今年2月、ロンドン警視庁は男女6人の犯罪グループを逮捕した。6人はチームを組み、ロンドン市内にドラッグを売りさばいていた。
ドラッグを用意したのは、リーダー格の男(30)だ。集めたドラッグを4人の女が配達、もう1人の女は売り上げの管理を担当していた。
顧客には、コカインやマリファナ、マジックマッシュルームなど90種類ものドラッグが並んだ「キャンディーリスト」を渡しており、電話で注文を集めた。ドラッグ以外に、避妊薬なども販売していたという。
客から注文を受けると、配達係の女は専用のユニフォームに着替え、ピンクのリュックを担いでデリバリー。なるべく早く到着できるように、スピードの出る原付バイクを使っていた。
配達係の財布は、誰のものかすぐわかるように色分けされており、リュックには自分に振られた番号が書かれていた。仕事は月曜から土曜で、注文は午後1時から午後10時まで。仕事の徹底ぶりに、「チャーリーズ・エンジェル」と揶揄して報道している海外メディアもある。
商売は順調で、多いときは一度に50キロのコカインを購入したことも。ついには同業者へドラッグの卸売りまで始めていた。毎月1500万円の利益をあげたが、チームはロンドン警視庁にあっけなく逮捕されてしまう。3つの拠点からは、コカインや覚醒剤などがキロ単位で押収されたほか、800万円の現金と拳銃3丁も発見されている。
逮捕後、チームはドラッグ以外に、偽の個人情報の販売やヘリコプターを使った違法な出国支援など、さまざまな犯罪に手を染めていたことが判明。関係者への賄賂も惜しまなかったとされている。
裁判では、リーダー格の男に禁錮18年、配達係の女4人に禁錮4年半から6年が言い渡された。販売管理の女は、禁錮2年3ヶ月で、最近、収監されたばかり。事件を担当した裁判官は「まさにプロフェッショナルな犯罪集団だ」とコメントしている。
この事件を受け、ネット上には、
《もう、イギリスから出ていってくれ》
《哀れなビジネスマンだ。買った側の人間も罰してほしい》
《ドラッグの売人に4年半は短いと思う。反省にはもっと長い時間が必要だ》
などのコメントが集まった。仕事に対する熱意を、せっかくなら世のため人のために使ってほしかった。
写真:ロンドン警視庁
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