cat_11_issue_oa-forbesjapan oa-forbesjapan_0_0c771be0eb95_いいとも終了から大赤字へ転落──スタジオアルタが見せた奇跡のV字回復劇 0c771be0eb95 0

いいとも終了から大赤字へ転落──スタジオアルタが見せた奇跡のV字回復劇

2019年9月10日 08:00 Forbes JAPAN

「スタジオアルタ」と聞けば、誰もがあの国民的番組を思い浮かべるだろう。

2014年3月31日に最終回を迎えた「笑っていいとも!」の収録が行われていたのが、JR新宿駅東口を出てすぐある「新宿ダイビル」内7階のスタジオアルタである。

アルタビジョンの前を待ち合わせの場所として使ったことのある人は多いのではないか。

そこを管理していた企業が、同名のスタジオアルタだ。当時の事業内容は大きく3つ。アルタビジョンをはじめとしたビジョンの運営、制作、番組制作、そしてスタジオ運営。

多くの人がその名を知る同企業だが、「笑っていいとも!」終了後から4期連続の赤字を計上し、17年にはその金額は約7億2千万円にも上った。

一時は清算の危機に瀕していたが、翌年の18年には7千万の黒字を計上する。たった1年で8億円以上の営業利益を上積みし、見事V字回復を成し遂げたのだ。

一体、スタジオアルタに何が起きたのか。その立役者こそ、17年10月に大きな負債を引き継ぐ形で着任した代表取締役社長の嶋田正男である。

「戦場の後のようなメチャクチャな状態でしたよ」と、嶋田は当時を振り返る。

当時のスタジオアルタには、番組からの定期的な収入源がなくなった途端にアルタビジョンや新規開業した有楽町オルタナティブシアターの家賃と償却負担が重たくのしかかる。

「笑っていいとも!」の終了後、親会社である三越伊勢丹グループとの共同出資をしていたフジテレビとの合弁が解消になり資本も減少。

嶋田着任以前の前体制の時に、一念発起して合計約15億円を投資し立ち上げた有楽町のオルタナティブシアターも収益計画を大きく下回っていた。

すると、業績の悪さは社内にも伝播する。社内では様々な問題が浮き彫りになり、労働環境の悪化も常態化していたという。

「私が社長として入社したとき、オフィスは息が詰まるほど暗い雰囲気でした。閉塞感があって、離職者も増えていました」

そんな状況の中、なぜ嶋田は引き継いだのか。

そもそも嶋田は、親会社である伊勢丹に勤務をしていた人物。

バイヤー時代から、苦戦している地域店舗が大きいことに気付き、その店舗に入り込んで立て直しを図る役割を担っていた。

その後、取締役として松山三越への出向、伊勢丹浦和店の統括部長を歴任。

ところが、一身上の事情で、役職なしで関連子会社への出向。

その出向先で任されたのは、苦戦中の伊勢丹のアウトレットショップの立て直しだった。

「当時は精神的にきつくて、人生を見つめ直す時間でした、家族や先輩たちに励まされる中、ここじゃ終われないという気持ちになりました」

かつて地方店舗の立て直しを経験していた嶋田は、その時の経験を糧に現場に入り込み地道な努力を重ねる。結果、半年間で150%成長を記録した。

奮闘を続けている最中、期中(9月末)に本社人事より異動を告げられる。

「本社への復帰通知かと思ったら、スタジオアルタへ(代表取締役社長)としての出向を伝えられました。スタジオアルタが関連会社だったこともよく知らなかったし、出向の理由さえも教えてもらえなかった。

『自分の目で見て確かめろ』と。業界の知見も人脈も皆無で、社長の経験も初めての中、よく分からないままスタジオアルタに出向しました」

嶋田は着任当初、上述のような会社の状況を見て「会社を精算する役割を期待されているんだろう」と思った。しかしその選択はしなかった。

当時社員は40数名、主力事業も不安定、赤字は7億超がほぼ確定していて、加えて社内の雰囲気も最悪。その状況下で「スタジオアルタ再建」の道を選んだのだった。

「これまでずっと立て直しばかりやってきた経験があったので、ここでもやってやろうと思いました。前例がないことをやるのが僕の仕事。前向きな気持ちだけが支えでしたね」

まず嶋田が着手したのは、赤字を垂れ流している穴を塞ぐことだった。立ち上げたばかりのオルタナティブシアターでの自主公演の中止、赤字だったコンテンツ制作事業の撤退、機能していなかったコンサルタント企業との契約解消、人件費の削減、そして、関連会社の強みを活かした減損措置など。

できることはすべて行い、約半年間で5億円の挽回の計算が立った。「債務超過は覚悟の上だった」と嶋田。

しかし、存続に向けた黒字転換の為にはあと2億円の利益が足りない。このとき嶋田が考えたのが「内部構造改革」だった。

「事業の軸のひとつに、アルタビジョンなどのメディア事業がありました。当時は代理店が持ってきたものをそのまま流すだけの受身の体制で、自分たちからアクションをすることはなかったんです」

「私もこのときはまだ自分たちの強みに気づいていなかった。けれど、徐々にできることがまだまだあることに気づいたんです」

その気付きを与えたきっかけが、現三越伊勢丹社長に紹介されて知り合った、プロ人材の知見を複数企業でシェアする「プロシェアリングサービス」を行うサーキュレーション社を通じ、嶋田が直接会って採用したIoT企業の社長だった。
彼との対話によって、自社の強み、弱みを洗い出すことを始めたのだった。

「新宿のアルタビジョンと、最大の競合である渋谷スクランブル交差点の4面ビジョンを比較すると、放映の事前告知ができ、アルタ前に人が集められること、そしてSNSと連動して拡散することにより広告主のニーズにこたえられる事などが挙げられました」

そうして自社の強みを洗い出していくと、次第に勝ち筋が見えてきた。営業戦略の転換によりアルタビジョンの収益は大きく回復。

自社で保有している劇場・オルタナティブシアターは単なる貸し館ではなく、エンタメ系企業やイベント企画運営企業、チケットシステムを提供する企業などと多角的にアライアンスを提携。

