どこの国でも、警察は大忙しだ。アメリカでは、武装した少年と警察のにらみ合いが続くなか、まったく無関係の女がやってきた。女はベロベロに酔っ払っており、全裸でゴルフカートに乗っていた。
9月5日の夜、フロリダ州のとある街で、緊迫状態が続いていた。大量の銃を盗み、発砲事件を起こした18歳の少年は、警察から逃れるため民家の屋根によじ登った。少年と警察のにらみ合いは6時間にも及び、装甲車や特殊部隊、さらに少年の妹もかけつける騒動となっていた。
結局、少年は逮捕されるのだが、この事件が注目をあつめた理由は他にある。
膠着状態が続くなか、どこからともなく現れたのは、1台のゴルフカートだ。運転していたジェシカ・スミス容疑者(28)は、このとき酒に酔っており、さらに何ひとつ身につけていない「全裸」状態だった。
スミス容疑者は、ゴルフカートに乗りながら警察車両の脇をすり抜け、にらみ合いのど真ん中に。警察の制止をふりきると、犯人が銃を構える民家のすぐそばまで近づいていく。
警察も放っておくわけにはいかない。すぐさま現場を去るよう命じるが、スミス容疑者はそのままゴルフカートのなかに居座り続けた。結局、警察は力ずくでカートから引きずりだし、公務執行妨害で逮捕した。捜査関係者に危害が加えられる可能性があったからだ。
その後の調べで、スミス容疑者は現場のにらみ合いとまったく無関係だと判明する。ひとつの現場でたまたま2つの事件が起きてしまったことになる。
ニュースサイトのコメント欄は、大いに盛り上がっている。
《対応した刑事さん、ゴルフでリフレッシュした方がいい》
《ゴルフカートはゴルフ場だけで運転してくれ》
《現場じゃなくて警察に行ったほうが早かっただろう》
すっかり事件の主役になってしまったスミス容疑者だが、警察にとってこの上なく迷惑な話だ。
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