先日速報で、東京国立博物館で開催される特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」を紹介しましたが、いよいよ詳細が発表さたのであらためて紹介したいと思います。
およそ800年以上前に描かれ、色彩のない白描の絵巻でありながら国宝として多くの人たちを魅了し続けている「鳥獣戯画」。動物や人物たちがさまざまな儀式や行事、遊戯に興じる様子が躍動的に描かれています。
国宝の中でもとりわけて人気の高い「鳥獣戯画」なので、これまで数多くの「鳥獣戯画」展が開催されてきました。東京国立博物館でも5年前に開催されたばかりなのですが、今回の特別展はこれまでのものとはスケールが全く違います!
鳥獣戯画の全巻全場面を一挙公開
鳥獣戯画には甲・乙・丙・丁の4巻が存在するのですが、なんと今回の特別展では全巻の全場面が公開されます。これまでの展覧会では、会期中に巻き替えを行い違う場面を展示する手法をとっていましたが、今回は、会期中ず〜っと4巻の全場面が展示されます。
鳥獣戯画と一括に言っても、場面によって描かれた年代や描いた絵師も違います。通期ですべての場面が展示されることで、場面による筆運びの違いなども確認することができるでしょう。
断簡や模本も集結
鳥獣戯画は、一部が本体と切り離され、掛け軸などに仕立て直されているものも存在します。そういった断簡も今回は展示。また、原本ではすでに失われた場面を留める模本も国内外から一堂に集めて紹介されます。
明恵上人ゆかりの品々も展示
鳥獣戯画の伝わる高山寺は、鎌倉時代の僧、明恵上人によって再興され、多くの文化財が伝わります。本展では、高山寺の開山堂に安置され、「秘仏」として普段は公開されていない重要文化財「明恵上人坐像」を27年ぶりに寺外で公開。
さらに明恵上人ゆかりの品々も展示されることになっています。
「鳥獣戯画」というと、兎や猿たちがコミカルに描かれた場面が取り上げられることが多いですが、実は人間たちが主役の場面も数多く描かれているんです。丁巻においては、素人目でも明らかに他の巻とは筆運びが違うことが確認できます。
そういった、これまで知らなかった鳥獣戯画を堪能することができるが、本展の魅力。まさに”鳥獣戯画のすべて”です。
特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」は7月14日(火)〜8月30日(日)の期間、「東京国立博物館 平成館」で開催されます。夏休み期間なので、お子さんがいる方はぜひご家族で、鳥獣戯画の世界を堪能してみてはいかがでしょうか?
特別展 国宝 鳥獣戯画のすべて
- 場所:東京国立博物館 平成館
- 開催時期:7月14日(火)〜8月30日(日)※ 前期:7月14日(火)~8月10日(月・祝)、 後期:8月12日(水)~8月30日(日)
- 開館時間:午前9時半~午後5時 ※金曜・土曜は午後9時まで開館、※7月26日(日)~8月9日(日)、8月25日(火)~30日(日)の月曜~木曜、日曜日は午後7時まで開館、※本展への入場は、閉館の60分前まで
- 休館日:7月20日(月)、8月11日(火)、17日(月)、24日(月)