「狭いところですが、どうぞ」
そう言って本誌記者を住まいに迎え入れたのは、清水章吾(76)。かつてチワワとともに出演した「アイフル」のCMでブレイクした、ベテラン俳優だ。
清水は、2019年12月に『週刊新潮』で、元妻・ハルマンさん(69)と、その連れ子・絹子さん(45)から、「結婚以来40年に渡ってDV被害を受けていた」と告発された。この報道をきっかけに自殺未遂を図った清水が、本誌に入院中に切々と「反論」を訴えたのだ。
清水は、入院を機にハルマンさんから家を追い出され、退院しても行き場がなかった。そこで入居したのが、本庄市の自宅から40kmも離れた、埼玉県内のとある施設だ。
「6畳1間で、風呂もトイレも共同です。最寄駅からは徒歩18分ぐらいかな」
最初に部屋を紹介されたとき、ショックを受けたという。
「市役所の紹介で、1月9日に退院したその足で、ここに入りました。玄関も窓も鍵が壊れています。もっとも、盗られるような金目の物なんてありませんけどね。
温水も出ないし、電気布団も調子が悪いので、寒くて仕方がない。友人がくれた防寒着や電気ヒーターで、なんとかしのいでいます。
ときどき、『これは本当に現実なのかな』と首を傾げたくなりますよ。お金もないし、テレビも本も持っていませんので、今はもっぱら毛布にくるまり、終日部屋でじっとしています」
自殺未遂を図り、一時はICUに3日間入っていた清水。体調はどうなのか。
「おかげさまで、自殺未遂する前よりも、体調はいいです。モヤモヤした気分も取れて、何しろ精神的にも落ち着いています。
退院時に、担当したお医者さんから『ああいうことは絶対にしないでください』と言われました。これだけみなさんにご迷惑をかけ、申し訳ないと思っています。『何があっても、もうしません』と約束したんですよ」
苦しい生活を強いられる清水に、追い打ちをかけるような事実が発覚した。ハルマンさんは、「『離婚して、家のローンをチャラにすると清水に持ちかけたら、彼のほうから離婚届に署名した』と、離婚の経緯を本誌に語っていたのだが――。
「『ローンの残高は、2500万円もある』とハルマンに言われていたんです。でも銀行で調べると、実際には約500万円しかありませんでした。しかも登記上、いまも私の住宅ローンは残ったままでなんです……」
ハルマンさんのギャラリー。看板は「清水ハルマン」のまま
一方、ハルマンさんは上の写真の通り、清水を追い出した自宅にある、ギャラリーの看板を新調し、ライトアップ。リフォームに余念がない様子だ。SNS上では、画家としての雅号を「清水ハルマン」から、「ハルマン」に変更すると宣言。清水のいない新生活へ向け、歩みだしている。
「もう、ハルマンのことはふっ切れました。絹子とハルマンが、私を追い出すための共同戦線を張っている以上、元に戻ることは難しいでしょうから。
でも、せめて実の息子と娘には、普通に連絡が取れるような関係になりたいです。電話の1本でも、メールの1本でもいいから、連絡が欲しいですよ」
2019年春放送のテレビドラマ『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)第4話にゲスト出演して以降、清水はしばらく俳優業から遠ざかっている。
「『週刊新潮』の電話取材に、僕はついつい『認知症が始まっていますから』などと答えてしまいましたが、入院先の先生からは『認知症ではありませんよ。年齢どおりです』と言われました。
確かに、セリフ覚えは若いときのようには行かないかもしれませんが、まだ役者をやりたいです。これまでは、実年齢よりも若い役が多かったのですが、『メゾン・ド・ポリス』では年相応の役で、いい評価をいただき、嬉しかったです。やっと、役が年齢に追いついてきたと思っています」
この場所を出て、知人の紹介で、別の住まいに移る可能性もあるという清水。
「僕がかつて弟子入りし、人間国宝にも認定された女形役者の花柳章太郎さんから、『役者は死ぬまで修行だよ』と言われたことがあります。だから、ここでの生活も俳優修行のひとつだと前向きに捉えています。
家も仕事も家族も消えて、いまは何もない。でも逆に、これから起こることは、全部プラスだと考えています。俳優として、どんな役でも引き受け、再起するつもりです」
今後の展望を、静かに語る清水の瞳には、熱い闘志が宿っていた。
(週刊FLASH 2020年2月11日号)
外部リンク