オンラインの時代だからこそのライブ感と顧客満足度を上げる仕組みを整える。

さらに、アルタビジョンの知名度と運営のノウハウを活かして三越伊勢丹へのデジタルサイネージ導入を進めるなどし、広告での収益化やインバウンド対応、さらには空間演出に至るまで幅広く貢献できるようになり事業の幅も広げ始めている。

「これまではビジョンを始めとしたメディア事業と劇場などのシアター事業を無理やりつなげようとしていました。けれど今後は、映像制作、イベント、サイネージ導入をリンクさせていき自然な形でシナジーを生み出すようなユニークな事業展開をしていきたいと思っています」

赤字の穴を塞ぎながら、自社の強みを再発見ししなやかな事業の舵取りをしていった結果、18年には黒字転換。さらに19年には倍増の営業利益を目指している。

現在も改革の途中だ。嶋田はサーキュレーション社のプロシェアリングの導入をきっかけに、直近3カ月間で約40人の他業種の経営者と会い、新規事業の種まきを続けている。

「これまでは業界内を走り回ることに精一杯で、外の人たちと接することはありませんでした。ようやくそれを始めたら新しい発見や気付きが次々とあって、やっと将来の計画が描けるようになってきたところです」

今後の展望について聞くと、嶋田は「社員たちの今までの苦難に報いたい」と一言。業績が上がっていけば、給与や賞与で社員に還元していくことができる。「笑っていいとも!」の終了で迷走した数年前の反省を活かし、今後考えうるリスクにも迅速に対応しつつ、事業も、経営体制も整えていく。

経営者としてのキャリアは初めての嶋田だが、「ようやく経営者の視座で物事を見れるようになってきた」と楽しそうに笑う。

アルタの語源は「ALTERNATIVE(オルタナティブ)」にある。

80年代の創業当時は革新的だったファッションビルとスタジオ、大型ビジョンが一体となったスポットは、まさにオルタナティブそのものだった。

一度は瀕死の状態だったスタジオアルタは、これからどのようなオルタナティブを示していくのだろうか。

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cat_11_issue_oa-forbesjapan oa-forbesjapan_0_ca5624d1956b_オルビスはなぜ蘇ったのか。急成長の仕掛け人・41歳社長が抱いた反骨精神 ca5624d1956b 0

オルビスはなぜ蘇ったのか。急成長の仕掛け人・41歳社長が抱いた反骨精神

2019年9月10日 07:00 Forbes JAPAN

台頭するD2C(Direct to Consumer)ブランドには、「創業者の強い思い」がプロダクト開発のモチベーションとなっているものも少なくない。

「高品質でリーズナブル、かつデザイン性に優れたものがなかった」「既製品では合うサイズがなかった」「サスティナビリティに配慮されたものをつくりたかった」──その思いやプロダクトの背景にあるストーリーがさらに顧客の共感や支持を集める。

だが一方で、新卒入社から代表に上り詰め、顧客の支持を集める”強い”プロダクト開発を指揮した経営者もいる。2018年1月にオルビス代表取締役社長に就任した小林琢磨氏だ。社長就任以来、組織改革を推進し、エイジングスキンケア『ORBIS U(オルビス ユー)』シリーズ、”肌のトクホ”『ORBIS DEFENCERA(オルビス ディフェンセラ)』など、立て続けにヒット商品を世に送り出した。

外から見極めた「オルビス」の本質的な強み

2つの商品の根底にあるのは、オルビスがリブランディングによって打ち出したブランドメッセージ、「ここちを美しく。」だ。肌が持つ力を引き出すシンプルなスキンケアを、「ここちよくいることで生まれる美しさ」と表現した。それはオルビスが87年の創業当初から持っていた哲学でもあった、と小林氏は語る。

「バブル経済の真っ只中、華美でリッチなものが好まれていたにもかかわらず、そのアンチテーゼとしてオイルカットでシンプルなスキンケアを提案した。そして、90年代のデフレ経済下で他社に先駆けてダイレクトマーケティングをはじめ、徹底的に顧客本位の商品づくりを行なった。客観的に見ていて、素晴らしいものがあると感じていました」

なぜ、小林氏がオルビスの本質を見極め、1年半という短期間で組織改革を大きく進捗させることができたのか。そしてなぜ、創業当初ブランドが持っていたマインドを、いま蘇らせることができたのか。そのモチベーションは、若手時代の原体験にさかのぼる。

彼がオルビスのグループ会社であるポーラ化粧品本舗(現ポーラ)へ入社したのは、2002年。2010年に社内ベンチャーのDECENCIA(ディセンシア)社長へ就任。

2017年1月にオルビス取締役へ就任する前から、グループ会社の一つとしてオルビスの動向をうかがっていたという。「ここ数年は売上が伸び悩み、自信を失っているように見えました。2000年代の破竹の勢いを知っているからこそ、非常にもったいないと思っていたのです」

経営者の苦悩に直面した若手時代

小林氏はポーラ入社後、新流通事業本部内のBtoB事業部へ配属。ホテルや旅館などに納入するアメニティを担当する部署に勤めていた。

ポーラの主幹事業を、BtoCのカウンセリング販売による高機能な高級化粧品事業とするなら、BtoBは言ってしまえば”傍流”。そこへ自ら希望して所属したという。

「入社研修で先輩の話を聞いて、面白そうだと思ってしまった(笑)。あとから『お前以外に希望者はいなかったぞ』と言われました。僕がいた頃はわずか20名ほどの部署で、個性的な人が多かった」

「THREEを運営するACRO社長の御後章など、国内グループ会社のうち4社をBtoB出身者が務めていたこともありました。小さな部署でしたし、商品企画から流通、販売まで一貫して携わることができたからかもしれません」

ホテルなど取引先に商談を持ちかけるなかで実感したのが、当時のオルビスのブランド力だった。

「名の知れたホテルからよく言われたのが、『オルビスを持ってきてよ。オルビスだったら契約する』と。ブランディングを重視するホテルであればあるほど、アメニティ自体の機能性はもちろん、情緒的、権威的価値を重視している」

「それを客室に置くことで、お客様に価値を感じてもらえる、と。実際にはさほど原価は変わらないはずなのに、オルビスのほうが『イケてるブランド』と見なされていることは、正直うらやましく思っていました」

