イスラエル南部に位置するベドウィン(アラブの遊牧民)の街テル・シェヴァで、26歳の女性が「悪魔払い」の儀式で命を落としたと、The Jerusalem Postが報じている。
現地メディア「N12」によると、女性は体調不良を訴えてテル・シェヴァ在住の宗教指導者のもとへ連れて来られたという。この宗教指導者は、“女性の中に巣くう悪魔を祓う”という儀式を行い、その最中に女性を死亡させたと見られている。
女性が倒れた後、宗教指導者は親戚である医師を呼び、地元の診療所へと彼女を運ばせたが間もなく死亡が確認された。この医師は当局の捜査を妨害した疑いで拘束され、事件への関与が疑われる女性の夫、そして宗教指導者が逮捕されたと、The Jerusalem Postは伝えている。
被害者の夫の弁護士は、「私の依頼人は、妻の命を救うために治療を受けさせたということ以外、何が起きたのか知りません。不幸にも、遺体となった彼女と対面することになってしまったのです」とN12の取材に対してコメントしたという。
イスラエル南部での悪魔払いが事件に発展したのはこれが初めてではないとThe Jerusalem Postは指摘する。今年4月にはベドウィンの街ラハトで、悪魔払いを受けにやってきた女性をレイプした宗教指導者が逮捕されている。