4月5日、カリフォルニア州に暮らす18歳の男性が、タコス早食い大会の運営団体を訴えた。男性の父ダナ・ハッチングス氏は、2019年の大会に出場し、競技中の窒息により亡くなっている。
男性は、父の死は運営団体が参加者に対する安全管理を怠った結果だとし、損害賠償を請求している。
タコス早食いコンテストは2019年8月13日、マイナーリーグの試合で盛り上がるカリフォルニア州・チャックチャンシーパークでおこなわれた。
死亡したダナ氏は、当時、自身のフェイスブックに「世界最高のタコスパーティーだ!」と投稿しており、意気揚々であった様子が伺える。
大会では、制限時間内に食べたタコスの数が競われた。警察の発表によると、競技中に窒息状態になって意識を失い、駆けつけたスタッフから心臓マッサージとAEDによる救命処置を受けたが、搬送先の病院で死亡が確認されたという。
男性の弁護士は報道陣に対し「プロのフードファイターが大会に参加する場合は、事前に準備をするものです。しかし今回のように、一般人が挑戦する場合は『準備』という概念がない。だからこそ運営側が安全管理を徹底し、参加者にリスクを伝える義務があります」とコメントしている。
いまのところ、運営団体は取材に対してノーコメントを貫いている。
実は、今回だけでなく、大食い・早食い大会での事故は世界中で起きている。
2018年、アメリカで「トウガラシ」の大食い大会が開かれた。しかもそれは、「キャロライナ・リーパー」という、トウガラシのなかで最も辛いとされるものだった。
競技中、参加者の男性が激しい頭痛に襲われて病院へ。診察の結果、大量に食べたトウガラシによって脳の血管に異常が出ていると判明した。幸いにも、この男性は一命をとりとめている。
2020年、ロシアに暮らす女性は、訪れたバーで開催された「チョコパイ早食い大会」に出場した。しかし、チョコパイを一気に口に詰め込んだところで様子が急変。そのまま倒れ、搬送先の病院で死亡した。窒息死だったという。
日本でも同様の事故は起こっている。
2016年に滋賀県でおこなわれた「おにぎり早食い競争」で、参加した28歳の男性が死亡した。制限時間内に食べたおにぎりの量を競うもので、男性は5個目を食べ終えたところで倒れ、そのまま亡くなった。
やはり、人間は「腹八分」がちょうどいいようだ。
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