女優の吉田羊が、5月8日放送の『セブンルール』(フジテレビ系)に出演した。
番組では吉田の仕事現場に密着。主演映画の舞台挨拶中、サプライズで監督への誕生日ケーキを提案したり、カメラマンにプレゼントを渡すなどしていた。
こうした姿勢は徹底しており、取材で一緒になったスタッフにお菓子を配るなど、常に気遣いを忘れない。ここまで吉田が周囲に対して気配りするようになったのは、こんなきっかけがあったという。
「10年くらい前、いろいろ悩んで友人に吐露したときに『お前、感謝帳をつけろ。お前には感謝が足りない』と言われたんです。『感謝が足りないから、感謝すべきことが少ないんや』と」
ここで「書いているとニヤニヤしてくる」と話す吉田は、「恥ずかしくて」現物を見せられないため、スタッフのノートに、その日の感謝帳に書く内容を再現してみせる。
<父とごはん>
<父が朝ごはんを作ってくれた>
<九州新幹線17分で博多へ>
<父がお土産代をくれた>
<席がとれた>
<博多ホテル、トイレに間に合った>
<取材が全てとどこおりなく終わったこと>
<(主演映画の監督の鈴木)おさむさんが無事に福岡入り>
どうやら日記のようなものらしいのだが、吉田は「本当に小さいことなんですけど、小さいことを書き出していくと、つらいことがあった1日でも実は『こんなにうれしいことがあったんだ』って気付くんですよね」と説明した。
感謝帳は彼女の女優人生にとっても欠かせないものらしい。
2016年2月7日付けの「デイリースポーツ」によると、2011年の日本アカデミー賞の日にたまたま居合わせた男性に言われた一言が忘れられないという。
「用賀にあるバーで見ていたんですけど、そのとき深津(絵里)さんが『悪人』で主演女優賞を受賞されて、スピーチされているのを他人事で見てたんです。そしたら、左隣にいた男性のお客さんが、『羊ちゃんはこういうテレビをどういう気持ちで見るの?』って言ったんです」
「ふかっちゃんか、よかったなって気持ちで見てますよ」と答えた吉田。男性は「同業者だから悔しいのかなって思ったんだよね。意外に素直なんだね」と返し、「その瞬間に、不思議と『あ、私もここに行きたいと思っていいんだ』と初めて思った」という。
これをきっかけに「いつか日本アカデミー賞で最優秀助演女優賞を取れますように」という思いを感謝帳に書くようになった。
2016年、『ビリギャル』(2015年)で、日本アカデミー賞最優秀助演女優賞にノミネートされ、授賞式に立つことができた吉田。感謝帳に書かれた彼女の夢が実現する日も、そう遠くはないだろう。