2021年は大物芸能人の降板や番組終了が相次いだ――。
12月13日にフジテレビが坂上忍(54)がMCを務める『バイキングMORE』の2022年3月での終了を発表。12月18日にはTBSが『新・情報7daysニュースキャスター』からビートたけし(74)が降板することを発表した。
そのほかにも、『サンデーモーニング』(TBS系)では「御意見番」でお馴染みの張本勲氏(81)が2021年いっぱいでの降板を発表した。張本氏の番組内の発言に対して、ダルビッシュ有(35)などの現役選手から「批判ツイート」があったことを記憶している人も多いだろう。
また、上沼恵美子(66)の長寿番組『上沼恵美子のおしゃべりクッキング』(朝日放送系)の終了も決定。2021年3月には小倉智昭氏(74)の降板とともに『情報プレゼンター とくダネ!』(フジテレビ系)も終了している。
こうしたテレビ業界の大転換はよりいっそう、テレビ局が視聴者やスポンサーの“目”を意識していることも関係している。
「だいたいの場合はご本人に番組終了や降板への意向を尋ねて、本人から『辞めさせていただきます』と決断することを待つ形になりますね。
『バイキング』の打ち切りについては初報が出たあとに、一部スポーツ紙が『いまから打ち切りは厳しい』という記事を出したんです。しかし、それが出るとネット上では『なんだ継続か……』といった嘆きの声で溢れたんです。
そこから、一週間とたたないうちに打ち切りについて正式発表があった。視聴率は悪くない番組なので“世間の声”の影響が多少なりともあったのではないでしょうか」(芸能記者)
テレビ局側もクレームばかりがつくMCやコメンテーターの起用はなるべく避けたいのだろう。ある情報番組の関係者はこう話す。
「意見が偏っていたり、失言が多い方はネットで“燃えやすい”ですからね……。
政治評論家の田崎史郎さん(71)は、安倍晋三元首相のスポークスマン状態でした。露骨に安倍政権の意図を代弁したり、政権側の心象がよくなるような解説をしていた。そして、安倍元首相ともよく会食をおこなっていたことから、ネット上では“スシロー”と揶揄されていました。
高齢なことと岸田政権に変わったこともあり、今後は出演が減っていくのではと思います。ただ、意外にもMCや出演者は田崎さんを気に入っている方が多いので、すぐに降板とはならないでしょう」
また、田崎氏と『ひるおび!』(TBS系)で共演することも多い国際弁護士の八代英輝氏(57)も2021年は批判の声を集めてしまった。
「9月の放送での『共産党は“暴力的な革命”を党の要綱として廃止していない』といった事実誤認発言で、2度も謝罪することがありました。
TBS局内からも『国際弁護士の発言はただのコメンテーターより責任が重い』という声が上がりましたが、何よりも大きかったのはスポンサーの『キユーピー』がCM放送を見合わせたことです。こんな事態はめったにありませんから、八代氏の出演継続はかなり“危険水域”にあると思います」(TBS関係者)
やはり、政治的発言への批判から“消えていく”人が多いのだろうか――。報道番組関係者に尋ねると、今度は政治学者と元国会議員の名前が挙がった。関係者が続ける。
「私のなかで思い浮かんだのは三浦瑠麗さん(41)と東国原英夫さん(64)ですね。
三浦さんは『Amazonプライム』の解約騒動がありましたが、発言の間違いや偏向性よりも厳しい批判がありまして……。それは『話が長い』『わかりにくい』という視聴者からの指摘の声なんです。
そもそも話している内容が視聴者に伝わっていないのであれば、コメンテーターとしての実力に疑問符がついてしまいます」
東国原氏は宮崎県知事を勤め、その後に国会議員も勤めた「地方」と「中央」をよく知る人物として重宝されている。
「しかし、いまだに視聴者からは“お笑い芸人”としてのイメージが強く、元政治家としての発言の足を引っ張っているような気がします。
さらに同じような経歴の橋下徹さんが非常に活発にテレビ出演するようになってきました。“キャラ被り”が起きたとしたら、選ばれるのは橋下さんのほうではないでしょうか」(前出・報道番組関係者)
一方で批判を多く集めていても、テレビ局から重宝される人物もいるという。
「10月の総選挙開票特番でMCを勤めた爆笑問題の太田光さん(56)には、その発言や態度に多くの批判が集まりました。太田さんも後日に平謝り状態で、TBSの社長も『我々、制作側に責任がある』と話していました。
しかし、意外にも局内では『あくまで芸人目線で意見をしていただけ』『とにかく話題になることも重要なので太田さんの功績は大きい』と評価する声が多かったんです」(前出・TBS関係者)
“話題”と“騒動”は紙一重ということか――。
外部リンク