一方、デフレ経済のあおりをもろに受け、ホテル業界は苦境に陥っていた。不況下で真っ先に削られるのはレジャー予算。国内需要の低迷により、経営破綻する企業が続出した。

「ニュースで『〇〇ホテルが倒産』といった情報が流れると、すぐに車を出して関東近郊の旅館などへ向かいました。商品は既に納入しているので、債権を回収しなければならない。『どうすればお客様に宿泊してもらえるか……』と相談を受けていた支配人の顔が思い浮かぶものの、結局、何もできなかった。ただ倒産するのを見ているしかなかったのです」

経営の最もシビアな一面を目の当たりにした。数々の現場での体験を通して小林氏の中で培われたのは、商品を売る、ということ以上に、どうすれば顧客に価値を感じてもらえるのか。

顧客の課題に寄り添い、自社の強みを活かせることはどんなことか、自社商品が、あるいは自分自身ができることはなんだろうか、と考える課題解決発想だった。

未成熟な敏感肌市場を開拓

32歳のとき、小林氏に転機が訪れる。ディセンシアの代表取締役社長に就任したのだ。

前年、BtoB事業部から社内公募でディセンシアへ転籍した小林氏は、「敏感肌スキンケア」というまだ未成熟な市場を開拓することとなる。

そこで感じたのは、「敏感肌」という言葉そのものが纏う、ネガティブなイメージだった。

他の敏感肌ブランドは「ドクターズコスメ」や「皮膚科でも買える」といった清潔感のあるコンセプトで信頼性を高めていたが、いわば「治療を必要とするもの」「かわいそうなもの」といった印象を覚えたという。そこで芽生えたのは、反骨精神だった。

「市場そのものに風穴を開けよう、そこからもっとポジティブな選択肢を提供しよう、と考えました」。

そこで新たに打ち出したブランドステートメントが「敏感肌はもっと美しくなれる」だった。敏感肌に悩む人が、もっと前向きになれるワクワク感と、独自研究に基づいた確かな機能性を打ちだすことにした。

結果、小林氏が社長を務めた7年間でブランドの売上は当初の30倍になるなど、飛躍的に成長した。

「働かないおじさん」にはなりたくなかった

ポーラ・オルビス ホールディングスが擁する化粧品事業で7つあるグループ会社、4000名規模の企業体のなかで確かな存在感を見せる小林氏だが、意外にもこの会社を選んだのは「たまたま」だったという。

「就活するのが本当にイヤで、真面目に考えていなかった。たまたま受かったのがポーラだったから、というだけの理由で……強い思いなんて何もなかったんです」。

だが当時、ポーラは年々厳しくなる訪問販売モデルに危機感を抱き、人との関係構築によって売上を上げるだけでなく、確かな技術と付加価値で「選ばれる」ブランドを生み出していこうと、その年を「新創業宣言」とし、新たな経営戦略を打ち出していた。

「これから新しいものをつくっていこうとする機運が感じられて、率直に面白そうだと感じたのです」

けれどもその期待感は、一気に裏切られる。

小林氏が目にしたのは、一部の管理職や役員など重役についた社員たちが、「今さらブランドなんて言っても…」と陰口を叩き、ろくに仕事をしない現実だった。

「もう彼らも定年で辞めてるから時効でしょうけど、”働かないおじさん”がたくさんいたんです。ずっと新聞を読んで、たまに予算管理表を見たかと思うと、数字だけを見て良い人には赤丸、悪い人には×、みたいな」

「そして当然のように17時半くらいに帰る。この人たちはいったい、何をしに来ているんだろう……そこで僕は決めたんです。自分は既得権益を守るような人間にはなりたくない。本質的にリベラルでいよう、と」

日本の大企業にこそ、活躍のチャンスはある

こうして小林氏は、転職未経験ながら、グループ内で自ら手を挙げ、重要なポストにチャレンジし、成果を出してきた。若くして経営に携わる者の多くは、スタートアップを創業するか、経営者の子息や子女、あるいはコンサル会社やファンド会社から事業会社に転職するといった例が目立つが、プロパー社員のキャリアパスとしては異例と言えよう。小林氏は自身のキャリアを、こう表す。

「一般的な転職は一度もしていないけど、ある意味、転職よりも幅広く仕事を変化させてきたかもしれない。意識的に『新しい価値観に触れてみよう』と考えて、行動できるかどうかだと思うのです。少なくとも僕自身はそれを意識してきました。

はじめは何も考えていなかったけど、仕事に取り組むようになって、こんなに面白いビジネスはないと思えるようになった。化粧品って、2、3カ月に一度買い換えるような消費財にもかかわらず、『ブランドビジネス』なのです」

「単純に価格や機能性を比較されるだけでなく、いかに付加価値を感じてもらえるかがカギとなる。そうやって、一個人としての興味が仕事とつながってくると、どんどん楽しくなってきます」

「好きなこと、得意なことを仕事に」「好きだからこそ夢中になれる」──。

そんな言葉が世の中を飛び交うが、学生はおろか、もう何年も働いている社会人ですら、自分が何を好きなのか、どんなことが得意なのか、明確にわからないままの人も多いのではないだろうか。

「置かれた場所で咲く」と覚悟を決めるほど開き直りもできないが、まったく新しい世界へ飛び出すのは気が引ける。そもそも、自分が何をしたいのか、わからない……。それでも、日々直面する出来事に対し、何がイヤで、何にワクワクするのか。自分の心の動きに耳を傾けてみるのは、一つの方法なのかもしれない。

小林氏は語る。

「僕は、運が良かったんだと思います。いまや経団連やトヨタのトップですら『年功序列を維持することはできない』と言う時代。結果論だけど、メガベンチャーで意識の高い優秀な人ばかりがいるところへ入るよりも、伝統的な日本のメーカーに入ったほうが、競争率は低いかもしれない。これから、組織を変えられるチャンスも多いんじゃないかな」


小林琢磨(こばやし・たくま)◎1977年生まれ。2002年(株)ポーラへ入社、2010年にグループの社内ベンチャーとして立ち上げた(株)DECENCIA社長へ就任。2017年オルビス(株)のマーケティング担当取締役、2018年に代表取締役社長に就任。同年、新生オルビスのビジョンを掲げ、「ORBIS U(オルビス ユー)」をリニューアル。翌年1月には、「飲む」次世代スキンケア「ORBIS DEFENCERA(ディフェンセラ)」を発売。2029年への長期目標を見据え、「ここちよくいることで生まれる美しさ」という本質的な体験価値を模索しつづける。ポーラ・オルビスホールディングス上席執行役員を兼務。早稲田大学大学院MBA。

