タレントのベッキーさん(37)が、第二子を妊娠中であると明らかになりました。
ベッキーさんといえば、5年前の2016年1月に不倫が発覚。そこから芸能界の不倫バッシングのブームを生み、ご自身はタレントとしてのイメージを大きく崩すこととなりました。
現在は第一子の子育てをしながら、タレント活動をしているベッキーさん。めでたい第二子妊娠ということで、もう5年も前のできごとは過去のことになっているかと思いきや……。いまだアンチはちゃん健在。
ネットの掲示板には「なんでまた出てくるの?」「ひっそりしてればいいのに」「あれ以来ずっと不快」といった心ないコメントがあり、またベッキーさんのSNSにも不快を示すようなリプライがついているのを確認しました。
悲しいリアクションに筆者も心を痛めてしまったのですが、ふと思うのは「なぜ、アンチは時間がたっても相手を攻撃し続けるのか」という疑問です。
たとえスクープがあって、当事者をそのとき嫌いになったとしましょう。しかしその反感の熱量を保ち続け、批判の声を上げ続けるのはとてもエネルギーがいることです。
数年が経ったことで数こそ減ってはいるのですが、一部の心ないユーザーは今も残っています。その心理はどこにあるのか、考えてみたいと思います。
■時間がたっても批判し続けたくなる理由
「好きの嫌いは無関心」「好きと嫌いは表裏一体」とは良くいったもの。アンチとは何かのはずみで相手を嫌いになってしまっただけで、実はファン予備軍とえるのでしょう。
嫌いを原動力にして相手に接触をはかるって、それだけでエネルギーを消費します。またタレントのファンとアンチはある程度、比例して増えるのが常といわれています。
ベッキーさんの件で考えてみると、もともと彼女は多くのファンとアンチを抱えていました。だから長期間にわたって批判が残るというのも、それだけ熱量高く人の関心を集めるパワーがあるということの裏返しなのでしょう。
とはいえ、5年も前の感情を温存できるのはなぜなのか。その理由の1つはその人が凄い嫌な奴……という話ではなく、そもそも感情には時間軸がないからです。何なら人は、10年20年前の恨みすら根に持ち続けることができます。
つまり5年前の不倫報道に「信じられない! 裏切られた」と感じ、その感情がご自身の個人的な体験や感覚と強く結びついている人ほど彼女のニュースを目にするたびに不快な感情も再燃させ続けるのです。
■相手を負かしても感情はキレイに消えない
アンチが望んでいることは、基本的には叩いた当事者がダメージを食らうことです。でも残念ながら自分や複数人が誰かを叩いて相手がダメージを受けたとしても、あなたの中のネガティブな感情は消えません。
消えないどころか、相手に具体的な攻撃でダメージを食らわせたことへの罪悪感が上乗せされていく。そしてさらに、ご自身を苦しめることのほうが多いでしょう。最近であればアンチに法対応をする芸能人も増えたので、物理的なダメージが返ってくるかもしれません。
つまり叩くことのメリットはご自身のなかで湧いた負の感情を、今この瞬間だけ正当化させて発散できる。たったそれだけであり、長い目でみるとあまり良いことがないです。
むしろ誰かを見たときに感じる負の感情は、自分の中にある嫌悪感や思い込みと向き合って自分を深く理解するチャンスだったりします。
なにはともあれ負の感情は抱かれた人だけでなく、抱いた本人にも実はダメージを残します。
不倫という行為は賛否判断が分かれることですが、そこに並々ならぬ負の感情を持つということは何か自分の中に引っかかるポイントがあるのかも。
そう思えると、また見えてくる世界も変わってくるのかもしれません。
(文:おおしまりえ)