猫の運動能力はとっても高いとは言われてはいるものの、普段お家でまったりしている愛猫を見てるとちょっと想像がつかないかもしれませんね。
そんな猫も、実は運動会に出場したらすごい能力を発揮できるかもしれません。
今回は、もし猫が運動会に出場したらどんな能力を活かせるのか、猫の身体能力のヒミツとあわせて解説します。猫ってやっぱりすごい!
100m走は人間よりも速い!しなる背骨が速さのヒミツ
猫の走るスピードは、最高速度で時速約48km。この速さで100m走に出場すると、なんと約7.5秒という記録をたたき出すことができ、人間の100m競技の世界記録を上回ります。
この速さのヒミツは……?
バネの役割をする背骨
猫をはじめとするネコ科の動物の背骨は大きくカーブしています。全身を使って、この背骨を駆使することにより、背骨が強力なバネの役割をして、跳ねるように走れるのです。
速く走れるように進化した後ろ足
猫の後ろ足の指が5本ではなく4本だということをご存知ですか?これは、走る際に負荷がかかりやすい後ろ足の面積を狭くすることで、地面を蹴る力を集中させ、速く走れるように進化した結果だといわれています。
高跳び編!体長の約4倍強を跳べるジャンプ力
猫が高跳びに挑戦した場合の最高到達点は、約1.8mです。猫の体長を40cmと考えた場合、なんとその4倍以上もの高さを跳べるという記録になります。
後ろ足のバネの発達がカギ
猫の優れた跳躍力のヒミツは、後ろ足の骨格にあります。かつて単独で狩猟を行っていた猫は、つま先立ちの状態で歩行するようになり、後ろ足の屈折部分が1つ増えて3つになりました。このため、バネが強化され、より高くジャンプできるようになったのです。
ボクシングもできる!?かわいい猫パンチの動きのヒミツ
猫が前足で行うかわいい「猫パンチ」。その強烈なフックは、ボクシング競技にも活かせるかもしれません。
横殴りの動きはネコ科の特徴
猫が横殴りできる理由には、前足の骨格が関係しています。実は、猫の前足の骨は、前足の動きを支える鎖骨と筋肉でつながっているだけなのです。そのため、前足を上下にしか動かせない犬などの動物と違い、猫は前後左右、自由に動かすことができ、猫パンチを繰り出せるというわけです。
猫の苦手な競技は?
いろいろな競技で大活躍できそうな猫ですが、不得意な分野もあるはず。猫が苦手で負けそうな種目とは……?
水泳
多くの猫は水に濡れることを嫌います。水の中に入るのも嫌がるため、水泳種目は記録どころではなく棄権になりそうです。ただし、別名「スイミングキャット」と呼ばれるターキッシュバンは、水を好む傾向があり、2kmもの距離を泳いだ猫もいるのだとか。
フェンシング
猫には、先のとがったものを見ると本能的に鼻を近づけたり、スリスリしたりする傾向があります。そのため、剣先を使って行うフェンシングでは負けてしまいそうです。
すやすやと眠っている猫の姿からは想像しにくい、優れた身体能力。これは、主に進化の過程で骨格が発達したことに由来するものだったのですね。お家の中では、高い場所に愛猫専用のスペースを設置するなど、猫の身体能力を発揮できる快適なお部屋をつくってあげてくださいね。
参考/「ねこのきもち」2016年8月号『“アニマル陸上”、開幕!いろんな動物と比べてわかった 猫のスゴイ身体能力』(監修:哺乳動物学者 川崎市環境影響評価審議会委員 「ねこの博物館」館長 日本動物科学研究所所長 今泉忠明先生)
文/hattori
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。