cat_7_issue_oa-huffpost oa-huffpost_0_8dd1720cf473_ワニに襲われた9歳の少女を救った11歳の少女。 ワニの両目を指で…… 8dd1720cf473 0

ワニに襲われた9歳の少女を救った11歳の少女。 ワニの両目を指で……

2019年11月3日 12:35 ハフポスト日本版

アフリカ大陸の南に位置するジンバブエ共和国のシンデレラ村で、11歳の少女の勇敢な行為がワニに襲われた少女の命を救った。

地元メディアによると、事件があったのは2019年10月中旬。

小川で泳いでいた9歳のラトヤ・ムワニさんが、「何かに噛まれている!」と叫び声をあげたという。

叫び声を聞いた11歳のレベッカ・ムンコンブウェさんは、ラトヤさんが水中に引きずり込まれそうになっているのを見て、すぐに小川に飛び込んだ。

そして、ワニがラトヤさんの太ももを噛んでいることに気づくと、なんとワニにまたがってワニを叩き、両目を指でえぐったという。

ワニはラトヤさんを離し、レベッカさんはラトヤさんを岸まで引き上げた。ラトヤさんは軽傷で、レベッカさんにも怪我はなかった。

レベッカさんは地元メディアの取材に対し、一部始終を次のように語っている。

「私は岸にいた他の7人の子どもたちの中で一番年上だったので、私が彼女を助けなければと思いました。

私は水に飛び込んで、彼女が溺れそうになっている場所まで泳ぎました。

ラトヤは、何かに噛まれ引っ張っられていると、痛みで叫んでいました」

「私はワニの上に飛び乗り、素手で叩いて、彼女を離すまで指を両目に突き立てました。

ラトヤが自由になったので、岸辺まで彼女を連れて泳ぎ、他の子たちが彼女を水から引っ張り上げました。

幸運なことに、ワニはラトヤを解放した後、私たちを攻撃してきませんでした」

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cat_7_issue_oa-huffpost oa-huffpost_0_221d2abbad6c_ラグビーワールドカップ、ヘンリー王子が南アフリカのロッカールームで見せたノーサイドの精神 221d2abbad6c 0

ラグビーワールドカップ、ヘンリー王子が南アフリカのロッカールームで見せたノーサイドの精神

2019年11月3日 10:55 ハフポスト日本版

ラグビーワールドカップ日本大会は11月2日に決勝戦が行われ、南アフリカがイングランドに32ー12で快勝し、3大会ぶり3度目の優勝を決めた。

10月26日のニュージーランド・オールブラックスとの準決勝後、英王室のヘンリー王子はInstagramで「なんて素晴らしいゲームなんだ!僕らのチームが、またもやファンタスティックなプレーを見せてくれた。

よくやった!私たちみんな、あなた方のことを心から誇らしく思っている!」と歓喜のメッセージを投稿。

決勝戦も、南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領とスタンドからゲームを見守り、試合後はラマポーザ大統領と抱き合い、健闘を称え合った。

さらに、ヘンリー王子は優勝した南アフリカ代表のロッカールームを訪れた。

ロッカールームでは優勝を祝ってビールを片手にダンスする選手の姿も見られたが、ヘンリー王子はシヤ・コリシ主将をはじめとする選手一人一人と記念撮影したり握手やハグをかわしたりして、勝利を称えた。

ラグビーの大ファンとして知られるヘンリー王子は、Instagramにイングランド代表チームへのメッセージも投稿。

「今夜はイングランドの夜ではありませんでしたが、この数カ月でイングランド代表チームが成し遂げたことを、国民全員が心から誇りに思っています。胸を張ってください。あなた方はこれ以上望むべくもないほど素晴らしい仕事をしました」

さらに、開催国の日本に対しても「Arigatu gozaimasu Nihon」と感謝の言葉を寄せた。

ラグビーワールドカップの決勝では、イングランド代表が表彰式で準優勝メダルを拒否したとして批判が上がっているが、ヘンリー王子はラグビーのノーサイド精神を体現したかたちだ。

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cat_7_issue_oa-huffpost oa-huffpost_0_3184b7b3efa1_外国人が住みたい・働きたい国ランキング1位のスイス。何がそんなに魅力的?実際に訪れて探ってみた 3184b7b3efa1 0

外国人が住みたい・働きたい国ランキング1位のスイス。何がそんなに魅力的?実際に訪れて探ってみた

2019年11月2日 17:21 ハフポスト日本版

もしも日本を飛び出して海外に住んで働くとしたら、どの国が良いのだろう?

7月に発表された、HSBCホールディングスが毎年実施している『外国人が住みたい、働きたい国のランキング』。

2019年の首位はスイスだった。

スイスと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、アニメ『アルプスの少女ハイジ』を連想させる雄大なアルプスに囲まれた大自然や、チーズフォンデュが名物といったところだろうか。

また、永久に他国間の戦争にかかわらないことを条約で定めた『永世中立国』であることを習ったという人も多いかもしれない。

スイスは本当に住みやすくて働きやすい国なのか。

何が人々を惹きつけるのか。

理由を探るため、実際に訪れて探ってみた。 

参考にしたい、スイス人の“休み”の概念まず訪れたのは、チューリッヒ。

スイス最大の都市で、経済の中心として重要な役割を担う金融都市でもある。

さぞ活気に溢れた街なのだろうと期待して訪れたのだが、中央駅を少し離れれば、予想に反してものすごく静かな印象だった。

確かに到着したのは日曜日の夕方だったが、それにしても穏やかである。

街中のアップルストアはひっそりと佇んでいて、営業をしていなかった。

日本の銀座の店舗とのギャップに驚く。

行列ができる土日に営業をしていないなど、日本では有り得ないことなのではないだろうか。

チューリッヒはスイスの中で一番人口の多い都市で外国人労働者も多い。

いったい、人はどこに行ったのだろう?

