これまでの活躍を振り返るインタビューに応えてくれた研ナオコさん(66)。訃報など誰も予想しない時期の取材だったが、志村けんさん(享年70)について語る研さんは終始笑顔だったーー。
「志村さんとは付き合いが長いですよ。彼がドリフターズのメンバーになる前からですからね」
本誌記者にそう振り返るのは研ナオコさん。3月29日、新型コロナウイルス感染による肺炎により、志村けんさんが70歳でこの世を去った。
《けんちゃんと、もう会えなくなっちゃう 悲し過ぎて あり過ぎる思いが整理できません 一緒に仕事が出来て幸せでした ありがとう…》
『8時だョ! 全員集合』(TBS系)や『志村けんのだいじょうぶだぁ』(フジテレビ系)など、コント番組で志村さんと多数共演していた研さんは、訃報の翌日、ツイッターで悲しみをそうつづった。
本誌が研さんにインタビューを行ったのは、志村さんの訃報以前。今年50周年に突入した芸能生活を振り返ってもらったが、志村さんについて話す研さんの表情はとりわけやわらかかった。
2人の出会いは、’69年に放送が開始された『8時だョ! 全員集合』の楽屋でのこと。
「『全員集合』の本番前、私はドリフのメンバーがいる楽屋に、よく遊びに行っていました。そのとき、志村さんはまだいかりや長介さんの付き人をやっていたころだったかな。楽屋にいた志村さんとしゃべっていたら、とにかく笑いが止まらなくて。だから私は『なんだ、メンバーより面白いじゃん! ねぇ長さん、この子ドリフのメンバーに入れたらどう?』って、いかりやさんに言ったことがあるんです(笑)」
研さんの提案が実現したかのように、’74年、志村さんはザ・ドリフターズに加入。以降、コント番組やCMなどでも、志村さんと研さんのコンビは、お茶の間に笑顔を届けた。
「志村さんとのコントは、毎回、セリフがきっちりと決まっていなくて、スタッフさんも私たちが何をするかわかっていなかったんです。だから、撮りこぼしがないように、つねに現場にあるすべてのカメラを回しているんですよ。私たちもお互いが何を言うか、わからないので2人で笑っちゃうんです。だって、くだらないアドリブばっかりだったんだもん(笑)」
志村さんとバラエティ番組を席巻していた当時を懐かしむ研さん。今年は芸能生活50周年を記念し、梅沢富美男(69)とのエンターテインメントショー「梅沢富美男劇団」の公演も予定している。また、研さんは「研ナオコ Naoko Ken」チャンネルにて、YouTubeでの活動にも挑戦中! “戦友”志村さんへの思いを胸に、研さんの芸能活動の勢いは止まらない。
(取材:インタビューマン山下)
「女性自身」2020年4月21日号 掲載