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キャリアで求めるものが得られない? 考えられる5つの理由

2019年9月10日 06:30 Forbes JAPAN

昇進や昇給、柔軟な勤務スケジュールなど、仕事で欲しいと思っているものを誰かに求めるときは不安を感じるかもしれない。しかし、欲しいものを求めないことは、求めることよりもさらに高リスクかもしれない。

求めるものを明確にしないことで、従業員としてのパフォーマンスに悪影響が及び、自分のキャリアや勤務先企業の重荷となってしまうかもしれない。ここでは、キャリアの目標をこれまで達成できていない場合に考えられる5つの理由と、その達成方法を紹介する。

1. 欲しいものが何か理解していない

キャリアに何を求めているかが分からなければ、それを相手に求めることはできない。

自分が何を求めているのかを最も理解しているのはあなたで、おそらくそれを理解しているのはあなただけだ。時間を取って考えよう。

昇進したい場合や、目立つプロジェクトに取り組みたい場合、柔軟なスケジュールで働きたい場合など、仕事の仕方に関して夢見ていることはあるだろうか?

同僚がやっていることを自分もできたらなと思うことはあるだろうか? あなたは何を求めているのだろう? あなたの現在の優先事項を理解すること。

2. 欲しいものを実際誰にも求めていない

何が欲しいかが分かったら、それを求めること。あなたが考えていることや欲しいものを周囲の人が理解していると思い込まないこと。

歌手のケリー・クラークソンは、自身の新たなトークショーのスケジュールの中に、子どもたちを学校に送り届ける時間を組み込むよう主張した。

クラークソンは、自分に大切なことを周囲の人に認識させ、それを求めることに罪悪感を持たないことが必要だと語っている。

求めないものは手に入れることができない。欲しいものは求めること、

3. どのようにして頼めばよいかを理解していない

欲しいものを求めたにもかかわらずまだそれを得られていない場合、正しい尋ね方をしただろうか? 欲しいものをただ要求するだけではだめだ。欲しいものが何であれ、自分がそれを得るのにふさわしいとは言わないこと。

与えられて当たり前だと思っているように聞こえないよう、敬意を持つことが必要だ。

また、周囲の状況も認識すること。プロジェクトを完了するためのリソースを増やしたいが会社の第3四半期の業績が芳しくなかった場合、あなたが他の場所でどのように節約できるかを説明するべきかもしれない。

どのように頼むかは、何を頼むかと同じくらい重要だ。

あなたのコミュニケーションスキルが結果を左右することもある。コミュニケーションスキルを使って信用性や信頼、影響力を今から培おう。

4. 正しいタイミングで求めていなかった

タイミングは非常に大事だ。その企業や役割に就いて間もない場合は、何かを依頼する前に少なくとも数カ月待つことを考えよう。

この時間を使って自分の価値を示し、あなたには求めるものを得る資格があると相手が理解できるようにする。(自分にはその資格があるとただ言うよりも、それを実際に示す方が良い)

上司は、あなたが求めていることを実際には支持しているかもしれない。しかし、昇進の検討期限を逃したばかり、あるいはあなたが率いたいプロジェクトにはすでにチームリードが任命されたばかりなのかもしれない。

昇進や昇給が検討される時期や、プロジェクトが割り振られる時期について質問しよう。また、会計年度が始まる時期も理解しておく。

リーダーになることに興味を持っていることを示し、欲しいものをいつ求めなければならないかに関して情報収集しておくこと。チャンスを逃してはいけない。

5. 適切な人に求めていなかった

自分がキャリアでやりたいことを理解し、これまで求めてきたが、今までそれが得られずにいたかもしれない。その場合、あなたは適切な人物にアピールしていただろうか?

もしかしたらその人物はあなたが求めるものを与える権限を持っていなかったのかもしれない。

その人が意思決定者ではなかったのかもしれないし、あなたの仕事を監督している人は正式な上司ではなく、昇給については誰か他の人物が決定を下しているのかもしれない。

自分が求めるものについて、誰が意思決定の権限を持っているのかを理解すること。組織構造を考慮したり同僚に質問したりして調査を行い、適切な人にアプローチできるようにしよう。

自分が欲しいものを理解し、それを求めること。

必ず適切な人に当たるようにし、尋ね方をきちんと理解して最善のタイミングで尋ねること。

拒否されることが最悪の結果ではない。最悪なのは欲しいものを全く求めないこと、あるいはきちんとした求め方をしないことだ。

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カニエ・ウェストが米西部の農場を15億円で購入、家族で移住

2019年9月10日 06:00 Forbes JAPAN

ラッパーのカニエ・ウェストが、米ワイオミング州の広さ9000エーカー(約36平方キロ)の農場を購入した。

地元メディアの報道によると、ウェストは米国西部のワイオミング州コーディの郊外に位置する「モンスター・レーク・ランチ(Monster Lake Ranch)」を1400万ドル(約15億円)で購入したという。

ウェストは妻のキム・カーダシアンや子供たちと共に、この農場に移住する計画だという。公式サイトによると、農場内には様々なロッジや、キャンプ施設がありティピーテントに宿泊することも可能だ。

今年のフォーブスの「最も稼ぐセレブ」ランキングで3位に入ったウェストの年収は、1億5000万ドルとされている。9月2日にアラビア版「ヴォーグ」のサイトに掲載されたインタビューで、ウェストは妻のカーダシアンに「10年後は何をしていたい?」と尋ねた。

「家族と一緒にワイオミングの牧場で暮らして、時々、パームスプリングスに出かけたり、LAの家に帰ってくるのもいいかもね」とカーダシアンは答えていた。

ウェストは以前からワイオミング州に関わりを持っており、2018年のアルバム「Ye」を録音したのも、ワイオミングだった。モンスター・レーク・ランチには8つの宿泊施設の他に、2つの湖やレストラン、イベント施設なども併設されている。

