6月4日におこなわれた参議院財政金融委員会で、自民党の麻生太郎財務大臣による答弁が物議をかもしている。麻生大臣は、日本で新型コロナウイルス感染者の死亡率が低いのは、他国と比べて「民度のレベルが違うから」だと発言した。
委員会の冒頭、自民党の中西健治議員が、新型コロナウイルスへの対応について、「(外出禁止ではなく自粛という)自由という価値を守り続けていることは、高い評価を受けるべきものだ」と発言。それを受け、麻生大臣の見解が求められた。
麻生大臣は、「どうでしょうねぇ。自由っていうけど、憲法上(規制が)できなかったから結果としてなっただけで、そういった見識をもって臨んだのかね。それでも、効果があったところがミソですかね」と疑念を示す。
続けて、「どうして日本だけこうなったのか、いろいろ厚生省(発言ママ)とか医者とかに後で検証してもらわなきゃいかんのだとは思うんですが」と前置きしつつ、他国と比較した場合の死亡率について触れた。
「こういうの、結果は死亡者(の数)ですから。戦争も、最終的には死亡者が何人で、その戦争は勝ったか負けたかという話になりますんで。フランスの場合、(100万人あたりの死亡者は)228人(6月4日現在で実際には445人/ワールドメーター調べ)、アメリカが824人(同330人)、イギリスで309人(同585人)、日本は7人。
『お前らだけ薬持ってんのか』って、電話かかってきたときによく言われたもんでしたけど、私どもとしては、そういった人たちの質問には、『おたくとうちの国とは、国民の民度のレベルが違うんだ』と言うと、みんな絶句して黙るんです。そうすると後の質問が来なくなるので、それが一番簡単な答えだと思って。
このところ、その人の電話もなくなりましたから、なんとなくこれ、定着しつつあるんだと思いますけども」
会場では、「民度が違う」発言が飛び出したとき、ちらほらと笑い声があがる。
麻生大臣は、「島国で連帯的なものも強かったし、いろんな意味で国民が政府の要請に対して、きわめて協調してもらった。暴動が起きたわけでもなし。いろんな意味で国民性。
いずれにしても、海外から見ればゆるいお願いレベルの話であっても、これだけ効果があがったというのは、我々としても誇りに思わにゃいかん大事なところだと思っております」と付け加えた。
この答弁に対し、日本共産党の小池晃議員はツイッターで、《世界中が絶句する暴言》、立憲民主党の蓮舫議員は同じくツイッターで《国籍を問わずコロナ感染症で亡くなった方、そのご家族のお気持ちに寄り添わず、『民度』の違いとの認識を国会で披露。 日本の財務大臣発言として海外に発信されてほしくない》と批判の声をあげていた。
一方、《民度発言のなにがいけないの?実際そうなんじゃないの?》《民度はどうかわからんけど、暴動略奪がおこる他国に比べりゃ日本はマシだろ》と、麻生大臣に賛成する声も上がっている。
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