しばらく歩くと公共広場にたどり着き、その答えはすぐに分かった。

リンデンホフの丘と呼ばれる、街を一望できる公園は多くの人で賑わっていた。

そこにいたのは観光客だけではない。地元の人たちはフランスが発祥の「ペタンク」という球技やチェスに興じていた。

チェスをしていたチューリッヒ在住のスイス人男性に話を聞いてみると、「特別な仕事をしている人はわからないけど、スイスでは土日に働くことは少ないと思う。休日は家族や友人たちとゆっくりと過ごす時間を大事にしてるから」という。

もう少し、私は踏み込んで質問を投げかけてみた。

「日本で働いていると、周りが取っていないからという理由で有給休暇を取らない人もいて、結果、休暇が自然に消滅したりするんです。スイスはどうですか?」

男性は少し呆れた表情を見せてくれた後に少し笑って、こう返してくれた。

それは、「休むと申し訳ない」と日本人が思うからなの?だとしたらその意識はスイスの人にはほとんどないと思う。休むことも働く上で大事な権利なんだから。休みの申請を躊躇したりはしないよ。
休むことで、自分がちゃんと“整う”ということを知っているから...。

この話を聞いて、私は決めた。

もう休暇を申請するときに「申し訳ありませんが...」と前置きするのはやめようと。

なぜスイスでは総選挙の最大の争点が“環境問題”となるのか?続いて訪れたのは、首都ベルン。

旧市街が世界遺産になっているという歴史の深い街だ。

だが、私が訪れていた期間は少々いつもと様子が違った。

穏やかな空気が流れる旧市街を離れると、気候変動への対応を訴えるデモが行われていた。

スイスでは10月20日に総選挙が行われたばかりだが、私が訪れた時、「今回の選挙の一番の争点は何だと思いますか?」と街ゆく人に聞いて返ってきた答えは、「環境問題だろう」という声が圧倒的だった。

確かに街を流れる川の水の美しさを見れば、人々が日頃から環境への意識を高く持ち、この美しい街の姿を維持したいと考えるのも頷ける。

“自分たちの住む国が美しい”ということが、スイス人である彼らの誇りなのだと感じた。

とはいえ、その意識の高さには流石に驚いた。

今の日本では、環境問題が選挙の最大の争点になることなど、おそらくないだろうから...。

ワードやキャンペーンが大切なんじゃない。スイス人の意識から学べること環境を意識してか、スイスの他の主要な街でも、シェアして使える自転車や電動キックボードなどを利用する人々を本当に多く見掛けた。

日本でも「SDGs」という言葉自体は聞く機会が増えたものの、東京の街を見ても移動手段のシェアリングがこのレベルまで浸透しているとはまだ言い難いだろう。

興味深かったのは、スイスの街を行き交う人に「『SDGs』って言葉を知っていますか?」と聞くと、意外にも知らない人が多かったことだ。

スイスのジュネーブには、国連の欧州本部が置かれているのに。

だが、話を聞いていて感じたのは、ワードを知らなくても環境に意識を向けるのはむしろ「当たり前」というスイス人の意識だ。

日本は、“プレミアムフライデー”にしろ、“働き方改革”にしろ、“SDGs”にしろ、ワードやキャンペーンを浸透させることが先になってはいないだろうか。

住みやすい環境は自然の意識の中で作られるべきなのかもしれないと、改めて感じた。

ちなみに先のスイスの総選挙では、環境対策を訴えた「緑の党」が議席を大幅に増やす躍進を遂げた。

「働くということも、自分らしさを表現する重要な要素」元CAの転職話から見えたものベルンに滞在した日の夜は、スイスのある家庭を訪問した。

出迎えてくれたのは、ベルン近郊の街に住むワイマンさん一家。

夫妻は共にジャーナリストとして仕事をし、すでに社会人となっている娘さんが2人いる4人家族だ。

この日は次女は仕事のため不在だったが、ワイマンさん夫妻が振舞ってくれたスイスの家庭料理を食べながらじっくりと話を聞いた。

特に印象に残っているのは、長女・レナさんとの会話だった。

レナさんは現在24歳。看護師を目指して専門学校に通う学生だ。

しかし、つい最近までは妹と共にスイス航空で客室乗務員として働いていた。当時は業務で成田に来ると毎回寿司店に立ち寄るのが楽しみだったという。

レナさんはなぜ今、全く違うジャンルの仕事に就くことを目指しているのだろうか。

私は気になって聞いてみた。

するとレナさんは、笑顔でこう答えてくれた。

CAの仕事は本当に楽しかったんです。だけど、人生は一度きりだから全く違う仕事にチャレンジしてみようと思ったんです。

働くということも、自分らしさを表現する重要な要素の1つだと思う。

だから、たしかに学校に通うのは大変だけど、興味があった看護に関する勉強ができているのは楽しいですよ。

筆者は30歳の転職経験者だが、日本の転職市場では異なるジャンルの新たな仕事に“挑戦する”ための転職というより、あくまでもこれまでに身につけたスキルを“活かす”ための転職が多く、特に年齢は上がれば上がるほど新しい仕事に挑戦できる間口は狭まっているような印象を持っていた。

そのため、さらにスイスの転職事情について尋ねてみた。

「スイスは門戸が平等に開かれている国」レナさんが元客室乗務員だったので、前から気になっていたことを彼女に投げかけてみた。

日本の客室乗務員は、その業務が専門的ゆえに転職が困難となっているという見方があるようなのだ。

たしかに、私の友人の客室乗務員も同じ悩みを抱えていたので、否定はできないのかもしれない。

スイスではどうなのだろう?

