真っ先に挙げたのは、今冬に浦和からG大阪へ移籍が決まったMF矢島
J1セレッソ大阪で主将を任された元日本代表FW柿谷曜一朗にとって、2017年シーズンはフォア・ザ・チームに徹した1年だった。リーグ戦は全34試合6得点。34試合21得点をマークし、当時川崎フロンターレに在籍した元日本代表FW大久保嘉人と得点王争いを繰り広げた13年と比較すれば、ゴール数に物足りなさを感じるかもしれない。それでも精神的支柱として、攻撃陣を活性化させる役割を担い、ルヴァンカップと天皇杯の二冠獲得に貢献。チームに欠かせない存在だったことは間違いない。
そんな柿谷が、対戦相手のなかで「上手い」と感じた3選手がいるという。
真っ先に挙げたのは、16年リオデジャネイロ五輪代表の浦和レッズMF矢島慎也(→ガンバ大阪)だった。J2ファジアーノ岡山から浦和に復帰した17年は、リーグ戦11試合1得点。大半の時間をベンチで過ごしたが、それでも8月下旬以降からの終盤戦で先発をつかみ、その実力の片鱗を見せた。柿谷は23歳の矢島を次のように評している。
「岡山から古巣の浦和に復帰して、シーズン序盤は出番がなかったけどね。終盤には、確かな実力が認められていた感じだったから。やっぱり凄いと思う。その浦和から、ガンバに移籍してしまうチャレンジ精神も凄いよね」
矢島は18年シーズンから、浦和のライバルであるG大阪へ完全移籍することが決まっており、間違いなく要注意人物になる。そんな背景もあるからこそ、柿谷も意識せざるを得ないようだ。
「怪我から復帰して活躍」と評したのは…
続いて挙げたのは清水エスパルスの24歳MF白崎凌兵と、今夏にG大阪からオランダ1部フローニンゲンに移籍した19歳MF堂安律の2選手だった。
清水で今季から背番号10を背負った白崎はリーグ24試合3得点ながら、一定のパフォーマンスを披露。柿谷は「怪我から復帰して、チームを残留させる活躍だったのではないか」と評している。
一方、東京五輪世代で、10代ながら欧州へと旅立った堂安に関しては「(大阪)ダービーで対戦して、ドリブルで持っていかれた。やられた印象があるよね」と脱帽した様子だ。
ドリブル、トラップ、そして多彩なシュート。Jリーグ屈指のテクニックを誇り、14年のブラジル・ワールドカップでメンバー入りも果たした柿谷が認めた3選手。彼らは今後、日本サッカー界を背負っていく人材になりそうだ。