天皇の即位を広く国内外に披露するための「即位の礼」が2019年10月22日に行われ、皇室とゆかりの深い世界各国のロイヤルファミリーが参列した。厳かな雰囲気の中で執り行われた中心儀式「即位礼正殿の儀」から一転、宮中晩餐会「饗宴(きょうえん)の儀」に出席した王妃&王女たちは、華やかなドレスに各国で受け継がれてきた宝石やティアラを合わせて、天皇、皇后両陛下をお祝い。歴史の1ページに刻まれた晩餐会から、最も印象的だった各国ロイヤルの華やかな装いをご紹介。
皇后雅子さま(日本)
『Town & Country』によると、皇后雅子さまは「1990年に行われた平成の『即位の礼』で美智子さまが着用された、明治天皇の皇后から受け継がれている“第一ティアラ”を付けて登場した」という。この華麗なティアラには、プラチナの上に1000個ものダイヤモンドがあしらわれているといわれている。
レティシア王妃(スペイン)
スペインのレティシア王妃とフェリペ6世。レティシア王妃はキャロリーナ ヘレラによる鮮やかなフューシャピンクに花の刺繍があしらわれた豪華なドレスに、「フルール・ド・リ・ティアラ」を合わせて登場。1906年にスペイン国王アルフォンソ13世がビクトリア・ユージニア王妃に贈ったこのティアラは、ブルボン家のシンボルであるフルール・ド・リ(ユリ)が中央と両サイドに3つ施されているのが特徴。ユリのモチーフは、胸元のブローチにも輝いて。
マキシマ王妃(オランダ)
マキシマ王妃は、夫のウィレム=アレクサンダー国王と共に到着。大切な日には絶大な信頼を寄せるオランダ人デザイナー、ヤン タミニオ(Jan Taminiau)によるオートクチュールドレスがお決まりだが、この日のドレスも彼にオーダー。品格漂うバーガンディカラーにジグザグプリントのあしらいが個性的。ドレスに合わせたのは「メレリオ・ルビー・ティアラ」。1881年にオランダ国王のウィレム3世が2番目の妻エンマ王妃へ贈ったメレリオ(Mellerio)によるティアラは、ダイヤモンドとルビーを組み合わせたネオ・ルネサンスなデザイン。
ヴィクトリア王女(スウェーデン)
父のカール16世グスタフ国王と共に参列した、スウェーデンのヴィクトリア王女。桜を想起させるやわらかなピンク色の繊細なレースのドレスはエリー サーブによるデザイン。そのドレスを引き立たせる、「ローレル・リース・ティアラ」は1900年頃にブシュロンによって制作され、代々スウェーデン王室に受け継がれてきたという。
メアリー皇太子妃(デンマーク)
デンマークのメアリー皇太子妃とフレデリック皇太子。メアリー皇太子妃は、ピンクのフロアレングスのドレスにスパコールがきらめくケープをはおって登場し、華やかな存在感をアピール。アクセサリーにはケープと同色のクラッチバッグと、絢爛な「ルビー&ダイアモンド ネックレス ティアラ」をチョイス。1900年から1910年に作られたといわれるこのティアラはその名のとおりネックレスとしてつけることもできるそう。
Photo: Aflo, Getty Images
Translation: Masayo Fukaya
From Harper's BAZAAR