このことについて彼女に話を聞いてみると、逆に「どうしてそんなことになるの?」と聞き返された。

彼女はこう続けた。

スイスは世界的にも有名な工科大学があったり、教育水準はものすごく高いと思う。

大学に入ったとしても、もしレベルについていけなければ落第することも日常茶飯事だから。仕事を得ることも、別に簡単なことではないと思う。

それにスイスは地理的にもドイツ語圏・フランス語圏・イタリア語圏と大きく3つに分かれているから、もしかすると職を得るために言語の面で高いハードルが生じる人もいる。

でも一方で面白いことに、スイスはその3つの言語圏の人々がそれぞれの地域に誇りを持ちながら、うまく共生出来ているんです。

転職でも教育でも、スイスは門戸が平等に開かれている国。どんな仕事をするかというところまで社会に制限されることはないと思う。自分で選択ができる。

大学を中退したり、勉強する分野を変えたり、たとえ落第して世界に旅に出たとしても、それに対してスイスの社会は寛容であるというか...。もしかすると、日本とはその辺りが違うのかもしれないですね。


約1週間、スイスの様々な都市を巡ってみた。

見聞きしたことは当然一部にすぎないかもしれないが、ランキングのデータを見るだけでは決して分からない魅力をしっかりと肌で感じることが出来た。

そして、スイスで触れた考え方の中に、日本が今抱えている様々な問題を解決に導くヒントがあるようにも思えた。

美しい環境を守るために声をあげること。

心を整えるために休んだり、自由なキャリアを自ら選ぶこと。

スイスに住む人々にとってはその全てが、“自分らしく生きる”ということにごく自然に繋がっているのだろう。

そして、それらを受け入れる寛容な社会があるのかもしれないと思った。

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cat_7_issue_oa-huffpost oa-huffpost_0_03bb7b4815c1_初めて「同性カップル」とカミングアウトして引っ越ししてみた 03bb7b4815c1 0

初めて「同性カップル」とカミングアウトして引っ越ししてみた

2019年11月2日 17:11 ハフポスト日本版

引っ越しをしました。

今回、不動産屋で初めて同性カップルであることを伝えた上で家を探しました。

 「ふつう」に対応されることの嬉しさを感じつつ、「引っかかりポイント」もいくつかあったので、この経験を備忘録として残したいと思います。


カミングアウトできなかった2年前の引っ越しパートナーと一緒に住み始めたのは2年前。

私の大学卒業をきっかけに「二人で住んだ方が家賃も半分になるし」ということで一緒に住むことにしました。

その時もカミングアウトすべきか悩んだのですが、不動産屋の受付で「お二人のご関係は?あ、もちろんソッチ系じゃないと思うんですけど」と笑われ即座に断念。

別の不動産屋でも、男性同士のルームシェアを数件断られました。

なんとか見つかった家を契約しましたが、続柄には「友人」と記入。

2DKで完全に部屋が別れているタイプの物件だったのですが、担当者に「女の子連れ込みたい放題ですね」と言われて苦笑いしたのを覚えています。

とはいえミッションは「家を借りること」なので、目的は達成。契約更新までの2年間、まずまずな暮らしができたと思っています。 

はじめてのカミングアウト今回引っ越したのには大きな理由があるわけではなく、家の日当たりが悪かったり、通信電波が入りにくかったり、駅前のお店の種類がもうすこし多いといいなという理由で、もうすぐ更新月ということもあり引っ越すことにしました。

SUUMOで目ぼしい物件を探して、パートナーと二人で不動産会社を訪問。対応してくれたのは若い男性の担当者でした。

受付表を記入して、さっそく「お二人のご関係は?」と聞かれたので、はじめて「パートナーです」と伝えました。

隣に座っていたパートナーは(おそらく無意識に)かぶっていた帽子を深くかぶり直していました。私も軽く握っていた拳に少し力が入り、心拍数もあがった気がします。

担当者の発した言葉は「そうですか。」ただそれだけでした。

あとは、「他に良いなと思った物件があったか」とか、「駅から徒歩何分が良いか、他に条件はあるか」など。

2年前は、2DKしか想定できなかったのですが(理由は、“友人どうしのルームシェア”なのにベッドが一つだとおかしいだろうと思ったから。)

今回は、ベッドが一つであることを伝えると「じゃあ1LDKも良いですね」と通常対応。“ふつう”に対応されるのが結構嬉しいものだなと感じました。

担当の方に後から聞いてみた所、以前30代の同性カップルの家探しを対応したことがあるそう。

自治体の「パートナーシップ制度」が導入されてから数年が経過しています。社会は少しずつ変わってきているのかな。


全てスムーズに行くわけではない男性二人の場合は大屋さんからNGが出る可能性があると言われ、「一つずつ確認していきましょう」と。

第1希望の物件はやはり断られました。

ちなみに担当者の方によると男性二人が断られてしまう理由は「友人を呼んだりうるさい・近所迷惑・汚い」だそう。

一見しょうがないと思うかもしれませんが、しかし、2017年のリクルート住まいカンパニーの調査によると、不動産オーナーの約46%がゲイカップルに対して「入居許可をためらう/他の希望者をなるべく優先する」や「入居してほしくない」と回答しており、残念ながら「うるさい・近所迷惑」などの理由ではない部分による差別的な取り扱いが起きてしまっている現状があります。

