警視庁と東京税関に押収された約8kg分の覚醒剤とワックスの容器
末端価格で5億円を超える覚醒剤を、タイから密輸したとして、警視庁組織犯罪対策5課は、1月21日までに群馬県で自営業を営む星野健容疑者(42)と、妻で会社社長の星野沙姫容疑者(29)を、覚醒剤取締法違反(営利目的輸入)容疑で逮捕した。
「東京税関が押収した覚醒剤は計8kgで、末端価格は5億1600万円相当と見られています。輸入された覚醒剤は、タイからの国際郵便で運ばれていました。ヘアワックスの容器を上げ底にして、容器の上の部分にワックスを入れ、その下にビニール袋に入れた覚醒剤が隠されていたそうです。
現時点で2人は、『身に覚えがない』と容疑を否認しています。ただ、輸入された覚醒剤の量は約27万回使用できる量で、明らかに密売組織との関係があるとみて、警視庁も捜査を進めています」(社会部記者)
航空便を利用して密輸する手口は、当局も警戒を強めていたようだ。
「2017年に茨城県沖で、船で『瀬取り』という手法でおこなわれた覚醒剤密輸事件が摘発されました。海上で覚醒剤など、違法薬物を受け渡す手口です。以降、沖合への監視を強めていたので、密売組織側も危険と判断して国際郵便を使うようになっていました。
こちらも、税関での監視や内偵を強化していました。海のない群馬県が舞台になったわけですが、群馬県は在留外国人が年々増えていて、組織側も海外とのルートを作りやすかったんでしょう」(捜査関係者)
じつは妻の沙姫容疑者は、ハンドメイドでキャップを制作する会社を経営していた。同社の商品サイトを見ると、「おもにオリジナルキャップを制作『スワロフスキー使用』完全オリジナル、完全手作業です」などと謳われている。
そして、このキャップは多数の芸能人が “愛用” しているという。星野容疑者の会社が運営するインスタグラムを見ると、島田紳助(64)、上地雄輔(41)、加藤茶(77)&綾菜(32)夫妻、仲本工事(79)がキャップを被り、笑顔で写る写真が投稿されている。
お笑い芸人も多数愛用しているようで、NONSTYLE・井上裕介(40)、インパルス・堤下敦(43)、次長課長・河本準一(45)、レギュラー・松本康太(41)、バッドボーイズ・大溝清人(42)、ジョイマン・池谷和志(39)、原口あきまさ(45)……と、なんとも華々しい。
「おそらく、星野容疑者側が『これを被って写真をお願いします』と、帽子を宣伝するためにタレント側に近づいていったのだと思います。帽子もタダで渡しているのかもしれません。
こうしたケースは少なくありません。バーなどで芸能人を見つけて写真を撮らせてもらい、勝手に宣伝に使うケースはけっこうあるんですよ。人気商売ですし、近づいてきたファンをむげにはできませんから、タレントも “タダなら” ということでキャップを受け取ってしまうわけです。
あんなに大量の覚醒剤を輸入した容疑での逮捕ですから、インスタで “愛用者” と書かれた芸能人は、たまったもんじゃありませんが……」(芸能プロ関係者)
写真・朝日新聞
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