――遠藤関が結婚していることをご存じですか?
「知らない……」
3月11日、自宅から出てきた日本大学・田中英壽理事長(73)を直撃すると、ぼそっとひと言つぶやいた。日大アメフト部の問題で、「日大のドン」とまで呼ばれた男は、憮然とした表情で、迎えの車に乗り込んだ。
日大相撲部出身の小結・遠藤(29)が、一般女性と結婚したのは2019年5月のことだ。すでに部屋を出て、結婚生活を始めているという。
ところが、その事実が明らかになったのは、遠藤本人の口からではなく、2019年10月のスポーツ紙の記事でだった。
「彼は周囲に、ほとんど結婚報告をしていなかったんです。“アマ相撲界の大鵬” と呼ばれた、大物タニマチの田中理事長に対しても、例外ではありません」(日大相撲部関係者)
遠藤には、2014年に発足した個人後援会「藤の会」がある。それは、田中理事長夫妻が中心になって発足したという。ある会員が内情を語る。
「田中理事長の呼びかけということで、日大の課長以上の職員は、ほとんど加入していました。日大のOBや校友会会員も多く参加していて、その規模は相当なものですよ」
大相撲の本場所ごとに後援会主催で激励会を開き、一度に500人~1000人規模を集客する盛大なパーティも催されていた。会費は1万円。東京のほか大阪・名古屋に支部があり、力士個人の後援会としては、かなりの規模だ。
だが現在、この藤の会が解散状態にあるという。相撲担当記者は、驚きを隠さない。
「長年相撲を取材していますが、現役の、しかも人気力士の後援会が消滅するなんて話は、聞いたことがないです。力士にとって、後援会は非常に重要。不景気で懸賞金が減るなか、後援会がなくなるというのは、力士にとっては死活問題です。守ってくれる後ろ盾も、なくなることになります。
しかも、遠藤の後援会は規模が大きい。そんな組織が解散するなど、前例がないです」
なぜ解散状態になったのか。事情に詳しい日大関係者が、その経緯を明かしてくれた。
「遠藤には、結婚した女性の前に、交際していた女性がいたんです。それは、田中理事長の妻・優子夫人から紹介された女性でした。理事長夫妻としては、遠藤のために “許嫁” を見つけてあげたつもりだったのでしょう。
しかし、理事長夫妻が知らないところで、遠藤はその女性と別れ、いまの奥さんと結婚してしまった。そして遠藤は、一切の報告を、理事長にしていないんです。とてもかわいがっていただけに、理事長は『遠藤に裏切られた』と激怒し、絶縁状態に。『藤の会』も、事実上解散したんです」
前出・藤の会会員も、こう話す。
「結婚での不義理を含めて、遠藤が理事長夫妻の言うことを聞かなくなったことが、解散の原因だと聞いています」
遠藤の結婚までの経緯について、あらためて田中理事長宛てに質問状を送ったところ、日大広報課を通じて、「プライバシーに関することは、大学としてはお答えいたしません」とだけ回答が返ってきた。
恩人を敵にまわしてまで結婚を選んだ遠藤だが、肉親にはどのように報告したのか。地元の石川県穴水町に住む父親・吉樹さんが答えてくれた。
「本人は、『俺は芸能人じゃないから、結婚を公表することはない』と。式も披露宴もやらないのは本人の考え方で、それを尊重しています。もちろん嫁さんは、実家に何度も来ていますよ。(お嫁さんが)どんな人かは話せません。
相撲の世界に入ったら、私は父親であっても父親じゃない。住む世界が違いますから。だから、あまり余計なことは本人に聞かないようにしています。(藤の会の)解散は、聞いたことがなかったですね」
そう話す吉樹さんは、どこか、さばさばした表情。2020年2月に遠藤が帰省したときも、会話は雑談程度だったという。
藤の会解散について、遠藤自身はどのように考えているのか。遠藤に取材を申し込むと、代理人の弁護士から回答があった。
「結婚の報告については、2019年4月9日、田中理事長(経営)のちゃんこ店を訪問し、理事長の奥様へ報告をおこなっております。なお、田中理事長は、客席にいらっしゃったため、帰りにご挨拶しました」
藤の会の解散については、「入籍後、(激励会などが)開催されていないのは事実です」としながらも、「理事長夫妻から女性をご紹介いただいたことはありますが、おつき合いをしたという事実はございません」と説明し、“自身の結婚が解散に繋がった” という認識を否定した。
最後に、結婚を公にしない理由について、こう言及した。
「妻が一般人であり、披露宴の予定もなかったこともあって、ごく一部の方にしかご報告をしておりません。自ら公にしたこともございません」
前出の担当記者は、「いまの若い力士は、“現代っ子” で感覚が違う。本人は『しかたない』と思っているんじゃないかな」と言う。我が道を貫き、周囲から愛想をつかされなければいいが……。
(週刊FLASH 2020年3月31日・4月7日号)
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