ウェストは今から約3年前の2016年には、「5300万ドルの借金を抱えている」とツイッターで宣言し、マーク・ザッカーバーグらの富豪に支援を求めていた。

当時の彼は、精神疾患が原因でツアーをキャンセルしたことにより負債を抱えたという。

しかし、彼が2009年に立ち上げたスニーカーブランドの「イージー(YEEZY)」は今年、売上15億ドルの突破が見込める規模に成長した。フォーブスは今年6月、ウェストの保有資産が2億4000万ドルであると試算した。

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上司が部下と接する上で犯す3つの過ち

2019年9月9日 20:00 Forbes JAPAN

シェリー・ローズ・シャーベイは35年以上にわたり、言葉と言語が持つ力を研究してきた。

その中心となるのは「LAB(言語と行動)プロファイル」システムで、これはベストセラーとなった彼女の著書『「影響言語」で人を動かす』で学ぶことができる。

このシステムはビジネス、プライベート問わず、ほぼどんな人間関係でも大きな効果があることが認められてきた。シャーベイが焦点を当てているのは、人々の潜在意識にある隠れたトリガーを見つけ出す方法だ。難しそうに聞こえるが、シャーベイはこの概念を簡単に理解できるよう説明している。

私が特に興味を持ったのは、このシステムが、マネジメント初心者であることが多い起業家にいかに役立つかという点だ。ただ、やり方を間違えてしまえばひどい結果をもたらしかねない。そこでシャーベイはインタビューで、次の役立つアドバイスを提供してくれた。

過ちその1

管理職に就く人の多くは、相手に正しい情報を与えれば相手の行動が変わると思っている。相手にするべきことを伝えれば、それをしてくれるだろう、と。

だが、人は正しい情報を提供されても間違った考え方をし続けることが、研究によって繰り返し示されている。

大半の人は、どう考え、何をし、何を信じるべきかを人から指図されることは嫌だろう。相手が上司(もしくは配偶者!)だったらなおさらだ。部下に単純な事実を伝えるだけでも「命令の言語」だと受け取られ、反発を招いてしまう可能性がある。そして上司は、仕事が終わったか、正しく行われたかの確認作業にいらだたしいほどの時間を費やすはめになる。

そこで私がお勧めしたいのが、「提案モデル」を使ったコミュニケーションだ。このモデルを使うことで、こうした受動的な抵抗を避け、積極性や仕事の質・量を高めることができる。これは4つの簡単なステップからなる。

  1. 提案を行う
  2. それによってどんな問題を避けたり、解決したりできるかを説明する
  3. 利点を説明する
  4. 全体的にみて実行が簡単であることを伝える

例えば次のように伝えてみよう。「ソフトウエアのこのバージョンがここでは最も適していると思う。なぜなら、他のバージョンで出る問題が起こらず、今使っている他のソフトウエアともうまく統合できるから。また、導入も簡単だ」

過ちその2

世界中で無数の人々のやる気をそいできた「フィードバック・サンドイッチ」という方法は、上司によっていまだに使われている。どんなものかは皆さんもご存じだろう。

上司がまず、あなたを褒める。するとあなたは、その次にはきっと「改善点(に見せかけた批判)」が続き、最後には漠然とした褒め言葉でしめられるのであろうと身構える。広く使われているこの方法により、人は肯定的なコメントを受けると瞬時に疑いを持つようになり、たとえ良いことしか言われない場合でも嫌な気分になるようになった。

代わりに、称賛と批判を完全に分けて、何か褒めた時に相手が身構えなくてすむようにしよう。その方が批判を受け入れ対応しやすくなるし、伝える側にとっても楽だ。

・褒める時:部下の席に行くか、部下が電話に出られそうな時間に電話をかける。相手の仕事を褒め、それがもたらした良い結果を伝えた上で、すぐに「ありがとう。ではまた」と言ってその場を去るか、電話を切る。(その場にとどまると、相手は次に嫌なことを言われると身構えてしまう)

・批評する時:「悪い知らせの定式」を使い、嫌な感情を抑えつつ言いたいことを伝える。これは、悪い知らせを先にはっきりと伝えた上で、「しかし」と続けて良いことを伝える方法で、単に批判するよりずっと楽だ。

過ちその3

上司はしばしば、自分にとって重要なことは部下にとっても重要だと思い込んでしまう。何百ものチームと働いてきた私が最初に気づくこととして、チームリーダーがメンバーのやる気の低さにがっかりしているという状況がしばしばある。

皆が考える目標、大切だと思う経営価値について話し合うと、それぞれの見解が違うことに皆が驚く。

最初のステップは、チームのゴールと目標に注目し、なぜそれが重要なのかについて皆からインプットを受けることだ。メンバーの個人的なモチベーションを見出そう。

これは単なるビジネスではなく、個人的な部分が関わってくるものなのだから!

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cat_11_issue_oa-forbesjapan oa-forbesjapan_0_f4cd0f10d8ae_スタバ前会長が大統領選出馬やめた理由 健康問題も影響 f4cd0f10d8ae 0

スタバ前会長が大統領選出馬やめた理由 健康問題も影響

2019年9月9日 17:00 Forbes JAPAN

米コーヒーチェーン大手スターバックスのハワード・シュルツ前会長は9月6日、2020年の大統領選への立候補を見送ることを明らかにした。

独立系候補として自身が出馬することで、民主党の票が割れるのを避けたい考え。

また、健康状態に問題があることも理由だという。

選挙運動のために開設したウェブサイトへの投稿でシュルツは、「独立系の候補者を支持しようと考える人は現在のところ、十分な数に達していない。そうした候補を支持すれば、他に類を見ないほど危険な現職大統領の再選につながる可能性があると恐れているからだ」と述べた。

シュルツはまた、ドナルド・トランプの再選は米国の民主主義にとって深刻な脅威になると記すと共に、民主党候補の指名争いに勝利する人が「極左」であれば、どちらが次期大統領になっても同じことになり得ると指摘している。

シュルツは今年4月以降、背部の痛みと複数回にわたって受けた手術により、選挙活動を中断していた。体調の回復を優先する必要があることも、出馬断念の理由の一つだという。

2018年にスターバックスの会長を退任したシュルツは当時、米国が置かれている状態に関する深刻な懸念を表明。2020年の大統領選への出馬するのではとの憶測が広がった。

