米軍が開発したアクティブ・ディナイアル・システムと呼ばれるマイクロ波兵器。実戦投入もされている
「通称『ハバナ症候群』です」と語るのは、元・共同通信ワシントン支局長でジャーナリストの春名幹男氏だ。
「2016年11月以降、キューバの首都・ハバナに駐在した米国の外交官らに症状が見られたことからつけられた病名ですが、ロシア・モスクワのホテルに滞在した米国中央情報局(CIA)工作員や、中国・広州にある米国総領事館の職員に加え、ホワイトハウスの関係者なども同様の症状を経験したという報道があります」
「2021年4月に、上院情報特別委員会が調査の方針を決めました。米国科学アカデミーが2021年12月に公表した報告書は、『指向性の無線周波エネルギーの可能性がもっとも高い』と指摘しています。
「重要なのは、マイクロ波攻撃は証拠が残らないということです。『本人の体調不良にすぎない』などと言ってシラを切ることができるが故に、中国国内の日本大使館や領事館が狙われる可能性は十分あります。日本国内でも、外交特権のある中国大使館の敷地内などにマイクロ波発生装置を置くことはできるでしょう」
「可能性はゼロではありません。2019年8月に米国の大統領補佐官だったジョン・ボルトン氏が英国・ロンドンを訪問した際、彼の側近であるホワイトハウスのスタッフがホテルの部屋で原因不明の体調不良に見舞われています。どこでも攻撃はあり得ると考えるべきでしょう。
(週刊FLASH 2021年6月15日号)