私はパートナーシップ制度を導入している自治体に住んでいますが、「パートナーシップ制度を利用した方が良いですか」と担当の方に聞いても、「わからない」という回答でした。

結局、今回は書類上は「男性二人のルームシェア」ということで申請。第2希望の家を内見し、無事契約することができました。


まとめ:相談できる幅が広がったいざ引っ越し。前の賃貸の解約、水道・電気・ガス、インターネットの契約、いらない家具の処分など、引っ越しって大変ですよね。

ダブルベッドしかない家に男性二人で住んでいるので、引っ越し業者が見積もりに来る際に、どんな反応されるのかと少しどぎまぎしたシーンがありましたが、無事引っ越しも終えました。

まとめとしては、2年前の家探しよりも、カミングアウトして探した今回の方が明らかに精神的に楽で、担当者に相談できる幅も広がりました。

しかし、実際に第1希望の家は断られるなど、男性の二人暮らしという属性が断られやすいという課題はあります。

今回はたまたま同性カップルを対応したことがある担当者ということで、カミングアウトしてもスムーズに行きましたが、他の担当者だったらどうだったか。

必ずしも全ての不動産担当者へのカミングアウトがスムーズに行くわけではないでしょう。

引っ越し業者の見積もりや、当日の業者の対応など、カミングアウトしていない他人と対面する際に家の中を見られるというのは(例えばダブルベッドが一つだけなど)否が応でも私たちの関係性を察せられる状況が生じます。

この辺りも含め、そもそも心理的なハードルが低い、安心して利用できる不動産会社や引っ越し業者が可視化、増えていくと良いなと思いました。
 
この記事は2019年10月31日note掲載記事
「初めて『同性カップル』とカミングアウトして引っ越ししてみた」より転載しました。

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cat_7_issue_oa-huffpost oa-huffpost_0_4089d4e12083_是枝監督「公益と国益は区別して考えるべき」。補助金不交付を受けて独立映画鍋が緊急集会を開催。 4089d4e12083 0

是枝監督「公益と国益は区別して考えるべき」。補助金不交付を受けて独立映画鍋が緊急集会を開催。

2019年11月2日 17:06 ハフポスト日本版

10月23日(水)、主に映画制作の関係者らで構成されるNPO法人独立映画鍋は「【緊急集会】なぜ芸術に公的支援は必要か?みんなで考えるニッポンの文化〜あいちトリエンナーレ補助金不交付問題を受けて~」を開催。

是枝裕和監督、諏訪敦彦監督をはじめとする映画関係者らが下北沢アレイホールに集まった。

NPO法人独立映画鍋は、映画を通じて、すべての人が世界の多様性に触れられる、民主的な社会の実現を目指して活動している団体だ。

文化庁が9月26日に決定した「あいちトリエンナーレ2019」への補助金不交付を受けて、NPO法人独立映画鍋は10月10日、文化庁に対して抗議声明を出している。

集会の冒頭で、独立映画鍋の代表理事・土屋豊監督は、「抗議声明の文面を考える過程で、映画に関わる人たちの声があまり出てこなかった。映画に関わる人たちは率直にどう考えているのか?SNSではなく生の声を聞きたい」と開催趣旨を説明した。

これを受けて参加者たちは、「芸術に税金を使うということはどういうことなのか?」「表現の自由と検閲」「公益性とは?」「今後の文化庁との向き合い方」などのテーマについて議論を重ねた。

芸術に税金は使われるべきか?

独立映画鍋の共同代表・深田晃司監督は、「芸術は自分の金でやれ」という声がネットなどで上がっていることに対して、「自腹でやればいいとなった時にそれができる人は限られている。

文化の多様性を守る上では障壁となる考え方だ。

一般の人からそういう意見が出るのはまだわかるが、文化芸術に携わる人たちからもそういう意見が出ている。

そこまで戻って話さなければいけないのかという気持ち」と述べた。

また、ゴッホの作品が、死後に評価された例を出し、「芸術文化の価値は、その時の市場原理の評価だけでは測りきれないものがある」とし、芸術に公的な補助金が投下されることの意義を説明した。

自主映画を制作しているという参加者からは、「映画にお金が必要なのは当たり前。返済する必要のないお金があれば、色々なジャンルの映画が作れる」との考えも出たが、土屋監督は「『必要だから税金で賄う』では、映画に興味のない納税者は説得できないと思う」と述べた。

土屋監督によると、実際に文化庁の関係者からは、「もっと映画人たちから納税者に対して説得力のある説明や言葉がほしい」との声もあがっているといい、「文化庁も我々も、もっと納税者に対して説明をしていく努力が必要だと思う」と話した。

他にも参加者からは、「芸術に対して国民の関心を十分に集められていないと思う」といった声や「そもそも芸術家は国にとって良いものなのか。独裁国家からすれば邪魔なはず。日本はどうなのか?」などといった疑問も寄せられた。

芸術に公的な補助金が出されることについて、出席した是枝裕和監督は、次のように語った。

問題なのは、公益と言われているものと、国益と言われているもの、その区別が付いていないということ。本来、文化を巡って語られる公益というのは、公共の福祉に繋がっていくもので、社会を豊かにしていくもの。でも、文化庁が使おうとしている公益というのは、法の秩序という言葉と同義になってしまっている。
そうすると、国益に反する人間に公的な助成が出るのはいかがなものかという意見が出てくる。国益と公益が区別できない人にとってそれは当然の意見となる。ここ20年で、公共・公益という言葉の価値が、全部国益に回収されてきている。それは映画だけではなくて教育でもそうだし、文化全体も、価値観が一元化されてきている。そういう流れの中で、今回のあいちトリエンナーレの問題が起きたんじゃないかという認識でいる」

