日本を代表する高級ホテルである「帝国ホテル 東京」が発表した新規事業「サービスアパートメント」は、人々に衝撃を与えた。
価格は31平方メートルのスタジオタイプで30泊36万円(税・サービス料込み、以下同)。1泊あたりに換算すれば1万2000円。短期滞在にも対応し、最低宿泊日数である5泊ならば15万円で利用可能だ。3月15日から予約開始となり、99室は即日完売となった。
改修されたアパートメントフロアには共同利用スペースとしてコミュニティルームも設置された。朝食のパンを無料で提供するほか、洗濯乾燥機、電子レンジなども自由に利用できる。
さらにサブスクリプション方式で、食事のルームサービスを30泊6万円、ホテルのランドリーサービスを30泊3万円で受けられる。
「ホテルに住まう」と、いったいどんな生活が送れるのか。
今回発売された「サービスアパートメント」ではないが、以前から帝国ホテルのホテルフロアに長期宿泊している元宝塚歌劇団宙組トップスター、大和悠河にホテルでの暮らしを案内してもらった。
「帝国ホテルが東京宝塚劇場の目の前にあるので、宝塚時代から東京にいるときは利用していました。舞台の開演前は必ずウオーミングアップして体の筋肉をほぐして整えます。
終演後はクールダウンをして体のメンテナンスをするんですが、私はそこに時間をいちばん取りたかったんですね。帝国ホテルからなら準備ができた状態で劇場へ移動ができますし、突発的なことが起きても遅れることがありません。
仕事に集中できる環境が得られたり、気分転換ができることも、私が帝国ホテルを利用する大きな理由のひとつですね」と “相性のよさ” を話す。
さらに、立地の便利さだけでなく、帝国ホテルだからこその、心も体も安まる「楽園」たる所以があるという。
「『おもてなしの心得』みたいなものがすごいんです。
私が仕事から戻ったときにほかにお客様がいないと、『おかえりなさいませ』と声をかけてくださって、楽しく会話をします。
お客様がいるときは、『いらっしゃいませ』とほかの方と同じように対応してくれたりと、その時々で配慮をしてくれるんです。
何かお願い事をしても、お客様の要望に応えたいという心意気が染みついているんですよね。
たとえば、私がホテルを利用していることがわからないように、荷物を上手に隠して運んでくれたり、外部からの電話などの問い合わせにも十分に配慮をしてくれるんです。そういう心遣いが嬉しいです」
さらに、コロナ禍でも安心感があるという。
「夜中にロビーの高い天井の電球をひとつひとつ掃除している姿を何度も見かけていますし、バレンタインデーにいただいたチョコレートの汚れを壁につけてしまったときも、きれいに掃除をしてくれました。
そうした仕事ぶりから衛生面では絶対の信頼感があります。これはコロナ禍では、何物にも代えがたい安心感だと思います。
リモートでの仕事が増えたことで、ホテルの中ですべてが完了する便利さも、より感じています」
銀座の隣駅である新橋から徒歩圏内だと、帝国ホテルの「サービスアパートメント」に近い広さの築浅マンションの家賃は月14万円〜20万円ほど。
ホテルのサービスという付加価値を考えると30泊36万円という利用価格は納得の値段といえそうだ。
以下、ある日のスケジュールを公開する。
▪️朝のストレッチ
6:00「毎朝起きたら、まず体をほぐします。ヨガマットを使って30分ぐらい行います」
▪️散歩
7:00「カフェのパークサイドダイナーでコーヒーをテイクアウトして日比谷公園へ」
▪️朝食
8:30 朝食は伝統あるレストラン「レ セゾン」で。毎朝食べるのは玉子丼
▪️打ち合わせ
10:30 会議室で打ち合わせとリモート取材を受ける(宿泊者は予約制で2時間まで無料)
▪️昼食
12:00 目の前の東京・宝塚劇場を眺めながらスープとサラダの昼食。
「ルームサービスを頼むと必ず花瓶に挿したバラ一輪がテーブルに載ってくるのが最高です」
▪️観劇
13:30 東京宝塚劇場へ
▪️アフタヌーンティー
17:00 ミュージカル『君はいい人、チャーリー・ブラウン』に声で出演中。同作の取材を受ける
▪️ストレッチ
18:30 部屋に戻りクールダウンのストレッチ。
「仕事から戻るとクールダウンをするのも、宝塚時代からの日課です」
▪️夕食
19:30 ルームサービスを頼んで夕食。
「今日は21時から部屋で公式LINE LIVEをおこないます。お風呂に入ってリフレッシュ」
やまとゆうが
8月4日生まれ 東京都出身 1995年に宝塚歌劇団に入団。新人公演主演を7回務めるなどした後、宙組男役トップスターとして活躍。
関西ジャニーズJr.に男らしさを指導する『まいど!ジャーニィ〜』(BSフジ)の人気恒例企画「男らしさ」が4月11日、18日に放送予定
(週刊FLASH 2021年4月20日号)
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