シュルツは今年1月に次期大統領選への出馬を検討中であることを表明。その後、全50州での選挙活動を開始したが、民主党候補と票を奪い合うことでトランプの再選につながると批判する声が上がっていた。

トランプとの大きな違い

シュルツはフォーブスに対して以前、トランプは納税申告書の公表を拒否しているが、自身は行うことを約束していると発言。

また、同盟国(地域)であるメキシコやカナダ、欧州連合(EU)、そして中国との貿易についても、トランプの対応には同意できないと述べていた。

シュルツとトランプはいずれもニューヨーク出身のビリオネア(保有資産10億ドル以上の富豪)だが、シュルツはトランプとは異なり、ブルックリンの労働者階級の家庭に生まれ、困難な環境の下で育った。

2人が手掛けてきた事業も、大きく異なっている。トランプは非公開会社を経営。一方のシュルツは、スターバックスの会長として多くの従業員たちと共に、株主や投資家たちのために働いてきた。

フォーブスの調査では、シュルツの保有資産は推定46億ドル(約4918億円)。

今年1月の時点では35億ドルで、トランプをおよそ3億ドル上回ると推計されていた。

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街で見かけるようになったVR、本当にブームなのか?

2019年9月9日 16:30 Forbes JAPAN

「人々はテレビを必要としないだろう、毎晩箱を見てるだけではうんざりするだろうから」 

20世紀フォックス創設者ダリル・ザナックの1946年の予言は見事に外れ、その後映画館は衰退し、テレビ黄金時代が訪れた。コンピューター業界でも「世界で5台ぐらいしか売れない」(IBM創業者トーマス・ワトソン)、「家庭でコンピューターを使用する必要はない」(DEC創業者ケン・オルセン)といった言葉が有名だが、エキスパートも間違うというより、よく知っている人ほどかえって未来は見えないものだ。

新しいメディアの出現は、古い世代には若者の意味不明な反乱のように受け取られがちだが、AIとかIoTは次の産業革命を牽引すると言われて納得するものの、最近話題のVRなるものはどうだろう? 

ときどきテレビなどでも話題になるが、まだ多くの人にはゲームオタクの奇妙なトレンドにしか見えないだろうし、ネットの調査でも9割の人が言葉は聞いたことはあるが、実際に体験した人は6%に過ぎないという状況だ。

最近はそうした人が手軽にVRを楽しめる施設が増えているというので、7月に池袋のサンシャインシティにできたばかりの、バンダイナムコアミューズメントが運営するテーマパーク「MAZARIA(マザリア)」に行ってみた。

ドラゴンクエストやマリオカート、ゴジラやガンダムの世界に入れる、19ものアクティビティと呼ばれるVR世界がある大規模な施設だ。

今年3月まで期間限定で新宿・歌舞伎町にあったVR Zoneが移転したものだが、入口には派手なディスプレイがパックマンなどの映像を映しているが、他には施設名と一緒に「アニメとゲームに入る場所」と書かれているだけで、VRを連想できるものは何もない。

「ドラクエは好きだけどVRの最新ゲームは苦手」という人向けに、VR自体を目的にするのではなく、週末に楽しめる遊園地の感覚で来てもらえるようネーミングから工夫し、下の階のナンジャタウンとも行き来できるようになっている、とMAZARIAをプロデュースするコヤ所長こと小山順一朗さんは言う。

その中で、誰でもが楽しめそうな「冒険川下りVR ラピッドリバー」という、激流の川を下るアクティビティを試してみた。

まるでボートのような台の座席に4人が並んで、ゴークル(HMD)を被って映像を見ながら手にパドルの棒を持って、激流を協力しながら漕いでいく。

映像は非常に鮮明で、流れに合わせて座席が上下に揺れたり左右に回転したりして、CG映像だと分かっているのに実際に川下りをしているように体が反応し、水しぶきがふりかかったように錯覚し、転覆しそうになると思わず大声をあげてしまいそうな迫力だ。

「演劇から映画やテレビまで、これまでのエンタメは人間の共感によって感情移入する能力を利用していただけだが、VRは実感のエンタメ」と、小山さんはさらにVRに取り組む意義を強調する」

「VRを使うことによって、これまでのアニメやゲームを外から他人事のように眺めるのではなく、自分の視点から実感し体験へと読み替えるアクティビティに変え、経験をパッケージした新しいエンタメを開発していこうと意気込む。

確かにVRはエンタメ以外でも、工事現場の図面を見て危ないと注意されるのではなく自分で怖い思いをして身体が理解したり、サービス提供者の目線ではなく顧客からサービスを見たらどう感じるのかを学んだりと、理屈を超えた経験を伝えるためにトレーニングやプラニングなどの分野でも使われている。

VRは最近起きたトレンドのように言われ、ここ数年「VR元年」という言葉も使われているが、実は30年前から商用化が始まっている。

しかし当時は、HMDにしても画素数の少ない動きもぎごちないレベルのものが百万円単位で、CG専用コンピューターは億円単位のものも必要となったため、大学の研究室やテーマパークなどでは使われたが、一般人には縁遠いものだった。

一方で当時すでに、現在のようなゲームへの応用や、図面から完成した建物の中を歩き回るデモや、宇宙や分子のミクロな世界を体験する研究がなされていた。

しかしなぜ、VRのような変わった研究がされたのだろうか?もともとはCGのルーツと関係がある。

1950年代の米ソ冷戦時代に北米全体の空を監視するレーダー網ができ、画面ですばやく敵機をマークして追跡するシステムが作られ、それを応用してコンピューターで画像を扱うCGが研究されるようになった。

さらにジェット機のパイロットが戦闘時の極限状態で、瞬時に敵機を捉えて攻撃できるように、ヘルメットにディスプレイを付けたCGを投影するシステムも作られた。

またNASAでは、宇宙ステーションでたくさんの装置を使わないで済む、バーチャル実験室の研究も進んだ。こうした研究がゲーム業界などにスピンオフして一般に使われるようになったのだ。

もともとコンピューターは中央に構えた大型の機械のある場所に出向いて、難しい言葉で命令する専門家のものだったが、画面に出た絵やシンボルや音を使えば、誰もが日常感覚で理屈抜きに使えるようになる。