また、「もちろん作り手に対する助成は必要だと思うが、フランスで聞いた話では、高校生たちが映画を見る時に国からお小遣いが出る。見る側の環境を充実させていくために税金を使えば、公益性について反対する人は少ないと思う。そういうことも大切なのかもしれない」と話した。

身の危険がある状況で、どう「表現の自由」を守っていくべきか

現在上映している映画『解放区』の太田信吾監督は、大阪・西成の街を舞台にした同作品を巡り、「大阪市の助成金を受けながら制作したものの、上映する段階になって修正指示が来て、最終的には助成金を返還することを選択した」という自らの経験を語った。

「大きくあげると、覚せい剤の描写や西成という街が特定されるところ、統合失調症という病気であるとか、『どん底』というセリフなど、差別を助長するということで、10箇所くらい修正指示が来ました」

集会には、あいちトリエンナーレでキュレータ―を務めた相馬千秋さんもスカイプで参加。

「公共の文化事業における検閲については、身をもって体験している」という相馬さんは、太田監督の事例について「表現することで差別を助長するという論理だと思うが、それは内容的な検閲になる」と話した。

また、「あいちトリエンナーレでは、日本でいう”検閲”と、海外アーティストの捉えている”検閲”という言葉にはズレがあった」という。

「あいちトリエンナーレでは、大村さんや津田さんが『リスクマネジメントとして中止した』という趣旨の説明をしているが、ボイコットした海外アーティストたちは、リスクマネジメントをすること自体が検閲だと考えている。だから全く納得してくれなかった。
ここが今後考えるべきポイントではないかと思う。確かに身の危険を感じる状況ではあった。そういう中でも表現の自由を守らなければならないとなった時に、どういうプライオリティで実施していくのか。今後問われていくと思います

ドキュメンタリーのプロデューサーとして活動しているという参加者は、日本と海外の検閲の状況について話した。

「アジア人の映画人が集まってまず何を話すかというと、検閲の話。マレーシアもシンガポールも韓国も中国も検閲がある。一方で助成金もある。日本は自己検閲。日本では、政府から『これ以上は上映するな』と言われることはない。助成金のあるなしと、検閲があるなしは、別の問題」

また別の参加者からは、「日本は検閲自体はあまりないと思っている。過去に漫画の中に警視庁のワンカットを入れたら削ってと言われたことがあるが、最終的には交渉することで入れることができた。結局は上を見て勝手に動いている人たちがいるだけなんじゃないか」との意見も出た。

社会の文化芸術に対する理解は?

議論は、文化庁所管の独立行政法人「日本芸術文化振興会」(以下、芸文振)が、本年度の助成金支援を決めていた映画『宮本から君へ』について、7月に交付内定を取り消していた問題にも及んだ。

深田監督は、「『宮本から君へ』については、あいちトリエンナーレとは別の文脈で考えた方がいい。文化庁がやめろと口出しをしたのではなくて、文化庁の所管で独立した機関である芸文振が決定したことが深刻な問題だと思う。なぜ国から独立しているはずの機関が国の立場を慮らないといけないのか?」と疑問を呈した。

東京芸術大学で教授を務める諏訪敦彦監督は、あいちトリエンナーレと『宮本から君へ』を巡る問題について以下のように語った。

「これは教育の問題だと思う。社会の文化芸術に対する理解について、僕たちがこれまでかんでこなかった。
特にあいちトリエンナーレでは、『天皇を侮辱するのがアートなんですか?』『こんなのにお金を出すんですか?』という意見が出たが、それは同調しますよね。いくら『いや、これは表現の自由ですよ』と言ってまともに議論をしても、出口はない。『不快だ』ということにどう対抗するのか?むしろ『だから助成金が必要なんだ』ということが前提として共有できていなかった。
″快”か”不快”か?というのは、アートかどうか?とは別の価値基準。一見筋が通っているように見えるが、アートに対する理解は全くできていない」

また、舞台に携わっているという参加者は、「一番の脅威は、芸術活動への無関心だと思う」とした上で、「直接的に好んで芸術を見るということだけではなくて、こういう芸術活動が社会にあるということを、みんながどう捉えるか、肯定的に捉えていけるか、そこの価値を高めていく必要があると思う」と意見を述べた。

独立映画鍋は、11月4日に文化庁が開催するシンポジウム「国際共同制作の今を語る」で企画協力をしている。

独立映画鍋の共同代表・深田晃司監督は、今後も文化庁と協力していく方針を明らかにした。

「まず抗議声明を出すか出さないかで議論があった。出すことによって文化庁との関係が絶たれるのではないか?、11月4日のシンポジウムもボイコットした方が良いのではないか?という意見もあった。でも、対話の道は閉ざすべきではない。協力してやっていきたい」

代表理事・土屋豊監督は、「映画鍋としては、今後も文化庁とは繋がっていたい。映画鍋が現場の声を伝える役割を果たしたい。逆に文化庁の声も現場に伝えていきたい」と話した。

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cat_7_issue_oa-huffpost oa-huffpost_0_911aca81a2ee_「バーベキューが生涯無料」アメリカのレストランが思い切った“特典”を用意。その理由は? 911aca81a2ee 0

「バーベキューが生涯無料」アメリカのレストランが思い切った“特典”を用意。その理由は?

