」
田中「俺も社長と怒鳴り合いのケンカを何十回したか」
太田「俺より多いよな」
田中「酔っ払ってわけわからないことを言うからカチンと来て」
太田「僕は怒鳴り合いはしませんよ。僕はじぃっと貝のようにしていますから」
■爆チュー問題で憧れの子ども番組に
――社長に支えられながら迎えた30周年。記念ライブ最後の「爆チュー問題」は盛り上がりましたね。
太田「『ポンキッキーズ』から話がきたときに、社長は『太田はやらないかも』と思っていたんですよ。でも実は僕は『セサミストリート』とか『ピーナッツ』が、子ども向けだけどすごく哲学的で大好き。子ども向け番組はコメディアンとして、すごくやってみたかった」
田中「うちの子どもも、見せると食いつく。時代を超えるんだなと」
太田「爆チュー問題は『だんご三兄弟』を作詞した佐藤雅彦さんが作ってくれたり、いろんな人のアイデアが詰まってるからすごく愛着があって。細々と続けていけたらなと思っていますけど、フジテレビがわれわれには冷たくて」
田中「(笑)」
太田「『ポンキッキーズ』ではガチャピンが大御所みたいになってるんです。ガチャピンの機嫌を損ねると……」
田中「機嫌とか関係ねぇから」
太田「いつも顔色をうかがいながら」
田中「常に緑だよ!」
太田「『ちびまる子ちゃん』のエンディングが爆チュー問題で、それで覚えてくれた人もいて、本当にありがたかった。さくらももこ先生も気に入ってくださって、亡くなる間際に『爆チュー問題だけは』って……」
田中「言ってねぇよそんなの。やめなさいよ。しゃれにならないよ」
■純粋に、シンプルにお笑いを!
――今後の野望は、ありますか?
田中「お笑いに特化した番組がやりたいですね。今、純粋なお笑い番組がなかなかないでしょ」
太田「蛇女や、素人一発芸のゴングショーとか。シンプルなものが面白い。あとは世界中の祭りを紹介したい。ほかがやってないから」
田中「何言ってんだよ! やりすぎたんだよ」
太田「あの枠が早く空かないかな」
田中「空かねぇよ!」
太田「BPO(放送倫理・番組向上機構)に頑張ってもらって。狙ってますね、あの枠を完全に」
田中「プライベートでは毎日子どもの世話で奥さんも大変なので、旅行にでも行きたいですかね。暖かいところに」
太田「お前はどんだけ旅行に行けば……」
田中「そんなに行ってねぇわ」
太田「俺はプライベートでは豊洲に行きたい」
田中「行けばいいじゃない。いつでも行けるだろ」