こうしてできたパーソナル・コンピューターは、同じ仕事を手元で自分中心に扱えるようにしてくれるコンピューターの進化系だ。

VRも世界を遠くからではなく自分の視点から扱えるようにする、同じく情報のパーソナル化の所産なのだ。

そう考えると、VRのこれからの進化は、パソコンやスマホの先にある情報環境と大いに関係あることがわかるだろう。

デジタルを扱う機器は、机の前から鞄やポケットに入ってより人間に近い場所に常時置かれるようになり、次はウェアラブルの時代が来ると言われている。

HMDはいわゆるディスプレイを目の前に常時着るための装置で、現在はまだ大きくて煩わしいが、メガネのサイズでいつでも使えるグーグル・グラスのような装置が今後は一般化するとも考えられている。

そうすれば、パソコンやスマホを目の前にいつも置いて、いつでもどこでも情報環境を確保することができる。

かつて流行ったユビキタスのように、ネットやIoTを整備して環境自体をインテリジェント化する方式も考えられており、AIも組み合わせることにより、新しい情報環境ができる可能性がある。

最近はネットの中に現実社会を忠実に反映した「ミラー・ワールド」を作り、バーチャルな街の中で自動運転車の訓練をしたり、さまざまな新製品をその中ですべて開発してメンテナンスまで行うという試みも始まっており、バーチャル世界の中でアバターを介して社会問題を論議したり解決策を考えるSociety 5.0のようなスマート社会の論議も始まっている。

VRもAIのようなトレンド語として、また何年かするとブームが去り話題にもならなくなるかもしれないが、社会の情報化やデジタル化の一つの見方だと考えるなら、「ただのゲームセンターのメニュー」と一蹴するのではなく、もっと大きな未来への窓口に付けられた名前と考えたほうがいいだろう。

服部桂著『VR原論 人とテクノロジーの新しいリアル』(翔泳社)

1991年に出版され、日本のVRブームをけん引した『人工現実感の世界』の著者である筆者が、VRの未来を見据え同書に加筆、今年6月に復刊した。

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職場で嫌味を言われたら 心の強い人が取る対処法

友人同士でタイミング良く、気の利いた言葉をかければ良いユーモアになる。しかし、心の中でくすぶる怒りを隠した遠回しな批判は、嫌味となる。

例えば、「年の割にはきれいだ」といった褒め言葉になっていないお世辞や、「話していることについての知識がある印象を与えていれば、もっと売り上げが伸びただろうに」などのひねくれた言葉だ。

世界は少しずつ、意地悪で批判的な場所へと変わっているようだが、そうした批判に引きずられてストレスを感じる必要はない。

強い姿勢を保つことが大切な理由

ミシガン州立大学が実施した2016年の調査では、失礼な言動は職場で広まることが分かっている。同大学の研究者らはまた、皮肉や嫌がらせなどの嫌味な言動を受けた人が、相手の意図を理解しようとして心のエネルギーを無駄にしていると指摘した。

こうして精神的に疲弊し、衝動や感情の制御が難しくなった結果、意地悪な行動をされた人はいら立ちを抑えるエネルギーが尽き、怒りを爆発させやすくなっていた。

残念なことに、嫌味を言う人が1人いるだけで、油断するとその傾向は集団に広がってしまう。しかし、こうした嫌味の言葉を受けているときでも、精神的に強くあり続けることは可能だ。

心の強い人は、次の方法で嫌味な言葉に対処している。

相手に屈しない

他者に自分の考え方、感じ方、行動を左右されると、相手に支配されてしまうようになる。否定的な嫌味の言葉で自尊心を傷つけられ、一日を台無しにされたくはないはずだ。

もし嫌味を言う癖のある人がいれば、その人に生活の大部分を支配されないようにしよう。同僚が無礼をはたらいたときも、良い一日を送ることに専念する。また、上司の心ない言葉で自信をなくさないようにしよう。

動揺する気持ちを整理して、深呼吸をして冷静になり、正当な理由がある場合はその場から立ち去ること。

自分の価値観に常に忠実である

精神的に強い人は自分の価値観を理解していて、たとえ意地の悪い人に直面しても、自分の価値観に合わせて生きることを優先している。

心の強い人は、「人に敬意を払って接することは重要だ」と心の中で何度も繰り返す、自分の信念と合わない状況からは抜け出すなど、常に誠実であることが精神的な安らぎを保つ鍵だと知っている。

相手と同レベルでやり合いたいという衝動にどんなに駆られても、それは避けよう。堂々と胸を張って、自分は相手よりも優れた人間なのだと思えた方が良いはずだ。

主張するときと黙るときを心得る

心の強い人は、しっかりと自己主張すべきときを理解していて、意見を言うことを恐れない一方で、注意を引くためだけに嫌味を浴びせてくる人は時に無視するのが一番であることも理解している。

精神的に強い人は相手を論破する必要があるとは思っておらず、相手に勝つためだけに議論をすることには興味がない。しかし、相手の行動が不適切な場合には、批判することも恐れない。

常に直接的なコミュニケーションを取るように心がける。正当な理由がある場合は「あのプロジェクトのことをリマインドしてくれたとき、あきれた表情をしていたけれど、何か気に障ることがありましたか?」などと聞こう。

またミーティング中、あなたの新しいアイデアに対して誰かが嫌味を口にしたら、代わりにあなたのアイデアに実際に興味がありそうな人に向けて話そう。そうすれば、本来注意を払うべき前向きな人たちに働き掛けることができる。

心の筋肉をつけよう

心の筋肉を鍛えれば、つらい状況を切り抜け、意地悪な人たちを健全な方法でかわすことは誰にでもできる。

しかし、自分が劣悪な環境にいることに気づいたら、そこから完全に抜け出す必要があるかもしれない。どれだけ心が強くても、不健全な職場にいると幸せな生活は損なわれてしまうものだ。

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グーグルPixel 4は「90Hzの高速ディスプレイ」で競合と差別化へ

2019年9月9日 16:00 Forbes JAPAN

グーグルの次期スマートフォン「Pixel 4」に、リフレッシュレートが90Hzのディスプレイが搭載される見込みが強まった。

一般的なスマホは1秒間に60回、画面が更新される60Hz駆動だが、90Hzのディスプレイは秒間90回の更新に対応することで、スムースな描写レスポンスを実現し、ゲームや高画質な動画視聴に役立つとされている。