2019年11月2日 17:01 ハフポスト日本版

「バーベキューが生涯無料」

アメリカ・インディアナ州にあるバーベキューレストランが、驚きの“特典”を用意した。CNNなどの海外メディアなどが、10月28日に報じた。

思い切ったサービスを提供するとした背景には何があったのだろうか?

CNNの報道によれば、“特典”を用意したのは、バーベキューレストラン『Rusted Silo Southern BBQ & Brew House』。

オーナーのロブ・エッカーさんは、10月18日の閉店後、何者かが店に押し入り、窃盗被害に遭ったと説明。

窃盗犯とみられる人物は、レジから現金を盗み、さらには店にあった100年もののレジも壊していた。

19日の朝、配送を担当する運転手が不法侵入を通報したという。

その後、エッカーさんは情報提供を呼び掛けるためのポスターを作成。

そのポスターには、「逮捕につながる情報を求む。報酬はバーベキューが生涯無料」と書いた。

“特典”は、犯人の情報提供に対する“報酬”だったのだ。

制作されたポスターは来客に配布したり、地元の保安官事務所などにも掲示された。

ポスターの内容が拡散されると、エッカーさんはポスターと一緒に自撮りを撮ってSNSに投稿した客に対して割引もするようになった。

窃盗の被害があって以降、インディアナポリスの街ではレストランを支援しようと人々が訪れていて、商売は好調だという。

新しい鍵やポータブルカメラを贈ってくれたり、二度と強盗が起きないようにするため、「駐車場で夜を明かす」と言ってくれたりする人もいたという。

『FoxNews』は、10月25日までに犯人逮捕につながる情報は寄せられていないと明らかにした。

また、報酬として提供されるバーベキューは、1週間あたり25ドル(約2700円)ほどの換算になるという。

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cat_7_issue_oa-huffpost oa-huffpost_0_791d678ff745_「わたしは、ベーコンです。」在日米海軍のハロウィン仮装。斬新すぎて自らネタバラシする羽目に 791d678ff745 0

「わたしは、ベーコンです。」在日米海軍のハロウィン仮装。斬新すぎて自らネタバラシする羽目に

2019年11月2日 16:58 ハフポスト日本版

「わたしは、ベーコンです。」

日本でもハロウィンが浸透してきたが、さすがこの仮装は斬新すぎて伝わらなかったようだ。

在日米海軍厚木航空施設が11月1日に、TwitterやFacebookに投稿したハロウィン衣装が、斬新すぎると話題になっている。

投稿によると、海軍兵2人が10月31日、地元綾瀬市の寺尾小学校で開かれたハロウィンパーティーに参加した。

1人は定番のルイージの仮装をしたのに対して、もうひとりは、茶色くまだらに色付けされた一反木綿のような格好で、何の仮装だか分からない。

何かと思ったら、まさかのベーコンで、それでは子供たちに伝わるはずもなかった。

「一目見ても何の仮装だかわからないとのことで、首から『私はベーコンです』という札を下げることになりました。。。。」と、自らネタバラシする羽目になったてん末をつづっている。

Twitter上では「『米軍』を『ベーコン』とかけたギャグかと思った」と深読みする人をはじめ、 反響が広がった。

ただ、検索するとベーコンのコスチュームがネット販売されており、“ありえない衣装”というわけでもなさそうだ。

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cat_7_issue_oa-huffpost oa-huffpost_0_538b5986442b_【ラグビーワールドカップ】「君はチームの一員だから」イングランド代表を支えた日本人選手。 538b5986442b 0

【ラグビーワールドカップ】「君はチームの一員だから」イングランド代表を支えた日本人選手。

2019年11月2日 16:29 ハフポスト日本版

ラグビーワールドカップは11月2日午後6時から、イングランドと南アフリカが決勝を戦う。

絶対王者のニュージーランドを破り決勝に駒を進めたイングランドを、陰ながら支え続けたきた日本人選手がいる。

サントリーサンゴリアスの大越元気選手だ。

BBCによると、けがをしたウィリー・ヘインズ選手の代わりに、大会期間中の数週間、帯同選手としてイングランド代表の練習や最終調整を手伝った。

最終日の10月31日、感謝の印として、イングランド代表から大越選手に感謝のメッセージと、選手一同の名前入りのTシャツが送られた。

別れのシーンを撮影した動画が、イングランドのラグビー・フットボール・ユニオンの公式Twitter上に投稿されている。

「君は私たちのチームの一員だから、週末の決勝戦のチケットを用意したよ」

ベン・ヤングス選手がそう切り出すと、選手たちが拍手を送った。

ヤングス選手から手渡されたのは、選手ひとりひとりの直筆の名前が入った、イングランド代表のTシャツ。

2人は握手を交わした後、ハグをしてお互いをたたえた。

大越選手は、次のような感謝と応援メッセージを返した。

「ありがとうございます。

僕は、一クラブチーム、日本のチームで、いつもテレビで見ているような選手と一緒にできて、温かく迎えて入れてもらって、本当に感謝の気持ちで一杯です。

ハードワークしているのも見てきているし、僕が言うのも何ですが、絶対に優勝できると信じている。これを着てしっかりと(応援します)」


大越選手の言葉に、選手たちも感謝を示した。

その後、選手たちが大越選手の元に駆け寄り、握手し、頭を撫で、ハグし、お互いをねぎらった。

動画ツイートには「今日は元気の私たちとの最後の練習の日。サンゴリアス、選手を貸してくれてどうもありがとう。

元気、君は素晴らしいスターだった。

土曜日の決勝戦を楽しんで」と言う文言が添えられている。

続くツイートには、サインTシャツを着た満面の笑みの大越選手の写真も投稿された。

そんな大越選手の思いも背負って、イングランド代表は午後6時から、南アフリカ戦に臨む。

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【ラグビーW杯】南アフリカの主将、決勝戦前に父をディズニーランドに「父の最初の海外旅行なんです」

