老後資金に不安が募り、「何か稼ぐ手段はないか」と調べている人は多いはず。しかし、「ラクに稼げる!」という広告をスマホで見つけ飛びつくと、大損をすることにーー。
「お金儲けのノウハウやテクニックをまとめたものを“情報商材”といいます。情報商材の特徴は、『○○をすれば簡単に儲かるよ!』という文句が広告に打ち出されていること。そして、お金を払って自分のもとに届くまで、その内容を確かめることができないということです。いま、中身のない情報商材を売りつけてお金を騙し取るという詐欺が、スマホの普及に合わせて大流行しているのです」
そう教えてくれたのは、ITジャーナリストの三上洋さん。国民生活センターによると、’18年度の情報商材詐欺の相談件数は8,787件。5年前と比較して、なんと約10倍に増えている。
「とくにいま詐欺のターゲットにされやすいのは、女性でしょう。専業主婦や、育児・介護で休職中の主婦のように『せめて家で何か仕事ができれば』と考えている女性が飛びついてしまうことが多い。その手口と誘い文句は多岐にわたり、被害は拡大するばかりです」
今年11月には、“スマホ錬金術”と称した情報商材を売りつけた株式会社WAVEが消費者庁から指導を受け、新規募集を取りやめた。
「皆さん月平均、1カ月に45万円稼いでいます」と成功体験が数多く紹介されていたものの、それは架空の話だったという。
三上さんは、主婦が安易にスマホで「副業」「稼ぐ」などと検索するのはやめるべき、と警告する。
「『副業』で検索すると、『女性限定の在宅副業おすすめ』など、情報をまとめた記事がゴロゴロでてくるはず。これらは、情報商材詐欺の広告記事である可能性大。広告記事の特徴は、1ページがとても長いこと。体験者の成功話がたくさん載っていて、長々と読むうちに『私でもできそう』と思い込ませるんです」
ネット広告は、自分が検索したワードに連動して表示される傾向がある。
「いちど検索してしまうと、情報商材詐欺の広告が表示されやすくなってしまうのです。『自宅でできる』『簡単に稼げる』『すぐ儲かる』『無料セミナー開催』……こんな誘い文句の広告があったら、まず詐欺に誘導されると疑ってかかってください」