サムスンのGalaxy S10やNote 10などは、60Hzディスプレイを搭載しており、Pixel 4のディスプレイはこれを上回る性能を実現することになる。

開発者向けコミュニティサイトXDA-Developersに掲載された情報で、Android 10のコードにPixel 4が90Hzディスプレイ対応になるとの記述があることが確認された。

コードには、2019年に発売のPixelシリーズを意味する「P19」が、90Hzモードのオン・オフの切り替えに対応するとの記述があるという。

グーグルは今年に入りPixel 3aと3a XLという比較的安価なモデルを発売済みだが、この2機種のディスプレイは60Hz仕様だった。

つまり、今後年内に発売になるPixel 4が90Hz対応になることになる。

アップルやサムスンが2019年に発表する端末は、60Hz対応のままとなる見通しで、グーグルは競合に先駆けて90Hz対応を実現することになる。

ただし、90Hzのディスプレイにも弱点はある。それはバッテリー消費が60Hzよりも多い点だ。

Pixel 4はPixel 3よりも小さなバッテリーを搭載する事が既に明らかになっており、電池の持ちが悪くなる可能性は高い。

しかし、2年前のPixel 2で画面の焼き付き問題を発生させたグーグルが、今年の最新端末で他メーカーを大幅に上回る性能のディスプレイをアピールしようとする姿勢は、評価に値する。

Pixel 4のローンチは今年10月が予想されている。

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頻繁に飛行機を利用する人がもっとも嫌なことは?

2019年9月9日 15:11 06photo / Shutterstock

頻繁に飛行機を利用する人が旅でもっとも嫌なことは長蛇の列。セキュリティチェックや搭乗前、そして税関の長蛇の列。それから遅延。

多くの航空会社が乗客にできるだけスムーズで快適な旅を提供しようと努力している。また、ハイエンドな顧客には優先セキュリティや搭乗ラインを設けるなどの待遇を実施している。ファーストクラスの顧客なら長い待ち時間が削減でき、ラウンジにはシャワーやビュッフェ、個人用の仕事スペースが完備されている。

空港もレストランやショッピング環境を改善し、ゲートエリアに置かれた椅子も座り心地よいものに変えている。Wi-Fiはほぼどこでも使用できる。こういった改善が顧客満足の改善に寄与している。

ただ、特権を得たハイエンドな顧客でも旅行中のイライラは禁じ得ない。こういった不満はOlyver Wymanが頻繁にトラベルする人を対象に行った調査で明らかになった。対象は空港ラウンジを使用し、優先搭乗やファーストクラスのシートに座っている人たち(通常、荷物を機内に持ち込むので荷物が出てくるまでの待ち時間については文句を言わない)。

悲しいことに、こういった顧客でも航空会社の対応に圧倒的に不満を抱いている。調査で明らかになった特に不満の多い8項目を列挙する。

セキュリティの長蛇の列
搭乗前の長蛇の列
出発の遅延
到着後の長い待ち時間
頭上の収納スペースが限られている
出発前の遅延
地上での遅延
税関の長蛇の列

改善策の多くが肝心の問題には対処できていない。空の旅は、多くの厄介なプロセスを伴い、大きな時間のロスになりかねない。ブランド力の向上にはこの不満の解消がカギを握っている。

「需要:人々が好むものをそれに気づく前に創り出すこと」の著者 エイドリアン・スライウォツキー氏は、顧客の生活における感情のホットスポットを明らかにし、緩和することが企業にメリットをもたらすと説明している。問題点を見極めるには、顧客の目線と気持ちで物事を見ることが必要だ。

航空会社の上級幹部で顧客が経験していることを知っている人はほとんどいないので、これには訓練が必要だ。顧客をイラつかせるものが何かを知らないで、顧客を喜ばせるサービスの構築は不可能だ。問題点を明らかにするためには、顧客をフォローして、顧客の体験とソーシャルネットワークや苦情の手紙での顧客のコメントを結びつけることが必須だ。

飛行機を利用する人のイライラの深さは、頻繁に世界を旅する450人を対象としたオリバー・ワイマンの調査に反映されている。地点Aから地点Bまでの空の移動そのものは、信頼できると捉えられている。乗継便に間に合わなかったとかフライトがキャンセルになったと回答した人はほとんどいない。大半の問題は、警告や説明なしに遅延が生じるなど、フライト前後に発生している。

フライトの遅延はなお顧客の苦痛の際たるもので、回答者の40%以上がイライラすると表明している。空港のラウンジで気持ちよく仕事をしていると、パソコンのスイッチをオフにして搭乗ゲートに向かうように言われ、慌てて仕事を片付けいざ向かうとフライトは20分から30分遅延だったという状況を想像してみて欲しい。

遅延は避けられず、受け入れられる場合も多々ある(乗客は安全上の理由による航空機器の点検や大型気象配置を回避するための遅延には文句を言わない)。

一方で、乗客は信頼できる出発時刻を知らされることにより、見通しが立てばイライラの緩和につながると強調する。このほか主要な苦痛にはセキュリティチェックや税関の長蛇の列、搭乗ゲートまでの長い道のりなどが空の旅の一連のサービスに関連する面倒な点として明らかになった。

顧客の不満を和らげることが空の旅を提供する業界関係者全員にとっての最優先事項の1つだろう。その理由?満足した乗客は、次のフライトで同じ航空会社を選ぶ確率がずっと高いからだ。

不満を解消する一つ一つの成功事例がブランド価値を構築し、顧客のロイヤリティーを高める。たった1つの未解決の問題が取引全体をダメにする一方、1つの問題の解決が満足する顧客を生み出し、それが数千人の航空機利用者に即時に広がる可能性がある。

顧客の不満を明らかにして対応するのに一部の航空会社は成功している。ただ、こういった例はまれで、その場しのぎの例が多い。大半の航空会社が、顧客のイライラを体系的に明らかにするためにいまだに適切なアプローチを取っていない。顧客体験の向上には、問題がいったん明らかになったらその後に続く刷新的な解決策が必要だ。

ただ、優れた機能的な仕組みを作り出すことは、今日のマーケティング競争への参加条件に過ぎない。目指すは顧客の心をしっかりと掴む魅力的なサービスを生み続けることだ。

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