2019年11月2日 14:29 ハフポスト日本版

ラグビーW杯は11月2日、午後6時から南アフリカとイングランドの決勝戦が横浜国際総合競技場で開かれる。

その重要な一戦を前に、南アフリカの主将シヤ・コリシ選手が1日の記者会見で、父親に初の海外旅行を手配し東京ディズニーランドを満喫してもらったことを明かした。

海外メディアなどが1日に報じた。

「この日本でのW杯が、私の父の最初の海外旅行なのです」AFP通信によれば、コリシ選手は南アフリカ代表チームで初の黒人の主将でとなった。

コリシ選手は南アフリカ南部のポートエリザベスの郊外に位置するズウィデという貧困地域の町で育った。

彼の父親はこれまで国外に出たことはなかったという。

今回のW杯で母国が決勝に進出したことで、コルシ選手は試合を観戦してもらおうと父の旅を手配したのだ。

コリシ選手の父親は、日本に到着すると真っ先に東京ディズニーランドに向かったという。

ちなみに、東京ディズニーランドのある千葉県浦安市は、南アフリカ代表の公認チームキャンプ地でもある。

『SA RUGBY MAGAZINE』は、コリシ選手のコメントを紹介した。

この日本でのW杯が、私の父の最初の海外旅行なのです。
 
父と同じく親友も日本に連れてくる機会を得られて本当にうれしい。
 
父が自分の試合を生観戦するのは、2013年に私が南アフリカ代表として初めて臨んだ試合以来、今回が2度目なのです。
 
家族のためにこのような機会が与えられることは、ラグビーをしていて素晴らしいと感じることの1つです。

とても感謝しています。

コリシ選手は、「優勝してトロフィーを掲げることは、私たち代表チームにとって非常に大きなことです。

そしてそれは私たちのみならず、南アフリカという国にとっても大きなものとなるでしょう」
と、決戦に向けた意気込みを語っていた。

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外国人が住みたい・働きたい国ランキング1位のスイス。何がそんなに魅力的なの?実際に訪れてみた。

2019年11月1日 16:14 ハフポスト日本版

もしも日本を飛び出して海外に住んで働くとしたら、どの国が良いのだろうか?

7月に発表された、HSBCホールディングスが毎年実施している『外国人が住みたい、働きたい国のランキング』。

2019年の首位はスイスだった。

スイスと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、アニメ『アルプスの少女ハイジ』を連想させる雄大なアルプスに囲まれた大自然や、チーズフォンデュが名物といったところだろうか。

また、永久に他国間の戦争にかかわらないことを条約で定めた『永世中立国』であることを習ったという人も多いかもしれない。

スイスは本当に住みやすくて働きやすい国なのか。

何が人々を惹きつけるのか。

理由を探るため、実際に訪れて探ってみた。 

参考にしたい、スイス人の“休み”の概念

まず訪れたのは、チューリッヒ。スイス最大の都市で、経済の中心として重要な役割を担う金融都市でもある。

さぞ活気に溢れた街なのだろうと期待して訪れたのだが、中央駅を少し離れれば、予想に反してものすごく静かな印象だった。

確かに到着したのは日曜日の夕方だったが、それにしても穏やかである。

街中のアップルストアはひっそりと佇んでいて、営業をしていなかった。

日本の銀座の店舗とのギャップに驚く。

行列ができる土日に営業をしていないなど、日本では有り得ないことなのではないだろうか。

チューリッヒはスイスの中で一番人口の多い都市で外国人労働者も多い。

いったい、人はどこに行ったのだろう?

しばらく歩くと公共広場にたどり着き、その答えはすぐに分かった。

リンデンホフの丘と呼ばれる、街を一望できる公園は多くの人で賑わっていた。

そこにいたのは観光客だけではない。

地元の人たちはフランスが発祥の「ペタンク」という球技やチェスに興じていた。

チェスをしていたチューリッヒ在住のスイス人男性に話を聞いてみると、

「特別な仕事をしている人はわからないけど、スイスでは土日に働くことは少ないと思う。休日は家族や友人たちとゆっくりと過ごす時間を大事にしてるから」という。

もう少し、私は踏み込んで質問を投げかけてみた。

「日本で働いていると、周りが取っていないからという理由で有給休暇を取らない人もいて、結果、休暇が自然に消滅したりするんです。スイスはどうですか?」

男性は少し呆れた表情を見せてくれた後に少し笑って、こう返してくれた。

それは、「休むと申し訳ない」と日本人が思うからなの?だとしたらその意識はスイスの人にはほとんどないと思う。

休むことも働く上で大事な権利なんだから。休みの申請を躊躇したりはしないよ。

休むことで、自分がちゃんと“整う”ということを知っているから...。


この話を聞いて、私は決めた。

もう休暇を申請するときに「申し訳ありませんが...」と前置きするのはやめようと。

なぜスイスでは総選挙の最大の争点が“環境問題”となるのか?

続いて訪れたのは、首都ベルン。

旧市街が世界遺産になっているという歴史の深い街だ。

だが、私が訪れていた期間は少々いつもと様子が違った。

穏やかな空気が流れる旧市街を離れると、気候変動への対応を訴えるデモが行われていた。

スイスでは10月20日に総選挙が行われたばかりだが、私が訪れた時、「今回の選挙の一番の争点は何だと思いますか?」と街ゆく人に聞いて返ってきた答えは、「環境問題だろう」という声が圧倒的だった。

確かに街を流れる川の水の美しさを見れば、人々が日頃から環境への意識を高く持ち、この美しい街の姿を維持したいと考えるのも頷ける。

“自分たちの住む国が美しい”ということが、スイス人である彼らの誇りなのだと感じた。

とはいえ、その意識の高さには流石に驚いた。

今の日本では、環境問題が選挙の最大の争点になることなど、おそらくないだろうから...。

ワードやキャンペーンが大切なんじゃない。スイス人の意識から学べること

環境を意識してか、スイスの他の主要な街でも、シェアして使える自転車や電動キックボードなどを利用する人々を本当に多く見掛けた。

日本でも「SDGs」という言葉自体は聞く機会が増えたものの、東京の街を見ても移動手段のシェアリングがこのレベルまで浸透しているとはまだ言い難いだろう。

興味深かったのは、スイスの街を行き交う人に「『SDGs』って言葉を知っていますか?」と聞くと、意外にも知らない人が多かったことだ。

スイスのジュネーブには、国連の欧州本部が置かれているのに。

だが、話を聞いていて感じたのは、ワードを知らなくても環境に意識を向けるのはむしろ「当たり前」というスイス人の意識だ。

日本は、“プレミアムフライデー”にしろ、“働き方改革”にしろ、“SDGs”にしろ、ワードやキャンペーンを浸透させることが先になってはいないだろうか。

住みやすい環境は自然の意識の中で作られるべきなのかもしれないと、改めて感じた。

ちなみに先のスイスの総選挙では、環境対策を訴えた「緑の党」が議席を大幅に増やす躍進を遂げた。

「働くということも、自分らしさを表現する重要な要素」元CAの転職話から見えたもの

ベルンに滞在した日の夜は、スイスのある家庭を訪問した。

出迎えてくれたのは、ベルン近郊の街に住むワイマンさん一家。

夫妻は共にジャーナリストとして仕事をし、すでに社会人となっている娘さんが2人いる4人家族だ。

この日は次女は仕事のため不在だったが、ワイマンさん夫妻が振舞ってくれたスイスの家庭料理を食べながらじっくりと話を聞いた。

特に印象に残っているのは、長女・レナさんとの会話だった。

レナさんは現在24歳。

看護師を目指して専門学校に通う学生だ。

しかし、つい最近までは妹と共にスイス航空で客室乗務員として働いていた。

当時は業務で成田に来ると毎回寿司店に立ち寄るのが楽しみだったという。

レナさんはなぜ今、全く違うジャンルの仕事に就くことを目指しているのだろうか。私は気になって聞いてみた。

するとレナさんは、笑顔でこう答えてくれた。

CAの仕事は本当に楽しかったんです。

だけど、人生は一度きりだから全く違う仕事にチャレンジしてみようと思ったんです。

働くということも、自分らしさを表現する重要な要素の1つだと思う。

だから、たしかに学校に通うのは大変だけど、興味があった看護に関する勉強ができているのは楽しいですよ。


筆者は30歳の転職経験者だが、日本の転職市場では異なるジャンルの新たな仕事に“挑戦する”ための転職というより、あくまでもこれまでに身につけたスキルを“活かす”ための転職が多く、特に年齢は上がれば上がるほど新しい仕事に挑戦できる間口は狭まっているような印象を持っていた。

そのため、さらにスイスの転職事情について尋ねてみた。

「スイスは門戸が平等に開かれている国」

レナさんが元客室乗務員だったので、前から気になっていたことを彼女に投げかけてみた。

日本の客室乗務員は、その業務が専門的ゆえに転職が困難となっているという見方があるようなのだ。

たしかに、私の友人の客室乗務員も同じ悩みを抱えていたので、否定はできないのかもしれない。

スイスではどうなのだろう?

このことについて彼女に話を聞いてみると、逆に「どうしてそんなことになるの?」と聞き返された。

彼女はこう続けた。

スイスは世界的にも有名な工科大学があったり、教育水準はものすごく高いと思う。

大学に入ったとしても、もしレベルについていけなければ落第することも日常茶飯事だから。

仕事を得ることも、別に簡単なことではないと思う。

それにスイスは地理的にもドイツ語圏・フランス語圏・イタリア語圏と大きく3つに分かれているから、もしかすると職を得るために言語の面で高いハードルが生じる人もいる。

でも一方で面白いことに、スイスはその3つの言語圏の人々がそれぞれの地域に誇りを持ちながら、うまく共生出来ているんです。

転職でも教育でも、スイスは門戸が平等に開かれている国。

どんな仕事をするかというところまで社会に制限されることはないと思う。

自分で選択ができる。

大学を中退したり、勉強する分野を変えたり、たとえ落第して世界に旅に出たとしても、それに対してスイスの社会は寛容であるというか...。

もしかすると、日本とはその辺りが違うのかもしれないですね。




約1週間、スイスの様々な都市を巡ってみた。見聞きしたことは当然一部にすぎないかもしれないが、ランキングのデータを見るだけでは決して分からない魅力をしっかりと肌で感じることが出来た。

そして、スイスで触れた考え方の中に、日本が今抱えている様々な問題を解決に導くヒントがあるようにも思えた。

美しい環境を守るために声をあげること。心を整えるために休んだり、自由なキャリアを自ら選ぶこと。

スイスに住む人々にとってはその全てが、“自分らしく生きる”ということにごく自然に繋がっているのだろう。

そして、それらを受け入れる寛容な社会があるのかもしれないと思った。

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